画像参照元・ トヨタ自動車公式企業サイト内のページ
目次
【セリカとの思い出】
学生時代、私が好きだった漫画はしげの秀一氏の『頭文字D』でした。主人公の藤原拓海が乗るスプリンタートレノ86を中心に80〜90年代を代表するスポーツカーが所狭しと繰り広げるストリートレースに心を踊らせたものです。GT−Rとかランエボとか、この漫画で覚えた人も多いのではないでしょうか。ちなみに映画化までされています。
イニDにハマってからは、どっぷり『そっち系』の車の世界に引き込まれて、私も実際に日産シルビアS15やトヨタの4つ目セリカなんかに乗っては夜な夜なドライブを楽しんでいました。特にセリカへの惚れ込みはかなりのもので、当時としてはその宇宙生物の様なデザインと流線型のハッチバックがお気に入りでした。リトラクタブルヘッドライトのGT−FOURが欲しくて車屋をハシゴした事もありました。残念ながら購入までは至りませんでしたが。
そのセリカですが初登場が1970年となかなか古く、世の車好きを魅了した立役者として活躍していましたが、2006年のSS−Ⅱを最後に惜しまれつつも36年の歴史に幕を閉じました。最終型はかなり洗練された外観でまさにスポーツカーといった感じでした。そもそもこの時期はトヨタ自体が純粋なスポーツカーに対して消極的で、2012年のFT86まであまりラインナップが伸びない印象でした。
話がそれましたが、そのセリカは初めて登場した当時としては画期的な、まるでオーダーメイドの様な『フルチョイス』と呼ばれる販売システムを採用したスペシャルティカーとして注目を浴びたそうです。今となっては主流の内装を選んだりはもちろん、エンジンに至るまで選択できたとか。そのエンジンのバリエーションが気になりますが、ハイグレードの1600GTはそのフルチョイス対象外だったそうです。
その当時の販売システム自体は付け焼き刃かも知れませんが、初代セリカは現代でも知名度の高い名車なのは事実で『ダルマセリカ』と言う愛称まで持たれています。
今回はそんなトヨタ初代セリカ、通称『ダルマセリカ』の魅力についてたっぷり語っていきたいと思います。
【主な仕様】
ダルマセリカ1600GTのスペックをピックアップしました。
・エンジン型式 2T−G型 直列4気筒 DOHCエンジン
・排気量1588cc
・全長4165mm
・全幅1600mm
・全高1310mm
・ホイールベース2425mm
・車両重量940kg
・最高出力115ps/6400rpm
・最大トルク14.5kgf•m /5200rpm
・ボア×ストローク85.0×70.0mm
発売後はマイナーチェンジを繰り返し1974年にはラインナップに2000GTが加わりました。
【ダルマセリカたる所以】
旧車には愛称がつきものですね。どの車種もセンスあふれるものですが、初代セリカの愛称は『ダルマセリカ』です。由来はそのボディの形状にあります。太めで全体的に角の取れた様な丸っこいボディはそれこそ『ダルマ』の様な愛嬌のある見た目です。つついたらコロンと転がりそうです。見ようによってはグラマラスといったとこでしょうか。どちらにせよその肉厚なボディは見ていてなんだか幸せになってきますね。プクッとした小径インチのタイヤとのバランスも良い感じです。
そして全体のデザインを眺めてみるとツルンとしていて、まるで空飛ぶ車の様で未来的にも見えます。それも昭和の先人たちが夢見た様な『古い未来像』を模した様なデザインです。それもそのはずダルマセリカのコンセプトは『未来の国からやってきた車』ですから。『未来から』ではなく『未来の国から』っていうところのセンスが良いですね。なんか可愛らしいです。ダルマセリカに乗った全身シルバーのスーツに身を包んでアンテナみたいな帽子を被った未来人が、運転席の窓から顔を出して「やあ!僕は未来人!未来の国からやってきたよ!」とか言ってきそうですね。
この未来感は昔観た映画『未来世紀ブラジル』を思い出します。1985年公開のSF映画ですが、独特な世界観と若かりし頃のロバート・デ・ニーロが見所です。面白い映画なのでオススメです。
初登場のダルマセリカはオーソドックスなエンジンルーム、キャビン、トランクに別れた2ドアクーペタイプですが、1974年登場のセリカLB 2000GTではリフトバックを採用し、現代で言うところのハッチバックタイプが登場しました。セリカLBの少しアメリカンチックな見た目がカッコいいです。
これによってより洗練されたセリカのデザインは最終型まで踏襲され続け、歴代セリカの特徴でもありました。
ちなみにセリカとはスペイン語で『神の・天の・天国のような』と言った意味らしいです。名前だけでも幸せになれそうです。そんな神々しい『Celica』の文字はボディ側面に筆記体エンブレムとして飾られていて、見た瞬間に「うむ」と頷きたくなる上品なデザインです。
【マイルドな顔つき】
見た目もコンセプトも独特なダルマセリカですが、フロントはクセの無いマイルドな顔つき。ボンネットの先端に対して、窪んだ様に配されたグリルとヘッドライト。それを下から包み込む様なメッキ加工が眩しいフロントバンパーが特徴的です。いかにも旧車っぽい丸目のヘッドライトですが、ボディに対して奥ばっているせいかそこまで主張のないスマートで品のある印象さえ受けます。
1969年モデルのシボレーカマロZ28にも似ていますね。垢抜けた顔つきに感じるのはそのせいででしょうか。
人間で言うと『特徴はないけど、バランス良くてなんかモテる顔』って感じです。なんだかんだ一番モテるって顔つきですね。体格が良い上にモテ顔なんてニクいヤツです。手の届かないイケメンよりも手の届きやすいフツメンがモテる真理がなんとなく分かりますね。しかし男は顔じゃなくて中身です。話を戻します。
