画像参照元…スズキ公式ページ
スズキの軽スポーツの原点『フロンテクーペ』
みなさんこんにちは!今回ご紹介するのはスズキの『フロンテクーペ』です。なかなか馴染みの無い車名だと思いますが、旧車好きの間ではこれがなかなか一目をおかれるほどの名車というのはご存知でしょうか。最近で言えばスズキの軽自動車であるセルボの御先祖様の様な存在でもあります。(セルボも生産終了しましたが)
実はこのフロンテクーペは現代において軽スポーツというカテゴリーにおいて確固たる地位を築いたスズキが誇る軽スポーツの原点とも言える一台なのです。
今でこそノスタルジックな見た目のフロンテクーペは、当時としては最新のデザインを誇った先駆的なモデルとして脚光を浴びた名車でもあります。
フロンテクーペが登場したのは1971年の9月。当時の軽自動車規格は360ccと現代のおよそ半分近い小排気量でしたが、当時はその制約の中で各メーカーはハイパワーモデルの軽自動車の開発に注力し互いに凌ぎを削り合ってきました。
そんな中、スズキが満を持して輩出したのがこのフロンテクーペ。既存モデルである3代目フロンテから派生し、スポーツモデルとして車名に『クーペ』と付け加える事で差別化が図られています。
元となった3代目のフロンテのエンジンはLC10W型と呼ばれる2サイクル3気筒エンジンを搭載しています。これはスズキ曰く「4サイクル6気筒に匹敵する」として如何にパワーのあるエンジンであるかをアピールしています。もちろんこのエンジンがフロントクーペにも採用されており、そのエンジン性能に見合ったエクステリアを再デザインした言わば『フロンテの本来の姿』とも言えます。
もともと大衆車として大人しめなデザインだったフロンテですが、フロントクーペは些かスパルタンな印象さえ受ける外観となっています。直接的ではありませんが、こう言った軽規格スペシャリティーカーの存在はのちのアルトワークスやカプチーノなんかにも影響を与えたのかも知れません。
軽スポーツというのは現代でも深く根付いたカテゴリーで、大人のオモチャとしての魅力がありいつの年代でも人気があります。フロンテクーペもその外観とコンセプトから今でも熱狂的なファンが多く、軽スポーツ界のレジェンド的存在でもあります。
ちなみに車名の『フロンテ』とは先駆者を意味する『フロンティア』から取られています。その名に因んでか、初代フロンテは駆動方式はFFでしたが、フロントクーペを含む後継モデルはRRへと変更されています。(5代目以降はFFへと戻っています)
今回はフロンテクーペGXモデルを中心にその性能や魅力について語っていきたいと思います。
目次
フロンテクーペの主要諸元
エンジン
- 型式:LC10W
- 種類:直列3気筒 2サイクル
- 冷却方式:水冷
- 燃料供給方式:キャブレター
- 総排気量:356cc
- 内径(シリンダーボア):52mm
- 行程(ピストンストローク):56mm
- 最高出力/回転数:37ps/6500rpm
- 最大トルク/回転数:4.2kgf•m/4500rpm
寸法
- 全長:2955mm
- 全幅:1295mm
- 全高:1190mm
- ホイールベース:2010mm
- トレッド(前):1120mm
- トレッド(後):1100mm
- 最低地上高:150mm
- 車両重量:500kg
- 燃料タンク容量:27L
性能
- 最小回転半径:3.9m
- 乗車定員:4名
構造
- 駆動方式:RR
- 懸架方式(前):ウィッシュボーン式
- 懸架方式(後):セミトレーリングアーム式
- ブレーキ(前):ディスク
- ブレーキ(後):機械式リーディングトレーリング
コンパクトでスパルタンなデザインの車体
ベースとなったフロンテは曲線を基調としたマイルドな見た目ですが、フロンテクーペはコンパクトな車格は維持しつつスポーツカーらしいスパルタンな外観となっています。車高はより低くなり、フロントノーズから大きく傾斜したフロントガラスのアプローチはまさにスポーツカーそのもの。
リアにかけてはなだらかに窄み、空気抵抗を緻密に計算したかの様な全容となっています。リアビューも非常に洗練されており、なだらかなボディラインに沿う様にデザインされたウインドウも非常に前衛的です。
