【オールドタイマーに特集された、ビートルにメッキング】
目次
【ビートルという車】
フォルクスワーゲン『ビートル』。その名を知らない人はほぼいないのでは無いでしょうか?子供が自分の名を名乗れる様に、春に咲く花はと聞かれれば「桜」と答える様に、誰かに教わったわけでも無くフォルクスワーゲンのビートルは私たちの脳内にいつの間にかすり込まれる『世界的4輪車の代名詞』と言えるクルマです。
それもそのはずビートルは初代『タイプ1』・2代目『ニュービートル』・3代目『ザ・ビートル』の3代、年数にして約80年の間製造販売されたロングセラーカー。運転免許を持つ以上はその名前を知らない方が不自然なわけで、耳を塞ぎでもしない限りビートルの名を知らずに過ごす事はほぼ不可能でしょう。もしかしたらいるかも知れませんが、あくまで例えです。それぐらい世界的に有名なクルマなのです。
そんな全世界から愛された『ビートル』が惜しまれつつも2019年7月にその長い歴史に幕を閉じたのは記憶に新しいと思います。
ビートルの中でも、最も長く生産されたのが初代の『タイプ1』で、実売の無い年代を合わせても約65年近く製造されています。販売期間は1938年〜2003年とその販売年数の長さから『世界一販売期間が長かった普通自動車』というギネス記録も持っています。販売台数はおよそ2,152万9000台です。
今回はその『4輪車の金字塔』とも呼ぶべきフォルクスワーゲン・タイプ1『ビートル』について語っていきたいと思います。
【ビートルの誕生】
実は初代正式名称は『フォルクスワーゲン1200』などとシンプルな車名で、単純にメーカー名に排気量の数字を付け足した様な名前でした。しかしユーザーなどの間では型式名を表す『タイプ1』と呼ばれたり、そのカブトムシの様な見た目から『 Beetle(ビートル)』と呼ばれる様になりました。
フォルクスワーゲンがビートルを量産化に踏み切ったのが1938年。設計を手掛けたのはフェルディナンド・ポルシェ博士、あのポルシェの創設者です。当時のドイツの『国民車構想』を基軸に大衆車として計画・設計・製造を図られ、車名は当時この計画を統括していた組織から取られ『KdFタイプ60』と名付けられていました。この国民車構想は後に日本の自動車市場にも大きな影響を与えます。
しかし当時の状況が影響し、量産化には至らず計画自体が頓挫してしまいます。その後本格的にビートルの市販化進んだのが1945年。ここからが本格的な『ビートル神話』の始まりとなります。
【ビートルの外観】
ビートルの特徴と言えばやはり『Beetle(カブトムシ)』呼ばれる所以となったそのフォルム。シンプルでありながらプクッとした曲線のボディラインがとても美しいクルマです。
大きなフロントフェンダーにクリっとした大きなヘッドライトからは生き生きとした活気さえ感じるので、まるで生き物の様にも見えます。発売当時からほぼ変わらない外観である事から、ビートルは誕生してからすでに完成されたデザインと言う事が分かります。
フロントバンパーやウインドウモールなど各所にメッキパーツも魅力的で、シルバーアクセサリーを身に纏った様な上品な印象さえ受けます。ボディ形状は2ドアタイプに加え、カブリオレタイプもありました。
【ビートルのエンジン】
タイプ1・ビートルのエンジンもまた特徴的で、空冷水平対向4気筒OHCエンジン(フラット4とも呼ばれる)が搭載されていることから『空冷ビートル』と呼ばれる事もあります。またRR(リアエンジン・リアドライブ)のため、リアのハッチを開けると心臓部である空冷エンジンを拝む事ができます。わざわざリアにエンジンを積むあたりがポルシェのセンスを感じますね。
最近ではこのタイプ1・ビートル が走っているところを見る事がめっきり減りましたが、この水平対向4気筒エンジンは旧車好きにとっては心地いい「バルバルバル・・・」と歯切れの良いドライなサウンドです。特に低速時のジェントルなサウンドはいつまでも聞いていたくなります。
排気量は年式やモデルによって異なりますが、長い販売期間が故にエンジンの進化も著しいものがありました。当初のの1.0Lエンジンの最高出力30psに対し、最終型1.6Lエンジンの最高出力は60psにまで向上しました。しかし水平対向4気筒エンジンとRR機構は踏襲され続けた事から、純粋なエンジンの性能向上が伺えます。
【旧車ビートルとしての魅力】
一口にはそ語り尽くせないほど深い歴史を持つタイプ1・ビートル。旧車としての地位も確固たるもので多くの旧車ファンを魅了したのも事実です。約65年という長い製造期間ですが、その間ビートルはほぼ形を変えなかったという驚異のクルマです。(フルモデルチェンジとともに名前がニュービートルに変更)初期型と最終型を見比べてみても素人目では分からない程度です。
先ほどのエンジンの話もそうですが、クラシカルな見た目に空冷エンジンのサウンドとフィーリングはまるで当時にタイムスリップした様な感覚になる事でしょう。
まさに『生きた化石』の様なビートルですが、細かいマイナーチェンジの中で少ないなりにもその仕様の違いを楽しむ事もできます。細分化すると数種類に分かれ中には『レアモデル』なんかも存在します。
【スプリットウィンドウ】
タイプ1・ビートルの種類を見分けるのにはいくつか代表的なものがあり、その中でも有名なのが『リアウィンドウの形状』です。年式によってリアウィンドウのデザインが異なるため、私はすれ違い様にその形を確認したりしているのですが、レアな形状だと思わずテンションが上がってしまいますね。
1952年までは『スプリットウィンドウ』と呼ばれるものです。スプリットとは「割る・縦に裂く」と言った意味で、文字通りウィンドウが真ん中から分かれたデザインをしています。視認性はそれなりだと思いますが、デザイン性がかなり良いのでプロヴァンス風のお家とかが好きなお洒落な人にはハマるんじゃないかと思います。
