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ロマンが詰まった400アメリカン『ドラッグスター400』
みなさんこんにちは。今回ご紹介するのはヤマハの誇る400ccアメリカンバイク『ドラッグスター400』です。バイクに詳しい人はもちろん少しでも興味がある人でもこのドラッグスター400の名を知らない人の方が少ないのでは無いでしょうか。ドラッグスター400とドラッグスター400クラシックの二つが有りますが、今回ご紹介するのは『ドラッグスター400』の方です。
ドラッグスター400は1996年2月に登場したビッグツインアメリカンバイク。それまではXV400ビラーゴがアメリカンバイク市場の第一線で戦っていた状況でしたが、凌ぎを削る様な販売合戦の最中に颯爽と現れました。
外観的な特徴としてはスリムな車体が特徴的なチョッパーライクな見た目のビラーゴとは違い、ドラッグスター400はデカイ!長い!低い!の三拍子揃った400ccとは思えないロー&ロングで重厚感のある車体。
バックボーンフレームだったビラーゴに対してドラッグスター400はダブルクレードルフレームを採用していました。しかし一般的なダブルクレードルとは違い、そこにヤマハのセンスが折り込まれていたのです。一見してそのフレーム形状はまるでビンテージハーレーの様なリジッドフレーム。モノショックを内側に隠したスイングアームにする事で、この様なシンプルでビンテージテイストなフレームを作り上げていたのです。これによって美しい三角形のシルエットと自然なロースタイルを実現していました。
重厚感がある上にスタイリッシュな見た目のドラッグスター400は発表から多くのバイク好きのハートを射止め、瞬く間に超人気車種へと上り詰めたヤマハが誇る名車とも言え、アメリカンバイクブームの火付け役的な存在でも有ります。当時の若者たちも中古バイク雑誌を開いてはこのドラッグスター400を食い入る様にチェックするなど、まさに憧れの的でした。
また駆動方式はシャフトドライブを採用する事によってメンテナンスフリー化。整備性の向上も人気のひとつとも言えます。
目次
ドラッグスター400の主要諸元
ドラッグスター400の主要諸元は以下の通りです。ピックアップしたのは2008年式のキャブ最終モデルです。ご参考までに。
車体型式
- 型式:BC-VH01J
エンジン
- 型式:H601E
- 種類:V型2気筒OHC
- バルブ数/気筒:2バルブ
- 冷却方式:空冷
- 総排気量:399cc
- 燃料供給方式:キャブレター
- 内径(シリンダーボア):68mm
- 行程(ピストンストローク):55mm
- 圧縮比:9.7
- 最高出力/回転数:24kW(32ps)/7500rpm
- 最大トルク/回転数:32N•m(3.3kgf•m)/6000rpm
- 使用燃料:レギュラーガソリン
- 始動方式:セルフスターター式
- 潤滑方式:ウェットサンプ式
- エンジンオイル全容量:3.2L
- 変速機:リターン式5速変換
寸法
- 全長:2340mm
- 全幅:840mm
- 全高:1065mm
- ホイールベース:1610mm
- 最低地上高:140mm
- シート高:660mm
- 乾燥重量:209kg
- 車両重量:225kg
- タイヤサイズ(前):100/90-19
- タイヤサイズ(後):170/80-15
性能
- 乗車定員:2名
- 最小回転半径:3.1m
- 燃料タンク容量:15L
- 60km/h走行時燃費:43.0km/L
- 満タン時航続距離:645.0km
構造
- フレーム型式:ダブルクレードルフレーム
- キャスター角:35°
- 懸架方式(前):テレスコピックフォーク(正立)
- 懸架方式(後):スイングアーム式
- サスペンション本数:1本
- ブレーキ(前):油圧式ディスクブレーキ
- ブレーキ(後):機械式リーディングトレーリング
こだわりの空冷エンジン
ドラッグスター400の最大の魅力と言えばやはり空冷エンジン。国産の400ccアメリカンバイクはそれぞれのメーカーが数多く輩出していますが、同年式で空冷エンジンのVツインエンジンを採用しているのはドラッグスター400シリーズのみ。
大きなラジエーターを有しない事でエンジン周りがシンプル且つスマートになる上、趣のある印象になります。フレーム前方の隙間から見えるビッグツインエンジンのヘッドがまたバイク好きの心をくすぐってきます。
アメリカンバイクへの拘りがある人にとってはこの空冷エンジンと言う尖ったスペックを譲れない人も多く、結果的にドラッグスター400一択になるそうです。他メーカーの水冷エンジンアメリカンも小型ラジエーター化などのカスタム出来るそうですが完全な撤去は不可能なので、やはり空冷エンジンはドラッグスター400にとって大きなアドバンテージとも言えます。
エンジンの造形としてはむっちりとしたVツインがフレームいっぱいに詰め込まれており、重厚感と逞しさを存分に味わう事が出来ます。シリンダーヘッド部分にはメッキカバーが装着されているのもドラッグスター400の特徴のひとつです。純正のエアクリーナーは円形で、こちらもメッキ加工が施されておりツルンとした見た目が更に目を引きます。
ドラッグスター400は空冷が故に冷却効率に大きな課題が有ります。フレーム前方部を大きく二股にする事で通気性を向上。また前側のシリンダーに対し後側のシリンダーを数ミリ程度ズラす事で、後側のシリンダーの冷却効果を高めています。デザインを重視するばかりではなく、エンジン性能においても細かい配慮がされている繊細な作りとなっています。
肉厚なVツインエンジンの見た目とは裏腹にショートストロークで、トルクフルで鼓動感があると言うよりはもう少し大人しい印象。意外にもジェントルな走りを見せてくれるのですがここは好みの分かれどころです。マフラーはスタンダードな葉巻型のサイレンサーが装着された2本出しマフラーが採用されています。