フロントフェイスにおいては角型のヘッドライトにソリッドなフロントグリルを採用した何とも硬派な印象の顔付きとなっています。フロントバンパーにはメッキ加工を施し、中央にフォグランプを装着するなどドレスアップや装備も充実している模様。フラットなボンネットには砲弾型のラウンドタイプのフェンダーミラーが装着されています。ステー部分はドリルド加工されるなど、細かい部分ではありますがカスタムライクな要素もしっかりと見られます。
リアビューのデザインも非常に拘りを感じ、ファストバッククーペの様な垢抜けた後姿はまさにスペシャリティーカーそのもので垢抜けた景観となっています。もちろんフロントと同じくメッキフェンダーが装着されており、程よいアクセントとなっています。
またGXについてはボンネットに「CoupeGX」のエンブレムが斜めに飾られており、スタイリッシュな演出もされています。
独創的でまるで弾丸の様に鋭いボディのフロンテクーペのデザインを原案したのは1970年代を代表するイタリアの工業デザイナーのジョルジェット・ジウジアーロ氏。
ジウジアーロ氏は「折り紙細工」と呼ばれる直線を基調とした鋭利なデザインを得意とし、ダイナミックかつ繊細なデザインが非常に有名でした。BMWやアウディ、マセラティにアルファロメオを始めとし日本車ではいすゞのデザインも手掛けている名デザイナーです。
『原案』とあるのには意味があり、当初ジウジアーロ氏がデザインしたフロンテクーペのエクステリアの構想は車高の高い2ドアセダンタイプでした。フロンテクーペはあくまでスポーツモデルとしての位置付けを意識していたスズキにとって、これはコンセプトにそぐわないと判断し、このデザインは採用される事はありませんでした。(スズキ強い・・・)
その後はそのジウジアーロ氏の原案を元に、スズキのデザイナーである内藤安弘氏がデザインしたのがこのフロンテクーペです。なんか現代で同じ事したら色々と揉めそうですが、当時はそこまで発展しなかったんですかね・・・
しかもこの内藤氏は当時としては若手だった様で、原案が合ったにせよ世界屈指のデザイナーよりもスズキが求めるデザインに仕上げたのには驚きます。この時代のクルマ作りの思い切り、勢いの良さは本当に聞いていて驚くエピソードばかりです。
擦った揉んだがありながらも最終的に非常にバランスも良く、スポーツカーとしての要素を多く感じられるフロンテクーペは他メーカーと比べても抜きん出たエクステリアとなっています。
スポーティな内装
フロンテクーペは内装にも拘っています。コックピットからの景観で最も目を引くのはメーターパネル。スポーティなアナログ6連メーターがズラリと並んでおり、その存在感はかなりのもの。むしろ圧倒されるほどで『ちょっとやりすぎ感』が否めいなくも無いですが、スズキの本気度がビシバシと伝わってくるメーター周りです。
デビュー当時こそストイックな2シーター仕様でしたが、後に後部座席が設けられ4人乗りも登場する事となりました。用途こそ『あったら嬉しい』程度の緊急用(緊急と言っても突然搭乗者が増えるといった感じ)で、あくまでおまけシートと割り切った使い方が正解。
しかしこれが意外にも市場要求とマッチしたのか、4人乗りフロンテクーペが人気を博し結局2シーターモデルは淘汰されてしまう結果となりました。
裏を返せばフロンテクーペの2シーターモデルはレア車とも言えます。
一線を画した走行性能
フロンテクーペに搭載されたLC10W型3気筒2サイクルエンジンは冒頭でも言った通り、スズキ自身が「4サイクル6気筒に匹敵する」と謳われた渾身のエンジン。吸気系にリードバルブを搭載しキャブレターへの混合気の吹き返しを抑制。また、デュアルラジエーター採用によって冷却効率を向上するなど、エンジンの技術面でも注力されていました。
3気筒3キャブレター搭載によってパワフルな走りを見せ、最高出力は37ps。ゼロヨン記録(0−400m加速時間)は19.47秒をマークし、最高速度も120km/hと軽自動車規格とは思えないパワーを誇っていました。
駆動方式はRRである為、軽快で機敏なハンドリングも他メーカーを圧倒する魅力でもありました。
スズキ『フロンテクーペ』のお手入れの注意点は!?
