最上級ミニバン『トヨタ新型グランエース』

画像参照元…トヨタ公式ページ

ミニバンの究極体『グランエース』

快適性と積載性に特化したミニバン。その二つを究極までブラッシュアップさせたのがトヨタ『グランエース』。フルサイズミニバンとして2019年2月から台湾やタイなどの新興国向けに発売され、日本国内では同年12月に発売されました。

アルファードの車両本体価格が359万7,000円〜に対し、グランエースは620万円〜（いずれも税込）と高く設定されています。グレード展開は非常にシンプルで、3列シート6人乗りのPremiumと、4列シート8人乗りのGの二つのみ。

ハイブリッドは設定されていないものの、エンジンはクリーンディーゼル仕様とアルファード・ヴェルファイアとは全く違う性質を持ち、巨大な車体でもモリモリ走るパワフルなエンジンとなっています。

グランエースはハイエースをベースとしたプレミアムなフルサイズミニバンです。全長は5m以上とトヨタの乗用車の中でも最長クラス。ハイエースの堅牢で余裕のあるボディとアルファードのラグジュアリーさを兼ね備えた、まさにミニバンの究極系とも言えるグランエースは、ビジネスシーンやレジャーシーンなど多岐にわたる用途に特化した一台です。

新たにネーミングされたグランエース（GRANACE）。GRANはスペイン語で『偉大』を意味し、ACEは英語で『最も優れた者』を指します。まさにその名の通り、最上級のプレミアムと最大級のボディサイズを持つグランエースは、ミニバンの頂点に君臨する存在とも言えます。

グランエースの主要諸元：Premium（G）

車体型式

• 型式：3DA−GDH303W−RDTJY（3DA−GDH303W−RDTGY）

エンジン

• 型式：1GD−FTV
• 種類：直列4気筒
• 冷却方式：水冷
• 総排気量：2754cc
• 燃料供給方式：コモンレール式燃料噴射システム
• 内径（シリンダーボア）：92mm
• 行程（ピストンストローク）：103.6mm
• 圧縮比：
• 最高出力／回転数：177ps／3400rpm
• 最大トルク／回転数：450N•m／1600−2400rpm
• 使用燃料：軽油
• トランスミッション：6速オートマチック

寸法

• 全長：5300mm
• 全幅：1970mm
• 全高：1990mm
• ホイールベース：3210mm
• 最低地上高：175mm
• トレッド（前）：1670mm
• トレッド（後）：1670mm
• 車両重量：2740kg（2770kg）

性能

• 乗車定員：6名（8名）
• 最小回転半径：5.6m
• 燃料タンク容量：70L
• WLTCモード燃料消費率：10.0km/L

構造

• ボディタイプ：ミニバン/ワンボックス
• ドア数：5ドア
• 駆動方式：FR
• 懸架方式（前）：マクファーソンストラット式コイルスプリング
• 懸架方式（後）：トレーリングリンク車軸式コイルスプリング
• ブレーキ（前）：ベンチレーテッドディスク
• ブレーキ（後）：ベンチレーテッドディスク

超ワイドなボディ

グランエースの最大の強みと言えばやはりフルサイズミニバンたる超ワイドなボディです。トヨタの上位クラスミニバンに対し、積載性も更に拡充させた事でより大きなアドバンテージとなりました。

ボディサイズは5300×1970×1990mm（長/幅/高）の圧倒的な大きさです。5mを超えるロングボディは取り回しやスペースに難儀しそうですが、このボディ無くしてはグランエースの魅力は半減するでしょう。室内の寸法はPremiumグレードで3290×1735×1290mm、Gグレードで3365×1735×1290mm（長/幅/高）と余裕の室内となっています。

迫力のワイドボディは威厳と品格に溢れており、ミニバンの頂点に君臨するクルマとして申し分のない存在感を放っています。アルファードやヴェルファイアの様にしなやかなボディデザインというよりは少し無骨でさっぱりした外観。

高級感だけではなく逞しさも感じるその雰囲気は、トヨタが拘ってきた『強いミニバン』を十分に感じ取る事ができます。もちろんファミリーカーとしてでもVIPカーとしても活躍するグランエースはそのワイドなボディに様々な可能性を秘めています。強烈なサイズ感で他を圧倒するだけではなく、実用性にも大いに優れたまさに理想の一台とも言えます。

圧巻のフロントフェイス

グランエースは決して大きさだけのミニバンではありません。デザイン性にも非常に優れており、高級ミニバンとしても圧倒的な存在感を示します。フロントフェイスはトヨタのミニバンらしく圧巻のデザインとなっています。

フロントフェイスでまずはじめに目がいくのが大きなフロントグリル。前面の大半を占めるほどの大きなグリルは直線を基調としたデザインでブラックとクロームメッキのコンビネーションが非常に印象的です。