あくまで空冷に拘ったドラッグスターはFI化されても尚、空冷エンジンを貫き2017年の排ガス規制による販売終了までその拘りを守り抜きました。言わばVツイン版のSR400の様な唯一無二のバイクとも言えます。とにかくスタイリング重視の400ccアメリカンならドラッグスター400一択でしょう。
ドラッグスター400とドラッグスター400クラシックの違い
ドラッグスター400とドラッグスター400クラシックが有り、それぞれの違いについてもご紹介します。
仕様の違いに関してはこの様になっています。同年式の2008年式で比較しています。
外装 | DragStar400 | DragStar400 Classic |
---|---|---|
ヘッドライト | 小径ライト | 大径ライト |
タイヤサイズ(前) | 100/90−19 | 130/90−16 |
タイヤサイズ(後) | 170/80−19 | 170/80−19 |
フェンダー | ショートフェンダー | クラシックフェンダー |
ハンドル | ミドルハンドル | アップハンドル |
シート | コブラシート | メイン&ピニオンシート |
ウインカー | 小径ウインカー | 大径ウインカー |
全長 | 2340mm | 2450mm |
全幅 | 840mm | 930mm |
全高 | 1065mm | 1110mm |
ホイールベース | 1610mm | 1625mm |
シート高 | 660mm | 710mm |
車両重量 | 225kg | 240kg |
燃料消費率(60km/h) | 43.0km/L | 39.0km/L |
満タン時航続距離 | 645km | 585km |
エンジンや基本的な構造は同じですが、小径インチホイールや深く被さったクラシックフェンダー。ワイドなアップハンドルに大きく明るいマルチリフレクターヘッドライトへ換装するなど、ドレスアップされてクラシックバイクの様な趣のある外装となっています。その他にはフロントフォークカバー装着の有無なども有りました。二台並べると全く違うバイクの様に感じる程で、好みによってチョイスできるのも大きな魅力でした。
チョッパーライクなドラッグスター400と、ビンテージルックなドラッグスター400クラシックはそれぞれ違った魅力を放ち発売当時はユーザーを大きく悩ませたそうです。
カスタムベースとしては最高!キャブとFI買うならどっち!?
言わずもがなドラッグスター400はカスタムベースとしても非常に人気で、そのシンプルな空冷エンジンのおかげで、味のあるチョッパースタイルがよく映えるバイクでした。
カスタムパーツも非常に多く(同クラスのアメリカンの中ではおそらく1番)自分好みのカスタムが容易に出来るのも魅力のひとつです。現にカスタムベースとして中古車も人気で、生産終了しても尚売れ続けた名車とも言えます。
そのカスタムスタイルは様々で、王道のロングフォーク チョッパーからフリスコスタイル・ディガースタイル・ボバースタイルなど、どのカスタムを施しても様になります。
しかし、2010年にキャブレターモデルからインジェクションモデルへ移行した事で、主にそれまで選びきれない程あったマフラーパーツのほとんどの互換性が無くなり、取り付けられるモノに限りが有りました。カスタムベースにキャブレターモデルがオススメされるのにはそういった理由があるからです。
もちろんインジェクションモデルのカスタムパーツもあるので、全く出来ない訳では有りませんが制限が無い分、自由度が高いのはキャブレターモデルとも言えます。
購入を検討されている人で、カスタムにどっぷりハマりたいならキャブレター。ツーリングをストレスなく楽しみたいならインジェクションと、自分のバイクライフのスタイルを良く考慮しチョイスした方が良いでしょう。人気車種なので、中古の球数も多く既にカスタムされた個体もたくさん有ります。探せば掘り出し物に出会えるかも!?
今後気を付けたい手入れの方法
人気車種とは言えど、既に絶版車となったドラッグスター400。純正パーツにも限りがあるので、後々入手困難になる事も考えられます。
エンジンなどのメンテナンスはもちろんですが、やはり外装パーツは今後替えが利かないかも知れないので日頃からお手入れをしていく事が大事です。特に古いバイクや屋外駐車のバイクの劣化度は著しいものがあるので、タンクなどの塗装のコーティングが必要になってきます。
それと同じ様にメッキパーツも経年によって、錆やくすみが発生してくるので、塗装面同様のお手入れやコーティングが重要です。特にメッキパーツの多いアメリカンバイクがくすんでいては、残念ですから・・・
大切なバイク。ましてや今後新車では手に入らない様なバイクは綺麗に維持をしていきましょう。
以上ヤマハ『ドラッグスター400』についてご紹介させて頂きました。
愛車はどのKING?
メッキ手入れ
クロムメッキパーツの多いバイクメッキの手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。
クロムメッキには最大の弱点が!?
クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。
ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれてしまいます。
初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。
穴を埋める事で、クロムメッキの耐食性が飛躍的に上がます。
クロムメッキ磨き剤「ミガキング」
クロムメッキ保護剤「メッキング」
クロムメッキ錆落とし剤「サビトリキング」
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詳しくはこちら:クロムメッキの全てが解る。