トヨタ・オリジン
画像参照元・トヨタ自動車公式企業サイト
【トヨタ販売総数1億台達成の記念車『オリジン』】
日本が世界に誇る自動車メーカーであるトヨタ。現代でも古くから伝わる車作りのノウハウと最新の技術を活かし、世界中のトップメーカーと凌ぎを削り合うトヨタですが、2000年に総販売台数を1億台突破し、その記念車として製造販売したのが『オリジン』です。
オリジンは既存モデルのプログレをベースにした特別仕様車となりますが、見た目は初代のトヨペットクラウンを模したクラシカルな外観で、とても2000年代に作られたとは思えないデザインです。
絶版車の中でも一際種類と誕生のバックグラウンドの重みが違うトヨタ『オリジン』についてじっくり語っていきます。
目次
【拘りが光る限定約1000台の超希少車】
トヨタの節目、偉業をつかさどるアニバーサリーカーとして登場したオリジンの生産台数はおよそ1000台と超希少なモデルです。
既存モデルをベースにしたとはいえ限定1000台のオリジンは、デザインだけでは無くその作りにもトヨタの拘りが詰め込まれています。
車名である『オリジン(Origin)』とは『原点』と言う意味で、総販売台数1億台を達成したトヨタが、その節目に今一度『原点回帰』し更なる向上やユーザーの満足を目指す象徴とした思いがあるのかも知れません。
外装については後ほどじっくりご紹介していきます。
【主な仕様】
オリジンの主なスペックです。クラシカルな見た目でありながら、販売当時の現行車であるプログレがベースなので、整備性や快適性は高かったようです。ちなみにオリジンのベースとなったプログレはトヨタの小型高級車として1998年〜2007年の間販売された大衆車で、
オリジンとは似ても似つかないかなり落ち着いた外装のセダンタイプの自動車です。
その他の共有車種としてはブレビス・アルテッツァ・レクサスISがあり、どれもコンパクトセダンとして人気を博した車種ばかりで、あくまで『大衆車』としてのスタンスを崩さないユーザーファーストな思いが伺い知れます。
・直列6気筒 DOHCエンジン
・排気量2997cc
・駆動方式 FR
・全長4560mm
・全幅1745mm
・全高1455mm
・車両重量1560kg
・ホイールベース2780mm
・車両重量1560kg
・最高出力158kw(215ps)/5800rpm
・最大トルク294N•m(30.0kg•m)/3800rpm
・ボアストローク 86 × 86mm
エンジンは直列6気筒3.0Lエンジンと申し分ない余裕のエンジンスペックです。駆動方式もFRとトヨタの高級セダンらしいハンドリングにも拘った仕様となっています。
【オリジン生産しているのは選ばれたクラフトマンたち】
オリジンが作られるのはトヨタの高級車センチュリー生産ラインです。その中でも選りすぐりのクラフトマンだけがオリジン生産に携わっていたそうです。
主にフロントフェンダーパネルの継ぎ目を無くす技術で一体化したボディは正に『匠の技』とも言えます。
また塗装技術にもその技が光ります。古くから伝わる日本塗装技術『漆塗り』を応用したもので、研磨を施して滑らかな塗装面を実現すると言う正に神業とも言える技術を魅せてくれます。
その艶のある塗装は簡単には出せない深みを具現化し、吸い込まれる様な美しさに思わず見惚れてしまいます。そして所々に配されているシルバーメッキパーツとの相性も抜群です。
これはセンチュリーにも施されている塗装技術で、正にトヨタの高級車の代名詞とも言えます。この手間ひまを考えると、限定1000台と言う製造台数の少なさも頷けます。
【クラシックカーの様な外観】
オリジンを一目見てまさか2000年代に作られたとは思えない外観に驚きます。まるで1960年代のクラシックカーの様な外観は、古めかしさだけではなく荘厳な雰囲気まで醸し出しています。
前述にもある通り、オリジンは初代トヨペットクラウンを彷彿とさせるデザインです。
特にフロント部分の意匠はそのまま移植した様な見た目はコアなファンも唸ったに違いないでしょう。
トヨペットクラウンの特徴とも言える鯨の髭の様なメッキグリルと大きなメッキバンパーが踏襲され、ほんの少しだけつり上がった丸目のヘッドライトが当時の高級車クラウンを思い出させます。
もちろんコンセプトはクラシックカーですから、現代のトヨタエンブレムは使用されておらずボンネット全面部分に「TOYOTA」の立体文字が飾られています。個人的にはこっちの方が旧車っぽくて好きですが。
またフェンダー部分にもさりげなく「Origin」のエンブレムが配されており、やはりこちらもトヨペットクラウンを意識したものだと思われます。
【拘り抜かれた造形】
ベースはトヨタの大衆向けコンパクトセダンですが、オリジンの外装の造形は職人技とも言える拘り抜かれた造形をしています。
フロントの意匠は古き良きトヨタ車のクラシカルな顔つきですが、ボディ全体を見ると流線型の美しいラインが目を引きます。懐古的でありながらどこか目新しいボディラインは、まさに高級クラシックカーと言わんばかりの特別な印象を受けます。
一見スタンダードなセダンタイプには見えますが、リアウインドウの作りが特徴的で、サイド側から見ると扇状に型取られた様な形をしています。その分キャビン全体が長く見える為、まるで高級リムジンの様なロングキャビンに見える不思議な作りをしています。
テール部分の造形にも拘りを感じます。ロングキャビンでありながらトランクスペースはしっかり確保され、末端にあるテールランプは両脇に縦長タイプが採用されています。
ナンバープレート上部にはシルバーメッキが印象的なオーナメントが配されており、細かな部分にも高級感を感じるデザインです。