以上、スズキの本格派軽スポーツの元祖とも呼ばれる『フロンテクーペ』のご紹介でした。かなりのレア車なので、球数もかなり少なく生でお目にかかれただけでかなりラッキーだと思います。
その1970年代独特のノスタルジックな外観は、現代でもかなり魅力的に見えるのでは無いでしょうか。
クルマとしても非常に魅力たっぷりなので、オーナーの方もかなり大事に乗っている様です。コンパクトな車体でありながらも様々な欲求を満たしてくれるフロンテクーペはオーナーの方にとっても唯一無二の相棒である事は間違い無いでしょう。
もちろん絶版車なので、オリジナルのパーツや塗装は大事に残していきたいところです。外観的にはボディの状態もそうですが、随所にあしらわれているメッキパーツのお手入れや維持にも注意したいところです。メッキパーツも経年と共にくすみや錆が発生するので、放っておけば錆腐食が侵食して取り返しのつかない事に・・・
またメッキはそれこそ人の肌の様に繊細なので、使用するケミカルもきちんとしたモノを使わないと更に傷やくすみの原因にもなり兼ねません。愛車の価値を損なわない、また美しく乗り続けていく為にしっかりとしたショップとケミカルを選び、美しく維持していきましょう。
メッキ加工も承ります
スズキ フロンテクーペ バンパー
再メッキ前
再メッキ後
愛車はどのKING?
クロムメッキの弱点克服でメッキの輝き持続力UP↑
クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。
ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれるくらいの錆びになってしまいます。
錆びてきていない初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。
穴を埋める事で、クロムメッキの穴を埋める事で耐食性が上がます。
メッキング愛用者の声
「ディーラーの人にメッキがなんか違う気がするんですけど?」と言われました。
メッキング施工後ディーラーに用事があり乗って行くと ディーラーの人にメッキがなんか違う気がするんですけど?と言われました。それはメッキングをしたからです!と言いました!
新車から施工しましたがやっぱり見た目から違うんだなと感動しました!
メッキの一番のケミカル用品は間違いなくナカライさんの商品だと思います。
拭き取りクロス類も別発注して大事に使っています! ケミカル用品はワコーズとシュアラスターしか使わないと決めていましたがナカライさんも使わせて頂きますね!!
使用車種ヴェルファイアG's N様
車用のコーティング剤とメッキングの違い
車のガラスコーティング剤の多くは、ボディーを意識して作られておりますので、短期間で広い面積をコーティングしやすい組成になっているものが多く、イメージセロハンテープ状にコーティングされるが、メッキング被膜は、クロムメッキにあいている穴を埋める事を目的として作っておりますので、粒子の細かい被膜が手と手をとりあって穴を埋めながらコーティングするというイメージになります。
(車のコーティング剤の全てがそのような組成ではないです。あくまで一例です)
車用のガラスコーティングイメージ図
セロハンテープ状に被膜が形成されるものが多い。塗装の被膜に近く塗装被膜がめくれる時をイメージしていただけるとわかりやすいと思います。
メッキング被膜イメージ図
メッキング被膜は粒子の細かい被膜が手と手をとりあって穴を埋めながらコーティングするイメージで、はがれる時は、人間の垢みたいに、部分にボロボロとめくれる感じになります。
メッキング被膜の効果
※メッキングは1コートで半年もちますので、最初2~3回は1か月に一度くらいを目安に重ね塗布し。その後は半年に1度に塗布することをおすすめいたます。
メッキングが重ね塗布が有効な理由
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メッキング被膜は薄い被膜を重ね塗布、重ね塗布することでメッキ面の鏡面度が改善されていきます。クロムメッキ用の光沢剤も配合していますで、薄く被膜を重ね塗布、重ね塗布することで光沢がUPしていきます
厚付けは不可、厚く塗布することで耐食性はあがりますが、鏡面度が改善できなくなるうえにムラムラになってしまいます。鏡面メッキでなく、見た目よりも耐食性をあげたいパーツは厚くたっぷり塗布していただいても問題ありません。
- 見た目重視の場合は薄く
- 見た目よりも耐食性重視の場合は厚く
メッキングが塗装NGの理由
メッキングは構造上、短期間に広い面積のコーティングを必要とする塗装面だと、メッキング被膜がよけいムラになりやすく、ムラを見逃した場合、とるのが大変なため、塗装面はメッキングNGとさせていただいております。
自分の車のボディー塗装面にメッキング被膜を大量塗布したところ、ムラムラ被膜が5年くらい残ってしまいました。
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