フロントグリルなど、車にはさまざまな部分にメッキが使われています。メッキは輝くような光沢がありとても綺麗ですが、メンテナンスを怠ると汚れや傷が目立つようになってしまいます。
定期的にメッキ磨き、綺麗な状態を維持することが大切なのですが、車のメッキ磨きはどのような方法で行えば良いのでしょうか?
ここでは車のメッキ磨きの方法や、メッキ磨きの有効性、メッキ磨き後の手入れなどを紹介します。
正しい車のメッキ磨きの方法を知り、愛車のメッキ部分をいつまでも綺麗な状態に保てるようになりましょう。
目次
なぜ車はメッキ磨きが必要なのか?
まずはなぜ車のメンテナンスとしてメッキ磨きをする必要があるのかを見ていきましょう。
メッキはピカピカとした光沢があり、高級感を演出できるといった利点があります。
車やバイクには欠かせないものとなってきており、その輝きを維持することが重要です。
ですが最初はとても綺麗なメッキでも、時間が経つと徐々に汚れや傷が目立つようになってきます。
正しくメンテナンスをしないときれいな状態を維持することはできないわけです。
メッキの表面部分には水分やほこりをはじめ、さまざまな汚れや傷の原因が付着します。
これらの原因を放置しておくことでメッキがダメージを受け、見た目も悪くなってしまいます。
こうした事態にならないためにも、正しくメッキ磨きを行ってあげましょう。
車のメッキ磨きに必要な道具
では具体的にメッキ磨きの方法を見ていくわけですが、まずは必要な道具を準備しましょう。
車のメッキ部分を磨く際には以下の道具を用意してください。
★メッキ専用のクリーナー
★目の細かいクロス・マイクロファイバークロスなど
★メッキ用コーティング剤
以上のものを用意しておくと正しくメッキ磨きが行えます。特にメッキのくすみがある場合は、
メッキ専用のクリーナーが必要になります。
ただし、メッキ用クリナーの中には微粒子ながらコンパウンドが入っているものが多く、研磨剤が入っていないとされるクリナーでも、汚れ落とし剤は入っておりますので、必要以上にメッキ磨きをしすぎると最終表面のクロムメッキがとれてしまい、下地のニッケルメッキがでて、くすみの原因なります
理想は最初のメッキのくすみ磨きのみ、メッキクリナーを使用し、仕上げにメッキ用コーティング剤を利用する事をお勧めします。その後は定期的にメッキ用コーティング剤を塗布する事がいいです。
定期塗布することで
- ■メッキをダメージから保護でき
- ■メッキが汚れにくくなったり
- ■メッキが傷が付きにくくなったり
- ■メッキがくすみづらくなったり
- ■メッキが錆びにくくなったりします。
メッキ用コーティング後の手入れは、汚れがついた時のみ、アルコール拭きで落とすくらいで大丈夫になります。
メッキくすみ磨きの最初の流れ
- 脱脂
- メッキクリナー
- 脱脂
- メッキ用コーティング
メッキ用コーティング後の流れ
- 汚れた場合のみ
- 汚れ具合によりどれか選択
- 乾拭き(目の細かいクロスでないと傷がつきやすい)
- 水拭き(水汚れが残っているとウォータースポットが発生する)
- アルコール拭き(※おすすめは史上"最鏡"クロスでアルコール拭き)
- 中性シャンプー(間違っても酸性タイプはNG)
- パーツクリナー (汚れが酷い場合はパーツクリナーに頼るしかないでしょう)
- 脱脂
- メッキ用コーティング
車のメッキをワックス・コンパウンドで磨くのは避けよう
メッキ磨きの際に車用のワックスやコンパウンドを使うという方もいるようです。たしかに車のツヤを出すためにこれらの道具は有効なのですが、メッキ部分には使わないようにしましょう。というのも、一般的なワックスやコンパウンドには研磨剤が入っています。研磨剤が入っていることで表面の汚れなどが削れ落ち、見た目も綺麗になっていく仕組みですがメッキ部分に使ってしまうと細かな傷の原因になってしまいます。綺麗にしようとワックスやコンパウンドを使った結果、逆に小さな傷が無数に付いてしまったなんてことにもなりかねません。
