トラディショナルなヨーロピアン『スズキ・テンプター400』

史上最鏡を手に入れろバナースズキ・テンプター400

画像参照元…スズキ公式ページ

シンプルなヨーロピアンスタイルバイク『テンプター400』

最近では外観がクラシカルなバイクも非常に活発で、各メーカーともに趣のある外観でありながら最新の技術をふんだんに織り込み、ビギナーからベテランまで虜にするラインナップを展開しています。

私も色んなバイクを見ているとどれも良いなー、かっこいいなーなんて思ったりしてついつい見惚れてしまい、欲しいバイクがどんどん増えていってしまっている状態です。そこでふとあるバイクを見かけた時に、凄く吸い込まれる様に魅入ってしまいました。そのバイクは特段新しい訳でもなく、かといって超希少な旧車でもないのですが、非常にシンプルな外観をしていました。

そのシンプルさが逆に新鮮で、飽きのこないデザインなんじゃないかと思うほど。そのバイクとはスズキの『テンプター400』。シンプルなバイクといえばヤマハのSR400が代表格ですが、テンプター400はいわゆるヨーロピアン色の強いクラシカルなバイク。

極限まで無駄を省き、初見でそのまま絵を掛けそうなほどのシンプルさ。しかしながらどこか個性的な一面も見える不思議な魅力を持ち、一度目にすれば脳裏に焼き付くのは間違いないでしょう。

テンプター400が登場したのは1997年4月。車名の『テンプター(Tempter)』は英語の『Tempt(誘惑する)』から命名されています。まさにあらゆる人を誘惑する美しくシンプルな外観に相応しいネーミングと言えます。

それこそヤマハのSRの対抗馬として世に送り出されたテンプター400ですが、SRとは違う世界線にいるかの様なバイクで、その凛とした佇まいは、まさに唯一無二の存在感を放っています。

とは言っても流石にSRに比べて不人気車で、販売期間は1997−2002年の僅か5年と短命に終わったテンプター400。知られざる魅力について迫っていきたいと思います。

テンプター400の主要諸元

車体型式

  • 型式:NK43A

エンジン

  • 型式:K409
  • 種類:単気筒4ストロークSOHC
  • 冷却方式:空冷
  • 総排気量:396cc
  • 燃料供給方式:キャブレター
  • 内径(シリンダーボア):88mm
  • 行程(ピストンストローク):65.2mm
  • 圧縮比:8.5
  • 最高出力/回転数:27ps/7000rpm
  • 最大トルク/回転数:3kgf•m/5000rpm
  • 使用燃料:レギュラーガソリン
  • 始動方式:セルフスターター式
  • 点火方式:フルトランジスタ式
  • エンジンオイル全容量:2.4L
  • 変速機:リターン式5段変速

寸法

  • 全長:2110mm
  • 全幅:730mm
  • 全高:1040mm
  • ホイールベース:1430mm
  • 最低地上高:150mm
  • 車両重量:173kg
  • タイヤサイズ(前):100/90−18
  • タイヤサイズ(後):130/80−17
  • タイヤタイプ:バイアス/チューブ

性能

  • 乗車定員:2名
  • 燃料タンク容量:12L

構造

  • フレーム型式:セミダブルクレードル
  • 動力伝達方式:チェーン
  • キャスター角:26°45’
  • 懸架方式(前):テレスコピックフォーク(正立)
  • 懸架方式(後):スイングアーム
  • ブレーキ(前):機械式ダブルリーディング
  • ブレーキ(後):機械式リーディングトレーリング

高潔さを感じる外観デザイン

テンプターは趣のあるヨーロピアンデザインで、日本車には見えない洗練された外観となっています。空冷398ccビッグシングル搭載で重厚感のある見た目ですが、車両重量は173kgと軽量。SRとは全く異なるシルエットで、まさにタイムスリップしてきたかのようなクラシカルな外観は発売から15年以上経った現在でも、魅力的に見えます。

英国のノートンやBSAのフェザーベッドフレームを彷彿とさせる直線的なフレームも特徴のひとつです。骨格からクラシックバイクの様なオーラを放っています。

ヘッドライトはシンプルな丸目一灯で、煌びやかなメッキが施されたヘッドライトケースが採用されています。メーターはクラシカルなアナログのスピードメーターとタコメーターが装着。こちらもヘッドライトケース同様メッキ加工が施されたメーターケースとなっています。

ハンドルは低めのコンチネンタルハンドルが採用。低く構えたハンドルがカフェレーサーの様な雰囲気も醸し出しています。クラシカルな外観にマッチしたコックピットは見ていて懐かしい気持ちになる何とも趣のある景観となっています。

まるで英国クラシックバイクの様なオーラを纏い、高潔・上品といった言葉がよく似合うテンプターはまさに紳士の為のバイクといっても過言では無いでしょう。街乗りでも長閑な田舎道も上手くマッチするデザインは噛めば噛むほど味が出る、何ともクセになる一台です。

唯一残念な点が、始動方式がセルフスターター式という事です。出来ればキックスターターも併用して頂ければ私もかなり嬉しかったので、ここはやはり装着して欲しかったですね。

