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直線番長と言えばVMAXだった
みなさんこんにちは。今回はヤマハ屈指のモンスターバイクである2017年式『VMAX』にスポットライトを当てていきます。
ヤマハ『VMAX』。ある程度の歴を重ねていればその名を知らぬバイカーはほとんどいないでしょう。、国内メーカーの数あるバイクを引っくるめても、その強烈な個性とパワーは一線を画すVMAXはかつてモンスターバイクとしてその名を轟かせ、一目を置かれる存在でもありました。
VMAXが登場したのは1985年。ネイキッドとアメリカンバイクの中間的な存在で、どちらともとれるその外観はまさに『無国籍バイク』という言葉が一番しっくりくる様な一風変わったフォルムが特徴的でした。非常にマッスルで重厚感のあるデザインとなっており、その存在感は他を圧倒するほどでした。
同じくヤマハのクルーザーバイクであるベンチャー・ロイヤルと同じ1198cc水冷V型4気筒4ストロークDOHCエンジンを搭載。更には新たにVMAXにはVブーストシステムを搭載した怪物的なスペックを持ったバイクです。
このVブーストとはエンジンが6000回転を超過すると1気筒に対して連結した2つのキャブレターから、より多く混合気を吸気しそのパワーを発揮するというシステム。これによって初代VMAXの最高出力は145ps/9000rpmにも達し、強烈な加速を実現していました。
ライバルを力でねじ伏せるかの様なデタラメなパワーはVMAXの真骨頂でもあり、重厚感のある車体をトップスピードまで難なく引っ張るほどでした。その加速性とパワフルさから『直線番長』と呼ばれ、ハイウェイでは向かうところ敵なしと言った加速性能を誇っていました。
発売当初は海外仕様のみで、日本国内においても輸入でのみ手に入る様な状況でした。1990年になるとVMAXは日本国内で販売される様になりましたが、国内仕様ではVMAXの魅力でもあったVブーストシステムは搭載されず最高出力を97ps/7000rpmに抑えた仕様となっていました。一見改悪にも思えたデチューンでしたが、日本の交通事情を考えるとやはり145psのパワーは無用の長物とも言え、むしろトルクに振ったエンジンは意外にも乗りやすかったと言われています。
しかしVMAXのミソであるVブーストシステムを知らぬ訳にはいかないと、国内仕様モデルにもVブーストシステムを後付けで搭載できるキットなどもリリースされた事でVMAX本来の姿を国内でも見せつける事が出来たのです。
また新たにフルタイムVブーストシステムの登場など、VMAXの進化は止まることを知らず常にトップモデルとしてラインナップに君臨し続けたのです。私が免許を取ったばかりのころはアメリカンバイクブームで、当時はVMAXも半分はアメリカンバイクにカテゴライズされていたこともあり、国産アメリカンバイクの頂点にいる存在という認識がありました。
若いながらもその桁外れのパワーと迫力に憧れとリスペクトの気持ちがあったのと同時に一筋縄ではいかないじゃじゃ馬のようなイメージもありました。
そんなバケモノの様なVMAXですが、2000年に新たに施行された排ガス規制に適合が出来ず、1999年モデルで一時生産終了に追い込まれてしまいます。突然の引退にもちろんファンは落胆し、VMAXはより神格化され生産終了後も独特の地位を築き上げてきました。
そして生産終了からおよそ8年経った2008年6月。待望の新型VMAXが登場し、ファンを歓喜させたのです。1985年の登場から初めてのフルモデルチェンジを果たしたVMAXはよりスタイリッシュでマッシブな外観となり、それまでのイメージをガラリと覆しました。
この2代目VMAXももちろん人気を博し2008年〜2017年のおよそ9年間製造販売されていました。今回は現時点では最終型となる2017年式VMAXについて語っていきたいと思います。
VMAXの主要諸元(2017年モデル)
車体型式
- 型式:EBL-RP22J
エンジン
- 型式:P626E
- 種類:V型4気筒4バルブDOHC4ストローク
- 冷却方式:水冷
- 総排気量:1679cc
- 燃料供給方式:フューエルインジェクション
- 内径(シリンダーボア):90mm
- 行程(ピストンストローク):66mm
- 圧縮比:11.3
- 最高出力/回転数:111kW(151ps)/7500rpm
- 最大トルク/回転数:148N•m(15.1kgf•m)/6000rpm
- 使用燃料:ハイオクガソリン
- 始動方式:セルフスターター式
- 点火方式:フルトランジスタ
- 潤滑方式:ウェットサンプ
- エンジンオイル全容量:5.9L
- 変速機:リターン式5段変速
- 操作方式:フットシフト
寸法
- 全長:2395mm
- 全幅:820mm
- 全高:1190mm
- ホイールベース:1700mm
- 最低地上高:140mm
- シート高:775mm
- 車両重量:311kg
- タイヤサイズ(前):120/70R18
- タイヤサイズ(後):200/50R18
- タイヤタイプ:チューブレス/バイアス
性能
- 乗車定員:2名
- 燃料タンク容量:15L
- 燃料消費率:16.0km/L
構造
- フレーム型式:ダイヤモンド
- 動力伝達方式:シャフト
- キャスター角:31°
- 懸架方式(前):テレスコピックフォーク(正立)