フロントグリルと一体型になったヘッドライトは、大きく吊り上がり睨みの利いた目つきは思わず息を飲むほどの迫力。シンプルではありますが、プロジェクター式LEDヘッドライトやクロームメッキ加工が施されたパーツなど、細やかな造形が光るフロントデザインとなっています。

アルファード・ヴェルファイアとは違った顔つきは、グランエースのキャラクターにマッチした彫りの深い寡黙で男前なイメージ。オトナの最上級ミニバンとしては十分すぎるのではないでしょうか。

まるで高級ラウンジの様な室内

外観だけではなく内装にも高級感が溢れているグランエース。フルサイズボディがもたらすゆったりとしたプライベート空間はまさに高級ラウンジの様な雰囲気です。

Premiumグレードは3列シートの6人乗り仕様。シートのひとつひとつの空間が広く、運転席から最後列までリラックスして座る事ができます。後部座席全てがエグゼクティブパワーシートを採用。オットマンと電熱シート、それぞれテーブルを配備するなどして家族・ゲストを手厚くおもてなしをしてくれます。

Gグレードは4列シートの8人乗りで、Premiumグレードに比べて空間が詰まった感があります。エグゼクティブパワーシートは2列目までで、3列目にはレバー操作のシート、4列目にはチップアップシートが装着されています。空間の広さや全体的なシートの仕様の高級感ではPremiumグレードに軍配が上がりますが、人を乗せる事に特化したGグレードはミニバンとしてのポテンシャルの高さを発揮します。

運転席ももちろん抜かりない高級感が漂っています。ハンドルやメーターフード、エアコンの吹き出し口に金属・木目・革の様々な素材を使用。それぞれの質感の良さを強調し、上手く調和させた上質なインテリアとなっています。

グランエースの収納力

フルサイズボディを活かした収容力を期待できそうですが、どちらかと言えば人を快適に乗せる事に特化しているため、全空間を人の為に使っている印象です。Premiumグレードは3列目を最後尾へスライドさせた状態だと300mm程度の奥行きのスペースしかありませんが、2列目・3列目を前方へ目一杯スライドさせると1200mm程度のスペースが確保できます。

4列シート仕様のGグレードはリヤゲートギリギリまでシートがある為、そのままではほとんど荷物は載せれない状態です。4列目シートをチップアップさせて前へスライドさせれば500mm程度のスペースが確保できます。4列目も左右セパレートタイプなので工夫次第では人の乗る空間と荷物を載せる空間を作り出す事も可能です。

優れたエンジンと安心安全な性能

グランエースには1GD型の2.8リッタークリーンディーゼルエンジンが搭載されており、ボアストロークは92×103.6mmのロングストロークタイプ。最高出力は177ps/3400rpm、最大トルクは450N•m/1600−2400rpmを誇っています。トランスミッションは6速オートマを採用。ガソリン仕様・ハイブリッド仕様の設定はないものの、トヨタのクリーンディーゼルの技術によって静寂性とトルクのあるエンジンは滑らかで逞しい走りを魅せてくれます。

環境性能も高く、DPR・尿素SCRシステムを採用する事で窒素酸化物の排出を大幅に減少しています。もちろん排ガス規制もクリアし、環境にも優しい高級車と言えます。

また駆動方式はFRを採用。高級セダンにも用いられるFR機構で、軽快なハンドリングが実現し、快適なドライビングを可能にしてくれます。

安全性能については歩行者などを検知する『トヨタSafety Sense』を搭載。駐車時に能力を発揮するインテリジェントクリアランスソナーも搭載する事で死角の多いグランエースでも安心して駐車が可能となっています。

優れた走行性能と安全性、更に環境性能も搭載したグランエースはクルマとしての完成度も高い一台とも言えます。

グランエースを美しく保つには！？

以上、トヨタの最上級フルサイズミニバン『グランエース』のご紹介でした。トヨタ屈指の高級ミニバンとして君臨するグランエースは、唯一無二の存在感を発揮し他を圧倒し続けています。

車体が大きい分、外装のメンテナンスや維持にも十分に気を付けたいところです。グランエースは美しいボディーカラーに加えて高級感溢れるクロームメッキの加飾も施されています。

もちろん塗装面のコーティングなどのメンテナンスも重要ですが、それと同じくらいメッキパーツへも愛情を注いでいきましょう。メッキパーツも経年と共にくすみや錆が発生するので、放っておけば錆腐食が侵食して取り返しのつかない事に・・・

またメッキはそれこそ人の肌の様に繊細なので、使用するケミカルもきちんとしたモノを使わないと更に傷やくすみの原因にもなり兼ねません。愛車の価値を損なわない、また美しく乗り続けていく為にしっかりとしたショップとケミカルを選び、美しく維持していきましょう。