車用のワックスやコンパウンドであっても研磨剤が入っていると傷を付ける危険があります。
メッキ磨きの際にはワックスやコンパウンドは使わず、メッキ磨き専用のクリーナーを使いましょう。
車のメッキ磨きの下準備
道具が揃ったらメッキ磨きを開始できますが、準備はしっかりと行いましょう。たとえばマスキングです。メッキ部分の場所によっては車の外装、塗装部分がすぐ近くにあってメッキ部分だけを磨く難しい、クリーナーが塗装部分にも付着してしまうようなケースがあります。メッキ専用のクリーナーは塗装部分に付着すると塗装を削ってはがしてしまう恐れがあります。そのためメッキ専用の周辺をマスキングテープでマスキングしておくと安心です。
もちろんマスキング無しでも作業は行なえますが、万が一に備えてマスキングしておくのがおすすめです。磨くメッキ専用の周囲をマスキングし、メッキ専用のクリーナーと柔らかいクロスやマイクロファイバークロスを手元に用意したらいよいよメッキ磨きを始めていきます。
その際のコツは優しくなでるようにメッキを磨くことです。
車のメッキ磨きの方法
メッキ磨きの方法は決して難しいものではありません。基本的には磨きたいメッキ部分に対して、クロスやマイクロファイバークロスを使ってメッキ専用のクリーナーを塗布していきます。この時、ポイントとしてはクロスやスポンジにメッキ専用のクリーナーを付けて磨くということです。メッキ部分に直接クリーナーを付けてしまうと量が多すぎたり、塗装部分に付きやすくなったりします。必ずクロスかスポンジに少量のクリーナーを付けましょう。
クロスやスポンジにクリーナーを付けたら力を入れすぎないように意識しながらメッキ部分を優しく磨きます。撫でるような感覚で、ゆっくりと慎重に磨きましょう。
汚れがしつこくこびり付いていたりして、軽く磨いただけでは落とせない時は少し力を入れがちですが、力をいれるとメッキ面が傷つく場合がありますので、ここは慎重に作業をしていただきたいです。
メッキクリナーで落とせない汚れの場合は、脱脂工程に戻り、メッキ面についている脱脂から行う方がベストです。その場合は①アルコール②中性シャンプー③パーツクリナーという選択肢になりますが、汚れ具合との相性によって選択する必要があります。個人的におすすめは、軽度の汚れならアルコール、汚れが酷い場合はパーツクリナーがよいかと思われます。シャンプーを選択する場合は、間違っても酸性のものはNGです。必ず中性シャンプーのものを選択しましょう。
もしくは、事前に車用の中性シャンプーなどで洗浄しておくのも良い方法です。
これなら余計な汚れが事前に落ちているため、よりスムーズにメッキ磨きが行えます。
磨いていくと徐々にメッキ部分のくすみが消え、綺麗に輝いていくのがわかるはずです。
磨きすぎも良くないので、十分に綺麗になったと感じたらそこでやめましょう。最後に、メッキ部分にはまだクリーナーが付着していますので、乾いた綺麗なクロスなどで拭き取ります。クリーナーがメッキ部分に付着したままにならないよう注意してください。
車のメッキ用コーティング剤を使用した仕上げについて
専用のクリーナーを使ってメッキ磨きを行うことで、メッキの輝きを取り戻し綺麗な状態にできます。ですがそれも一時的なものであり、また時間が経てば徐々に汚れやくすみが目立つようになってしまいます。そこで仕上げとしてメッキ用コーティング剤を使用するという方法もあります。
メッキ用のコーティング剤を使用すると、メッキの表面部分に特殊な膜が形成され、この膜がバリアのように汚れや傷からメッキを保護してくれます。
実は車のメッキ部分というのは目に見えないほどの小さな穴が空いていて、そこに水分やホコリが入ることで汚れや錆びの原因になっているのです。
メッキ用コーティング剤は特殊な膜を作ることでこの穴を埋め、水分や汚れの侵入を防げます。
結果的にメッキを綺麗な状態で保ちやすくなるというメリットが生まれます。メッキ磨きをして綺麗になったら、最後にメッキ用コーティング剤で保護してあげるのが良い方法です。
車のメッキ磨きをしないとどうなる?