- 懸架方式(後):スイングアーム式
- ブレーキ(前):油圧式ダブルディスク
- ブレーキ(後):油圧式ディスク
醸成された最終モデル
最終型となるVMAXは先代と比べると非常にスタイリッシュなデザインとなっていますが、VMAXのコンセプトはそのまま引き継がれた、まさに進化系といった外観となっています。
クラシカルな丸目一灯のヘッドライトは楕円形のLEDライトへと変更されています。立体的なレンズを採用することで、垢抜けた男前な顔つきとなっています。ウインカーの位置もヘッドライト横からフロントフォークのアウターチューブへ移設され、クリアレンズへと変更。(2015年モデルまではオレンジレンズ)
VMAXの燃料タンクはシート下に格納されており、本来タンクがくる場所にはエアフィルターがあります。これは先代から受け継がれてきたVMAXの仕様です。それによってすっきりしたボディラインを実現し、マッスルでありながらもスマートな印象となっているのです。
そのエアクリーナーカバーのサイド部分には、まるで大砲のような迫力のある大きなエアインテークが装着されています。このエアインテークもVMAXのアイデンティティーのひとつでもあります。フルモデルチェンジ後に設定されたダークパープリッシュブルーメタリックLは深みのあるシックなカラーリング。各シルバーパーツとの相性も抜群で、美しい配色となっています。
マッスルな車体
初代から踏襲され続けてきたマッスルな車体はVMAXの魅力とも言えます。まさにVMAXの名に相応しい最大限に詰まった、重厚感MAXなボディは他を圧倒します。
全体的な雰囲気はアメリカンバイクに近いドッシリとしたシルエット、広々としたシートにファットボブフェンダーなどアメリカンテイストなパーツチョイスとなっています。ちょっとの横風ではびくともしなさそうな逞しさはまさに直線番長の異名の理由のひとつと言えるでしょう。
重厚感のある車体のおかげで、高速道路での安定性が生まれクルーザーらしいストレスのない快適なツーリングを楽しむことが出来ます。
フレームはオールアルミ製のダイヤモンドフレームを採用。軽量化のように見えますがパワーに耐えうる剛性を確保することで車両重量は300kgオーバー。本場アメリカンバイクさながらのヘビーウェイトなボディとなっています。
強烈なパワーを引き出すVフォーエンジン
VMAXに搭載された1679cc水冷V型4気筒4バルブDOHC4ストロークエンジンは、最高出力151ps/7500rpm、最大トルク/回転数:148N•m/6000rpmのパワフルかつトルクフルな仕様となっています。
VMAXのミソでもあるVブーストシステムは廃止され、国内仕様モデルは180km/h以上の速度が出せないようにリミッター設定されており、古くからのVMAXファンにとっては些か肩透かしに感じます。しかしV型エンジンらしいトルクフルな走りとスムーズな加速はロングツーリングでは十分すぎる性能です。
VMAXを美しく保つには
以上、ヤマハ屈指のモンスターバイク最終型『VMAX』のご紹介でした。マッスルなボディのクルーザーとして見るものを圧倒するそのスタイルは生産が終了した現在でも色褪せる事は無く、第一線で活躍できる程の性能とデザイン性を持った完成度の高い一台となっています。
最終型はもちろん初代VMAXも未だに一部のバイカーからは熱く支持されており、その魅力は語り継がれています。生産終了したことでその価値は上がり、今後もバイク史に名を残し続ける名車であることは間違いないでしょう。
そんな魅力溢れるVMAXですが、やはり絶版車となったことで注意したいのは外装コンディションでしょう。美しい塗装もそうですが、随所にクロームメッキパーツを使用している為、いつまでも美しく維持していきたいものですね。
もちろん塗装面のコーティングなどのメンテナンスも重要ですが、それと同じくらいメッキパーツへも愛情を注いでいきましょう。メッキパーツも経年と共にくすみや錆が発生するので、放っておけば錆腐食が侵食して取り返しのつかない事に・・・
またメッキはそれこそ人の肌の様に繊細なので、使用するケミカルもきちんとしたモノを使わないと更に傷やくすみの原因にもなり兼ねません。愛車の価値を損なわない、また美しく乗り続けていく為にしっかりとしたショップとケミカルを選び、美しく維持していきましょう。
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VMAX ホイール
メッキ前
メッキ後
愛車はどのKING?
メッキ手入れ
クロムメッキパーツの多いバイクメッキの手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。
クロムメッキには最大の弱点が!?
クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。
ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれてしまいます。
初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。
穴を埋める事で、クロムメッキの耐食性が飛躍的に上がます。
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詳しくはこちら:クロムメッキの全てが解る。