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スズキ・Kから生まれた『コレダ・スクランブラー』
みなさんこんにちは!今回はかつてスズキが製造販売していた50ccスクランブラーバイク『コレダ・スクランブラー』をご紹介致します!1996年9月に発売された知る人ぞ知る隠れた名車で、その界隈ではある程度の知名度を誇るコレダ・スクランブラーは現代でも多くのファンを抱える魅力的なバイクです。
コレダ・スクランブラーはスズキの小型バイク『スズキ・K』シリーズから派生したスクランブラーモデルです。普遍的なデザインで定評のあったKに遊び心と攻めの精神を織り込ませたオフロード好きにも堪らない一台となっています。
シンプルで有りながらもオリジナリティ溢れる外観と2サイクルエンジンの小気味の良い走り、バイクとしてのポテンシャルも高く50ccだからと言って決して侮れません。クラシカルな風合いのスクランブラースタイルという付加価値も有り、乗って楽しい見て楽しいと小さいながらもオーナーの所有欲を十分に満たしてくれます。
特に現在ではスクランブラーの様な趣のあるオフロードバイクは人気モデルで、各メーカーがネオクラシックのラインナップにスクランブラーモデルを増やしている程の『売れ線』でも有ります。もちろん私もこのスクランブラースタイルが好きで、更に旧車となるとかなり魅力的に感じます。
スズキ・Kシリーズとは
コレダ・スクランブラーを語るにはまず『スズキ・K』から解説する必要が有ります。スズキ・Kの初代モデルはK125。元は『コレダS10』という車名でした。車名にある『コレダ(COLLEDA)』とはコンパクトで取り回しとバランスに優れたイメージから命名されているそうで、初代コレダはまさしく「これだ!」の意味が込められているとの事です。
K125が登場したのは1965年。その後は小排気量モデルを中心に1967年にK90とK50が発売されました。初代コレダであるK125に搭載されたエンジンは、最高出力12ps/7000rpmとレースマシンから流用されたロータリーディスクバルブ2サイクルエンジンでした。
K90とK50はいわゆるビジネスバイクとして使用され、働く人々の足となっていました。K125とK90は2000年に販売を終了し、K50においても2006年に販売終了。初代モデルから通算40年以上も販売され続けてきた超ロングセラーモデルでも有ります。
その長い販売期間の間にKシリーズから1996年3月に発売した派生モデルがコレダ・スポーツ。その名の通りK50をベースにカスタマイズされたスポーツモデル。そして同年9月に発売されたのがコレダ・スクランブラーなのです。
コレダ・スクランブラーの主要諸元(1996年式)
車体型式
- 型式:LA13A
エンジン
- 型式:A185
- 種類:2サイクル単気筒
- 冷却方式:空冷
- 総排気量:49cc
- 燃料供給方式:キャブレター
- 内径(シリンダーボア):41mm
- 行程(ピストンストローク):37.8mm
- 圧縮比:7
- 最高出力/回転数:4.5ps/6000rpm
- 最大トルク/回転数:0.56kgf•m/5000rpm
- 使用燃料:レギュラーガソリン
- 始動方式:キックスターター式
- 点火方式:C.D.I.式
- 変速機:ロータリー式4段変速
- 操作方式:フットシフト
寸法
- 全長:1820mm
- 全幅:705mm
- 全高:930mm
- ホイールベース:1185mm
- 最低地上高:115mm
- 車両重量:80kg
- タイヤサイズ(前):2.50−17
- タイヤサイズ(後):2.50−17
- タイヤタイプ:バイアス/チューブタイヤ
性能
- 乗車定員:1名
- 燃料タンク容量:6.5L
- 燃料消費率:87.7km/L
- 満タン時航続距離:570.0km
構造
- フレーム型式:プレスバックボーン式
- 動力伝達方式:チェーン
- キャスター角:63°00’
- 懸架方式(前):テレスコピックフォーク(正立)
- 懸架方式(後):スイングアーム式
- リアサスペンション本数:2本
- ブレーキ(前):機械式リーディングトレーリング
- ブレーキ(後):機械式リーディングトレーリング
レトロスクランブラースタイル