メッキを綺麗にするとはいえ、自分でメッキ磨きをするのは面倒という方もいるかもしれません。
もしメッキ磨きをしないで放置しておくと、どんな問題が起こるのでしょうか?まず見た目の問題が挙げられます。メッキ磨きをしなければメッキ部分も少しずつ汚れていき、見た目が悪くなります。
この他、傷が付いてしまったり、ひどい場合だと錆びてくることもあります。こうなると見た目が良くないだけでなく、メッキの耐久性にも問題が生じます。メッキ磨きを定期的に行うことで汚れをしっかり落とすことができ、傷が付くといったことも最小限に抑えられます。メッキ磨きはメッキ部分の状態を保つためにはとても有効な方法です。面倒な作業ではありますが、自分でもしっかりとメンテナンスを行うように心がけましょう。
車のメッキによって変わる錆びの種類
実はメッキによってどんな錆びが付きやすいのか、その種類が変わります。
車に使われている外装メッキは主に2種類です。
★クロームメッキ
★アルマイト加工されたメッキ
ベンツ等の欧州車のメッキモールはアルマイトモールが多いです。詳しくは→ベンツ用メッキング
日本車やアメリカ車は基本的にクロームメッキが使われています。
一方でヨーロッパの車の多くはアルマイト加工されたメッキを使っています。
私達に日本人にとってはクロームメッキを目にする機会が圧倒的に多いと言えるでしょう。
そんなクロームメッキに付きやすい汚れは、白く斑点状になったシミのような汚れです。いわゆるウォータースポットです。
これは雨などの水分が原因になっていて、水分に含まれるミネラルといった成分が固まることで発生します。雨の日に車体に雨が付着、晴れた際に日光によって水分が蒸発、ミネラルなどの汚れの成分だけが残り固まるといった仕組みです。
特にメッキ部分はこの白いシミのような汚れが目立ちますし、数も多くなりがちです。これをほっとくと点サビに発達いたします。
ヨーロッパを中心に使われているアルマイト加工されたメッキはというと、こちらはアルミ腐食が大きな問題になります。
アルマイトの腐食 | 樹脂メッキの点錆び |
クロムメッキ部分のごく小さな穴に雨水が入るなどして奥の金属部分まで到達、水分と金属が反応することでサビが生じ、樹脂メッキといえども、表面が金属なため、点サビが発生後にメッキがめくれてきます。
このように、車に使われているメッキのタイプによって汚れや、腐食の種類も変わってきます。
いずれにしてもメッキ磨きをしっかりと行うことで汚れを落としたり、汚れの予防が可能です。
車のメッキ磨きと洗車は違う?
ここまでメッキ磨きの方法を見てきましたが、そもそも一般的な洗車とはなにか違うものなのでしょうか?洗車の場合、メッキ部分に限らず車の外装全体をカーシャンプーなどで洗浄します。
汚れを落とし、綺麗にするという点ではメッキ磨きと同じです。実際、洗車を行うことでメッキ部分の汚れもある程度は落ち、見た目も綺麗になります。
ただし、メッキ磨きの場合はメッキに焦点を当て、メッキ専用のクリーナーも使用します。専用のクリーナーを使うことでよりしっかりと汚れを落とすことができ、見た目もより綺麗になります。基本的には同じような2つの作業ですが、メッキをより綺麗にできるのはメッキ磨きというイメージで良いでしょう。
たとえば普段から定期的に洗車されている方が多いと思うのですが、その普段の洗車ではメッキ部分の汚れが十分に落ちていない、光沢が戻らない、そんな場合にメッキ磨きをしてあげましょう。
そうすることでピカピカと綺麗なメッキを取り戻せます。
車のメッキ磨きはメッキ部分のメンテナンスとして非常に有効です。汚れを落とすことができますので、できれば定期的にメッキ磨きをしてあげたいところです。汚れを落とすことができればピカピカと光沢のある綺麗なメッキを維持できます。
新品の頃のような状態をできるだけ長く維持するためにも、正しい方法でメッキ磨きをしてあげてください。
車のメッキ磨き後におススメのコーティング剤
自信をもっておすすめできるのが弊社から発売しているメッキ・金属用コーティング剤『メッキング』です。
メッキングを使うと?