シンプルで洗練された燃料タンク

燃料タンクはフラットなデザインの角ばった形状となっており、車体の雰囲気とマッチしたクラシカルな印象で、容量12Lと程よく抑えることでスリムな造形です。

1997年発売時のテンプターは車名である『TEMPTER』の立体エンブレムが飾られていますが、このエンブレムデザインもTriumphを彷彿とさせる洒落た書体となっていますが、2000年のマイナーチェンジによってSUZUKIの『S』エンブレムバッヂへと変更されました。カラーリングも単色からブラックとシルバーのストライプが追加された事で、より気品溢れる外観へと変わりました。

程よい厚みのフラットシート

シートもシンプルなフラットシートが採用されています。タンクの半分程度の厚みの程よいボリュームで、見た目以上にふっくらとしたシートはロングツーリングでもライダーの負担を軽減させてくれます。

シートの周りを飾る様にグラブバーも装着されており、タンデム時の握り手としてはもちろんサドルバッグやツールバッグを取り付けたり、荷物をタンデムシートに載せてバンドやロープで括る事も可能です。用途の幅が広いダブルシートで遠出のツーリングでも活躍してくれそうです。クラシカルな外観のテンプターでお洒落なソロツーリングもまた良さそうですね。大自然のロケーションでも十分映えるのは間違い無いでしょう。

クラシカルな足回り

テンプターは足回りにも拘りを見せています。フロントに機械式ダブルリーディングを採用し、クラシカルな演出に抜かり無しです。もちろんホイールもスポークホイールを装着し、フェンダーも曲線の美しいクラシカルなフェンダーとなっています。特筆すべきなのがリアフェンダーがきちんとインナーフェンダーを兼ねた一枚物となっている事です。

リアフェンダーは先端だけであとは樹脂製のインナーフェンダーというのが多いので、こういった見えない造形にも拘ったのはかなりポイントが高いのでは無いでしょうか。

個性的なエンジン造形

テンプターの代名詞とも言える個性的なエンジン。曲線の美しいクランクケースの上にデン!と乗っかったシリンダー部分は非常にシンプルな美しい四角錐となっています。

直線的なデザインのおかげでソリッドなフィン部分が並行に整列し、見ていて非常に気持ちの良いエンジン造形。そんなエンジンから伸びるマフラーは単気筒の特権とも言える美しい一本出しマフラー。小賢しいパイプワークは施されず潔く伸びたエキパイもエンジン造形同様に見ていて気持ちが良いです。

サイレンサーはテーパーエンドタイプが採用されています。弾ける様な単気筒サウンドとビッグシングルの鼓動感を感じ、耳障りの良いサウンドで最高のツーリングを味わう事が出来ます。

カスタムベースとしても

非常に完成度の高いテンプターですが、やはりSRやCBなどに比べるとカスタムパーツはほぼ無いに等しいほどです。その洗練された素材を活かしてハンドルのみをセパレートハンドルやコンドルハンドル逆付けといったマイルドなカフェレーサースタイルでも十分に絵になります。

中にはシートをワンオフする猛者もいますが、もちろんカリカリのカフェレーサースタイルもしっくりくるカスタムベースとしてもかなり優秀な一台とも言えます。パーツが少ない分オーナーの方々も工夫を凝らして自分だけのテンプターに仕上げている様です。

レアなテンプターを美しく維持するには

以上、スズキのヨーロピアンスタイルバイク、『テンプター400』のご紹介でした。古くもなく新くもない少し中途半端なバイクですが、普遍的でありながらいつの時代にもマッチする非常にシンプルさが魅力の一台となっています。

気になる中古市場においてはかなり球数は少なく、レアなバイクとなりつつあります。中古相場も50万円オーバー(2022年5月時点)と意外にも高値で取引されている様です。気になる方は小まめにチェックしてみるのも良いかも知れません。

そんなテンプター400ですが、外観デザインは非常に美しくシンプルが故に外装コンディションの劣化は顕著に現れてくると思います。流通している純正パーツも少なく、オリジナルを綺麗に維持するのもかなりシビアなものになってくる事でしょう。美しい外観を保ち光り輝くテンプターはより魅力的だと思います。

もちろん塗装面のコーティングなどのメンテナンスも重要ですが、それと同じくらいメッキパーツへも愛情を注いでいきましょう。メッキパーツも経年と共にくすみや錆が発生するので、放っておけば錆腐食が侵食して取り返しのつかない事に・・・

またメッキはそれこそ人の肌の様に繊細なので、使用するケミカルもきちんとしたモノを使わないと更に傷やくすみの原因にもなり兼ねません。愛車の価値を損なわない、また美しく乗り続けていく為にしっかりとしたショップとケミカルを選び、美しく維持していきましょう。

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メッキ手入れ

クロムメッキパーツの多いバイクメッキの手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。

クロムメッキには最大の弱点が!?

クロームメッキにあいている目にみえない無数の穴

クロームメッキが錆びる原因【構造

点サビ画像

クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。

ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれてしまいます。

初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。

クロームメッキが錆びる原因【構造

メッキングの効果

穴を埋める事で、クロムメッキの耐食性が飛躍的に上がます。

クロムメッキ磨き剤「ミガキング

ミガキング003

クロムメッキ保護剤「メッキング

メッキは磨くのではなくコーティングがおすすめ

メッキング画像

クロムメッキ錆落とし剤「サビトリキング

サビトリキングはメッキに優しく、サビには厳しい錆取り剤

サビトリキング画像

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