【オーバルウィンドウ】
続いては『オーバルウィンドウ』です。年代にして1953〜1956年あたりのモデルになります。これは結構有名なモデルで詳しい方なら『オーバルビートル』なんて聞いた事があると思います。
オーバルとは『楕円形』という意味で、まるでビンテージフルフェイスヘルメットの目出し部分の様なデザインの楕円形リアウィンドウが特徴的です。先ほどのスプリットもそうですが、窓部分の面積が狭いので、ホットロッドカー(4輪車版チョッパーカスタムの様なもの)カスタムとの相性は抜群です。
【スモールウィンドウ】
1957〜1964年頃は『スモールウィンドウ』へと変わります。四角い形状をしていた事から『スモールスクエアウィンドウ』とも呼ばれていました。
その名の通り長方形のデザインで、スモールとは言いつつも従来のオーバルウィンドウよりも視認性がアップしたモダンな形状のウィンドウです。
【ラージウィンドウ】
1965年以降は『ラージウィンドウ』となり、こちらも四角形の窓だったので『ラージスクエアウィンドウ』とも呼ばれていました。スモールウィンドウをそのまま大きくした様なデザインで、視認性は更に向上し、より近代的な見た目になりました。
オーバルのアンティークな形状も好きですが、このスクエアタイプもアメリカンな感じがして好きです。ちなみに何がアメリカンかと言うと、大きな窓で開放感があるのがアメリカンな感じがすると言う私個人のイメージです。
【ロクナナ】
タイプ1・ビートルの中でも希少価値が高いモデルのひとつが『67(ロクナナ)』です。文字通り1967年の1年間のみ製造された希少なモデルで、主に外観の特徴として細部に渡ってあしらわれたシルバーパーツなど、少しラグジュアリーな印象のモデルです。
特に美しいパイプワークの2重タイプのフロントとリアのバンパーですが、グリルガードの様にも見えるのでルーフキャリアーとの相性も良く、まるで『ツーリスト』の様などこか遠くまで走り出したくなるビートルです。
【アイロンテール】
1968〜1972年のビートルは、アイロンの様な形状のテールランプだった事から『アイロンテール』と呼ばれていました。従来の楕円形のテールランプに比べてやや近代的でスタイリッシュなデザインのテールランプです。ここまで一瞬で区別がつく人はかなりのマニアだと思います。
【ビッグテール】
1973〜1978年は大きなテールランプに変わり『ビッグテール』の愛称がついていました。テールランプの大きさも特徴的ですが、フロントのバンパーも少しエッヂの効いた薄型になり、まるでポルシェ911の様なスポーティさも感じます。
そして1978年で本国ドイツでのビートル生産は終了してしまいます。
【メキシコビートル】
ドイツ生産が終了後もメキシコ工場での生産は継続し、このメキシコ産ビートルは『メキシコビートル』と呼ばれていました。生産時期は2003年までと、わりかし新しい感じもしますがリアのハッチを開けてみれば『あの空冷エンジン』がお目見えします。
空冷最終型でもありますので年々その価値を上げているとか。
【ビートルは現代と過去を繋ぐタイムマシン】
約65年もの間、その形をほぼ変えずに世界中の人々に愛され走り続けたタイプ1・ビートル。それこそ現代と過去を繋ぐタイムマシーンの様な存在ではないでしょうか。きっと運転席に座ってキーを回しギヤを入れて走り出した者にしか見えないものがあるのだと思います。
私の知人のカフェのオーナーもオーバルビートルを所有していますが、自身でレストアを施し永い年月を経て現代に蘇らせました。ビートルはこうやって『何度でも叩き起こしたくなる魅力あふれるクルマなのだ』と物語っている様でした。
きっとこれからも何代にも渡って愛され続ける名車です。以上フォルクスワーゲン・タイプ1『ビートル』のご紹介でした。
【ビートルオーナー必見!】
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ケンメリバンパー
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再メッキ前 |
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再メッキ後 |
ダットサン フェアレディ(SR311型)リヤバンパー
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再メッキ前 | メッキ剥離後 |
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板金修理後 | 再メッキ後 |
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再メッキ後バンパー |
ビートルのメッキ手入れ
クロムメッキパーツの多いビートルの手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。
クロムメッキには最大の弱点が!?
クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。
ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれるくらいの錆びになってしまいます。
錆びてきていない初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。
穴を埋める事で、クロムメッキの穴を埋める事で耐食性が上がます。
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