鏡面のクロムメッキの表面を拡大してみてみるとこのように微細な穴があいています。
メッキングを使う事で穴そのものをふさいでしまい、クロムメッキのサビ、くすみ防止が可能になります。
メッキング動画で説明
.
車用のコーティング剤とメッキングの違い
車のガラスコーティング剤の多くは、ボディーを意識して作られておりますので、短期間で広い面積をコーティングしやすい組成になっているものが多く、イメージセロハンテープ状にコーティングされるが、メッキング被膜は、クロムメッキにあいている穴を埋める事を目的として作っておりますので、粒子の細かい被膜が手と手をとりあって穴を埋めながらコーティングするというイメージになります。
(車のコーティング剤の全てがそのような組成ではないです。あくまで一例です)
車用のガラスコーティングイメージ図
セロハンテープ状に被膜が形成されるものが多い。塗装の被膜に近く塗装被膜がめくれる時をイメージしていただけるとわかりやすいと思います。
メッキング被膜イメージ図
メッキング被膜は粒子の細かい被膜が手と手をとりあって穴を埋めながらコーティングするイメージで、はがれる時は、人間の垢みたいに、部分にボロボロとめくれる感じになります。
メッキング被膜の効果
※メッキングは1コートで半年もちますので、最初2~3回は1か月に一度くらいを目安に重ね塗布し。その後は半年に1度に塗布することをおすすめいたます。
メッキングが重ね塗布が有効な理由
メッキング被膜は薄い被膜を重ね塗布、重ね塗布することでメッキ面の鏡面度が改善されていきます。クロムメッキ用の光沢剤も配合していますで、薄く被膜を重ね塗布、重ね塗布することで光沢がUPしていきます
厚付けは不可、厚く塗布することで耐食性はあがりますが、鏡面度が改善できなくなるうえにムラムラになってしまいます。鏡面メッキでなく、見た目よりも耐食性をあげたいパーツは厚くたっぷり塗布していただいても問題ありません。
■見た目重視の場合は薄く
■見た目よりも耐食性重視の場合は厚く
メッキングが塗装NGの理由
メッキングは構造上、短期間に広い面積のコーティングを必要とする塗装面だと、メッキング被膜がよけいムラになりやすく、ムラを見逃した場合、とるのが大変なため、塗装面はメッキングNGとさせていただいております。
自分の車のボディー塗装面にメッキング被膜を大量塗布したところ、ムラムラ被膜が5年くらい残ってしまいました。
車パーツをメッキ加工したい方
いままで、車のメッキ磨きについて記載してきましたが、
車パーツにメッキ加工したい! という方は
メッキ加工NAKARAIはメッキ加工専門店なので、
部品をバラシて弊社まで送っていただければ、加工可能です。(樹脂パーツは新品のみ)
弊社でメッキ加工した一例を掲載させていただきますので、参考にしてみてください
■ワイパーアーム
クロムメッキ前 | クロムメッキ後 |
※ワイパーアーム・ワイパーブレードにつきましては、新品パーツのみクロムメッキ加工可能。現車についているパーツ等の中古不可 詳しくは、車パーツへのクロムメッキ加工事例
メッキ加工の事ならNAKARAI
メッキのコーティングならMEKKING
クロムメッキの事についてもっと知りたい方は、
詳しくはこちら:クロムメッキの全てが解る。