『1968年式ヤマハHS1』90cc本格派スポーツ

史上最鏡を手に入れろバナー 1968年式ヤマハHS1

画像参照元…ヤマハ公式ページ

侮れない90ccスポーツバイク『ヤマハHS1』
ヤマハの90cc本格派スポーツバイク『HS1』。シンプルなネーミングに90ccという小排気量、コンパクトな車体ではありますが、これがなかなか侮れないバイクなのです。ヤマハはこれまでも非常に魅力的なバイクの数々を世に送り出し、名車と呼ばれるバイクも多数存在します。

HS1は現代でこそあまり聞かないモデルではあるものの、当時としては画期的なシステムを導入した本格的にスポーツ走行を楽しめるバイクです。まさに昭和を生きた隠れた名車として魅力溢れる一台となっています。

ヤマハHS1が登場したのは1968年12月。同じくヤマハの90ccバイクであるAT90をベースに開発され、1969年モデルとしてHS1が登場しました。2ストローク90ccツインエンジンを搭載し、変速機はAT90が4速ロータリー式だったのに対し、HS1はリターン式5速MTを採用するなどしてスポーツバイクとしての操作性へも拘っていました。

ヤマハHS1のパーツを再メッキ!

今回はそんな昭和を生きたヤマハの名車である『HS1』のフェンダーの再メッキと補修をさせて頂きました。HS1に純正で装着されているのはタイヤを広く覆ったフェンダー。スポーティでありながらも路面の雨水や泥跳ねからライダーを守ってくれる逞しく存在感のあるフェンダーです。

本来シルバーが美しい趣のあるフェンダーですが、今回施工させて頂いたのはサビやくすみ、破損が目立つものでした。致命的なのはサビで空いてしまった大穴。これはNAKARAI独自のネットワークで切り接ぎ板金を行い、再メッキを施すという行程になりました。

再メッキを施す事でおそらく新車販売当時以上に美しい、煌びやかなフェンダーに生まれ変わりました。

HS1の主要諸元

エンジン

  • 種類:並列2気筒2ストローク
  • 冷却方式:空冷
  • 総排気量:89cc
  • 燃料供給方式:キャブレター
  • 内径(シリンダーボア):36.5mm
  • 行程(ピストンストローク):43mm
  • 圧縮比:7.5:1
  • 最高出力/回転数:10.5ps/8000rpm
  • 最大トルク/回転数:0.96kgf•m/7500rpm
  • 始動方式:キックスターター式
  • 潤滑方式:2ストオイル分離給油
  • 変速機:リターン式5速MT
  • 操作方式:フットシフト

寸法

  • 全長:1800mm
  • 全幅:675mm
  • 全高:1010mm
  • 車両重量:89kg
  • タイヤサイズ(前):2.50−18
  • タイヤサイズ(後):2.50−18
  • タイヤタイプ:チューブ/バイアス

性能

  • 乗車定員:2名

構造

  • フレーム型式:ダイヤモンドフレーム
  • 動力伝達方式:チェーン
  • 懸架方式(前):テレスコピックフォーク
  • 懸架方式(後):スイングアーム式
  • ブレーキ(前):機械式リーディングトレーリング
  • ブレーキ(後):機械式リーディングトレーリング

スポーツバイクとしての秘訣に満ちたエンジン

排気量90cc。決して目を見張るほどの排気量ではありませんが、2ストロークバイクとなれば話は別です。アクセルレスポンスの良さとパワーはやはり魅力的です。HS1に搭載されたのは並列2気筒の2ストロークエンジン。AT90をベースにしてはいるものの、単なる流用ではなく、ヤマハが誇るオートルーブシステムを採用。

オートルーブとはAutomatic Lubricationの事ですなわち『自動給油』であることを指します。それまでは混合給油に依存していたものを分離給油に変える事で給油工数の削減や、オイル消費と排気ガス量も軽減するという画期的なシステムとなっていたのです。これは1963年に開催された第10回全日本自動車ショーにおいてヤマハが満を持して発表した、当時としても革新的なシステムだったのです。

更にツインキャブレターに、排気効率を向上させる5ポートシステムも搭載する事で、本格的なロードスポーツバイクさながらの装備を充実させています。まさに羊の皮を被った狼状態で、最高出力は10.5ps/8000rpm、最大トルクは0.96kgf•m/7500rpmを誇り、機敏でトルクフルな走りを魅せてくれます。販売当時もこれらのシステムを大いにアピールしており、まさにHS1にとっての最大の魅力とも言えます。

当時としては画期的な技術を多く取り入れたエンジンシステムですが、時が経った現代ではビンテージ感漂う当時を思わせる様なシステム。2ストエンジンの進化と歴史を体感出来るまさに伝道師の様なバイクでもあります。

シンプルでスポーティな見た目

HS1の外観はシンプルでとても親しみやすいデザインとなっています。特に尖った印象は無いものの、どことなくスポーティでスマートな雰囲気があるのも特徴的です。

ヘッドライトは丸目一灯タイプを採用し、両脇にはウインカーを装備するというスタンダードなデザインとなっています。球体の様な形状が愛嬌を感じ、コンパクトな車体と相まって愛でたくなるポイントでもあります。