私がよく通る車屋にもダルマセリカが並んでいますが、シンプルな顔つきでありながらなんとなく視線を奪われる、まさにそんなデザインです。単純に私の好みなだけかも知れませんがとにかくとっつきやすく、愛嬌のある見た目がダルマセリカの魅力のひとつなのは間違いないでしょう。
リア部分もまるでフロントをそっくりそのままひっくり返した様なデザインで、ヘッドライトがブレーキランプにすり替わった見た目をしています。もちろんリアバンパーにもメッキ加工が施されているので存在感抜群な仕様です。
【内装にもセンスが光る】
豊満なボディにあっさり顔ではありますが、言ってもダルマセリカはスポーティーなコンセプトを持つスペシャルティカー。内装は『その気』にさせる様なデザインです。
運転席に座ると眼下に広がるのは5連メーター。現行車に慣れるとタコメーターとスピードメーター以外に何が必要なんだって首を傾げそうですが、ガソリンメーターや油温計、TEMPメーターときちんと意味のあるメーターがそれぞれ独立しているので飾りではありません。
メーターパネルの両端にはメーターと同じ様なデザインでエアコンダクトとシガーソケットが配されています。パッと見だと7連メーターに見えるインパクトあるコックピットです。
シートはスポーティでありながらレザー調のカバーを採用するなど高級セダンのようなラグジュアリーさも伺えます。ドアを開けた瞬間に艶々のシートが見えたら思わずニヤッとしてしまいそうです。
【セリカのライバル車】
セリカの斬新な販促アイディアやデザインで一気に注目を浴びたと思われますが、もちろんライバルメーカーも黙ってはいません。
トヨタがセリカを販売開始して少し経った1972年。日産自動車が満を持してぶつけてきたのが、4代目スカイライン『ケンメリ』です。
ケンメリは前モデルのハコスカから大きくデザイン刷新して、それこそダルマセリカの様な甘いマスクをしていました。それに合わせてキャッチコピーは『愛のスカイライン』ですから愛嬌たっぷりさ加減はダルマセリカと似たところがありますね。
70年代から80年代にかけては特に各メーカー共に結構バチバチの時代だったようで、『コンセプトのぶつけ合い、ケンカの売り合い』の様な事は多々あったとか。
記憶に新しいとこで言うと初期のハイブリッドカーブームの真っ只中だった2000年代は、トヨタのプリウスとホンダのインサイトがこんな感じでしたね。モーターショーとかでの皮肉り合いはなかなか見応えがありました。「いや、こんな露骨に!?」って若干こちらが心配になるほどでしたから。そんな意地のぶつかり合いがメーカー同士を切磋琢磨し合うんでしょう。きっと。
【ダルマセリカの中古相場は?】
気になるダルマセリカの現在の価格を調べてみました。ちなみに当時の販売価格は1600GTの2T-G型が79万円、現代の価値で言うと大体250万円ぐらいのようです。2000GTも当時価格は112万円で、現代の価値では290万円程度と考えられます。
中古相場は1600GTとLB2000GT共に300万〜350万といったところでした。1番上玉で500万があったのでかなりの高騰していると言えますね。時価の物もあったので一概には価値を判断できませんが、価値のある名車なのは間違いないと言えますね。
【愛嬌はあるが舐めちゃいけない】
斬新でありながら愛嬌のある見た目と、若干肩透かしなキャッチコピーではあるものの、素性は生粋のスポーツカー。1600GTは鈴鹿や日本GPといった名だたるレースで、それぞれクラス優勝するなどそのポテンシャルを如何無く発揮しています。
それだけに留まらず海外レースでもRACラリーで連続優勝、スパ・フランコルシャン24時間耐久レースでクラス優勝など、数あるレースやラリーで輝かしい功績を残し続けるなどして、世界的にもその実力を知らしめたのです。
愛嬌がある、モテ顔、万能プレーヤー。もう好きにならざるを得ないダルマセリカ。今では途絶えてしまったモデルですが、いつかまたそれこそ未来の国からやってきたかの様に、突拍子も無く私たち目の前に新型として現れる日が来るかも知れません。
そんなロマンを抱きたくなるまさに名車。以上トヨタ 初代セリカ『ダルマセリカ』のご紹介でした。
【旧車パーツのリクロームメッキ】
NAKARAIメッキで加工した旧車パーツ参考事例を掲載させていただきます。
ケンメリバンパー
再メッキ前 |
再メッキ後 |
ダットサン フェアレディ(SR311型)リヤバンパー
再メッキ前 | メッキ剥離後 |
板金修理後 | 再メッキ後 |
再メッキ後バンパー |
ダルマセリカのメッキ手入れ
クロムメッキパーツの多いダルマセリカの手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。
クロムメッキには最大の弱点が!?
クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。
ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれるくらいの錆びになってしまいます。
錆びてきていない初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。
穴を埋める事で、クロムメッキの穴を埋める事で耐食性が上がます。
クロムメッキ保護剤「メッキング」
クロムメッキ錆落とし剤「サビトリキング」
メッキ加工の事ならNAKARAI
メッキング&サビトリキングを購入する
(POPデザインは バイク/車/トラック とありますが中身は一緒です)
クロムメッキの事についてもっと知りたい方は、
詳しくはこちら:クロムメッキの全てが解る。