フロントからサイド、リアに至るまで抜かりない高級車としての拘りを感じるオリジンは正にアニバーサリーカーに相応しい車と言えます。
【高級志向すぎる『観音開きドア』】
オリジンの高級志向は見た目だけではありません。普段気にも留めない『ドアの開き方』にもトヨタの拘りを魅せてくれます。それがフロントとリアの『観音開きドア』です。もちろんこの仕様も初代トヨペットクラウンから踏襲されたものです。
このセダンタイプのこの仕様は珍しく、観音開きが採用されているのはオリジンの特徴と特権とも言えます。(ちなみにFJクルーザーも観音開きですが、少し目的と雰囲気が違う気がします)
リア側のドアが後ろ方向に開くと乗り降りが比較的しやすいですが、風に煽られやすい・閉めにくいなどがあり無くなってしまいましたが、それを敢えて2000年代に採用したトヨタの拘りと本気度が伺えます。記念車ですから、やはり妥協するとかの選択肢は鼻から無かったのでしょう。クラシックカーファンが思わずニヤッとする仕様ですね。
【高潔なインテリア】
オリジンのインテリアも高級車の様な仕様となっています。
荘厳な外観とは裏腹に内装は白を基調にしており、また違った高潔な印象を受けます。
体全身を優しく包み込む様なふっくらした厚みのあるシートは、ドライバーの疲労を軽減させてくれます。もちろん助手席や後部座席も同等な手厚い乗り心地を得ることができる、正に高級なソファーの様なシートです。
内装が白だと車内が明るく広く見えるので、圧迫感を軽減させてくれます。高級感だけでは無く、居住感にも配慮されたカラーチョイスですね。白は汚れが目立ちやすいとは言われていますが、いざ見てみるとうっとりする内装です。
ステアリング、シフトレバー、センターコンソール部分は明るいブラウンのウッド調に飾られており、大人の雰囲気を感じます。高級車としては十分すぎるオリジンですが、敢えて苦言を呈するならダッシュボード部分とハンドルの作りがチープな印象受けます。この辺のデザインはやはりプログレなどからそのまま共用しているのかも知れませんね。
製造販売が2000年ですからこの辺りも仕方ない部分かも知れませんが、こう言った当時ものっぽい何とも言えないセンスを感じるのも、絶版車の醍醐味とも言えますね。
【オリジンの中古相場は?】
オリジンの新車相場は約700万円前後と、価格設定も正に高級車そのもの。トヨタの節目を飾り、1000台限定を考えれば妥当な価格だと思います。
現在、オリジンの中古流通量ももちろん希少で、中古の相場は300〜400万円台と当時の新車価格から鑑みてもプレミア価格とは言えないものの、年式を考えれば高い方ではないでしょうか。
前述にある付加価値を考えれば、この中古相場も当たり前もしくは考えようによっては安いとも言えます。もちろん走行距離や塗装のコンディション、白亜の内装の状態によると思いますが、大事に乗っていれば今後プレミアが付いて来るかも知れませんね。
見た目は旧車ですが、本当の当時ものよりも整備性は良いかも知れません。クラシックカーの雰囲気を楽しみたい方にはピッタリだと思います。
【オリジンはトヨタの『原点回帰』】
トヨタ車総販売台数1億台を記念した1000台限定アニバーサリーカー、オリジン。トヨタを代表する高級セダン、初代トヨペットクラウンを復活させた様なこの車はクラシックカーの佇まいを醸し出しながら、中身は2000年当時の最新技術と匠の技が詰め込まれています。
超希少車に乗ると言う、えもいわれない所有感・満足感を味わうことが出来ます。
また、高級車と旧車の雰囲気を比較的高年式で得られるのはオリジンの魅力のひとつです。
流通量も少なく、今後入手が困難になって来ると思いますが、世に送り出された1000台が出来るだけ欠ける事なく、今後も走り続けていってくれる事を願います。
古き良き車作りの情熱と匠の技、ユーザーの満足を目指したトヨタの原点を、肌で感じることができる特別な『オリジン』のご紹介でした。
NAKARAIメッキで加工した旧車パーツ参考事例を掲載させていただきます。
ケンメリバンパー
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再メッキ前 |
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再メッキ後 |
ダットサン フェアレディ(SR311型)リヤバンパー
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再メッキ前 | メッキ剥離後 |
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板金修理後 | 再メッキ後 |
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再メッキ後バンパー |
旧車パーツのメッキ手入れ
クロムメッキパーツの多い旧車パーツの手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。
クロムメッキには最大の弱点が!?
クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。
ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれるくらいの錆びになってしまいます。
錆びてきていない初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。
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