ヘッドライト上部に装着されているのはスアナログのスピードメーターのみ。ブラックの盤にホワイトの文字という、こちらも至ってシンプルなデザインです。スピード表示の上限は140km/hとなっています。

タンクは曲線の美しい半月型。深みのある美しいブルーカラーにサイド部分にはタンクの形状を象ったホワイトのライン。更には『YAMAHA』のエンブレムバッジにニーパッドを装着するという、小さいながらも密度の高い見応えのあるデザインとなっています。

コンパクトな車体、コンパクトなタンクに対し、シートはしっかりとした厚みのあるダブルシートを採用しています。座面はボリューミーなタックロールデザインで、見た目も良く座り心地も良さそうに見えます。このタックロールシートもまた当時ものの雰囲気抜群で旧車好きには堪らないデザインでしょう。

直線的なフレームの為、シートも気持ちの良いくらいストレートな形状。これもまた古いバイクならではのデザイン。そのフレームから伸びるリヤサスペンションもフルカバータイプのショックを装着するなど、随所に旧車好きの心をくすぐるポイントが散りばめられています。見ているだけでも満足しそうですね。

シート下にあるオイルタンクは角ばった台形デザイン。ソリッドな印象のあるタンクカバーもお洒落な雰囲気を醸し出しています。また左側のカバーには排気量に因んだ『90』とチェッカーフラッグのデカールが飾られています。

エンジン造形においても非常に洗練されており、デザイン性と剛性に優れたダイヤモンドフレームに搭載された90cc並列2気筒エンジンは、小ぶりながらも存在感を放ち、エンジンから伸びるマフラーもストレートタイプの左右2本出しを採用するなど、迫力のあるエンジン周りとなっています。

愛車をいつまでも美しく!

以上、ヤマハの90cc本格派スポーツバイク『HS1』のご紹介でした。2ストバイクの歴史に深く名を刻んだHS1は、現代でも愛するファンが存在し熱く支持されている、まさに隠れた名車とも言えます。

スペックの面白さや外観の親しみやすさも非常に魅力的で、クラシックバイクとしてもかなり価値のある一台では無いでしょうか。そしてHS1の様なレアな旧車に付き物なのが、外装コンディションの維持の大変さです。

記事内でHS1のフェンダーの再メッキと補修について触れましたが、施工前はサビやくすみ、侵食による穴空きが発生しているという状態でした。これは今回施工させて頂いたHS1に限らず、特に年式の古い旧車であればザラにある現象です。再メッキによって輝きを取り戻したパーツですが、その後のメンテナンスもかなり大切です。

もちろん塗装のコーティングなどのメンテナンスも重要ですが、それと同じくらいメッキパーツへもコーティングを施し愛情を注いでいきましょう。メッキパーツも経年と共にくすみや錆が発生するので、何もせず放っておけば錆腐食が侵食して取り返しのつかない事になり兼ねません・・・

車やバイクに施されているメッキ加工は『クロームメッキ』と呼ばれるキズや錆に強い加工技術ですが、やはりこのクロームメッキも完璧ではありません。確かにクロームメッキの加工面自体は硬く滑らかになっていますが、手触りでは分からないほど無数の穴が表面に存在しています。その穴から水分が入り込み、下地にあるニッケルメッキを侵食しやがて表面のクロームメッキごと剥がれ落ちてしまいます。

それを防ぐ為に、メッキを磨いたりした後はメッキパーツにもコーティングを施してこの水分の侵入を防ぐ必要があるのです。

またメッキ磨きに使用する磨き剤も正しく選ぶ必要があります。メッキはそれこそ人の肌の様に繊細なので、使用するケミカルもメッキ専用で、しかもきちんとしたものを使わないと更に傷みやすくなり錆や劣化の原因になります。

愛車の価値を損なわない、また美しく乗り続けていく為に、しっかりとメンテナンスを依頼するショップやケミカルを選び、愛車を美しく維持していきましょう。

メッキ加工・補修も承ります

ヤマハHS1 フロントフェンダー 再メッキ前

ヤマハHS1 フロントフェンダー 再メッキ前 ヤマハHS1 フロントフェンダー 再メッキ前 ヤマハHS1 フロントフェンダー 再メッキ前
ヤマハHS1 フロントフェンダー 再メッキ前 ヤマハHS1 フロントフェンダー 再メッキ前 ヤマハHS1 フロントフェンダー 再メッキ前

ヤマハHS1 フロントフェンダー 再メッキ後

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雑誌「モトメカニック」にも掲載されました!

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メッキ手入れ

クロムメッキパーツの多いバイクメッキの手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。

クロムメッキには最大の弱点が!?

クロームメッキにあいている目にみえない無数の穴

クロームメッキが錆びる原因【構造

点サビ画像

クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。

ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれてしまいます。

初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。

クロームメッキが錆びる原因【構造

メッキングの効果

穴を埋める事で、クロムメッキの耐食性が飛躍的に上がます。

クロムメッキ磨き剤「ミガキング

ミガキング003

クロムメッキ保護剤「メッキング

メッキは磨くのではなくコーティングがおすすめ

メッキング画像

クロムメッキ錆落とし剤「サビトリキング

サビトリキングはメッキに優しく、サビには厳しい錆取り剤

サビトリキング画像

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