コレダ・スクランブラーの魅力。それは趣のあるレトロクラシックな外観だと思います。シルエットこそは普遍的なKシリーズそのものですが、パーツのひとつひとつに拘りを感じる造形美が光るバイクです。
ヘッドライトは丸目一灯で、両脇には小型のウインカーというシンプルで愛嬌のある顔つき。凝ったフロントデザインでは無いですが、この単純さが長く付き合える安心感と安定感のある見た目では無いでしょうか。
少し言い過ぎかも知れませんがコレクションホールなどにライトアップして展示しようものなら、名だたる名車の中でも決して埋もれる事のない存在感を放っています。
シンプルなメーター周り
メーター周りはキーシリンダーとインジケーターランプ、そしてスピードメーターという至ってシンプルなレイアウトとなっています。小型のスピードメーターはメッキ加工が施されたメーターケースを採用するなどしてカスタムライクな印象を感じます。
ハンドルはいわゆるオフロードバイクらしいアップハンドルではなく、程よくプルバックされたミドルハンドルが装着されています。少し低い様にも感じますがゆったりしたポジションで、ストレスの少ないライディングが可能です。
洒落たスリムタンク
コレダ・スクランブラーに装着されたスリムなタンクは、当時モノの雰囲気を存分に感じる事が出来る角ばったデザインとなっており、シルバー塗装にSUZUKIの『S』が象られたレッドバッヂが誇らしげに飾られています。タンク後方部にはニーグリップ時の滑りを抑えるパッドが貼られている為、間伸びしがちな横長のタンクも程よい見た目になっています。
一見スリムなタンクですが、容量は6.5Lとまずまず。燃費は87.7km/Lとかなりの低燃費を誇り、満タン時の航続距離は570km。あまり無いとは思いますがちょっと足を伸ばしたくなった時も、気兼ねなく遠くまで連れて行ってくれる頼もしさも有ります。
またフューエルキャップはメッキキャップが採用され、シンプルなデザインで有りながらも煌びやかさもしっかり演出しています。
無骨なロングシート
シートは1人乗りですが余裕のあるロングシートを採用しています。シンプルなフラットなシートですが、シルバーのスタッズが打ち込まれており何とも無骨なデザインが印象的で旧車の全体のレトロクラシックな雰囲気としっかりマッチしています。
厚みはタンクとほぼ同じで、タンクからのストレートラインが気持ちいいシルエット。スクランブラースタイルにピッタリなシートチョイスは見る者を思わずうっとりしてしまう程の美しい仕上がりとなっています。
クラシカルな足回り
タイヤは前後17インチで、スポークホイールを装着。ブレーキシステムは前後ともに機械式リーディングトレーリングを採用し、クラシカルな印象の足回りとなっています。スクランブラースタイルで有りながら大きくタイヤを覆ったディープフェンダーは、ビジネスバイクであったKシリーズの派生車としての名残りかも知れません。
フロントフォークにはフォークブーツを装着し、リアショックはフルカバータイプを採用。そうする事で50ccのコンパクトな車体でもある程度の足回りに重厚感が有ります。
やっぱりアップマフラー
マフラーはやはりスクランブラーバイクらしくアップマフラーを装着し、エキパイの取り回しとサイレンサーを車体左側にセットするスタイルを採用しています。
エキパイは無骨なマットブラック塗装が施されており、シルバーのヒートガードが装着されています。対照的な色合いなのでお互いの存在を引き立たせる絶妙なバランスです。サイレンサーは筒状のデザインとなっており、ぱっと見はまるでボールに空気をいれるシュコシュコもしくは筒状の水鉄砲の様なちょっと可愛らしいサイレンサーです。
このデザインは好みが別れそうですが、これがある意味コレダ・スクランブラーのひとつの象徴とも言え、他には無い独特な個性でも有ります。
コレダ・スクランブラーを美しく保つには
以上、スズキの洒落たスクランブラーバイク『コレダ・スクランブラー』のご紹介でした。小さいながらも旧車としての魅力とスクランブラーバイクとしての力強さを兼ね備えた唯一無二の存在とも言えます。もともとはビジネスバイクからの派生モデルですが、面白い走りを見せてくれる非常にポテンシャルの高い一台とも言えます。
ライバル車にはホンダ・ベンリィやヤマハ・YB−1などが有りますが、そんな他メーカーにも引けを取らないコレダ・スクランブラーは今後もスズキの名車のひとつとして語り継がれていく事でしょう。
コレダ・スクランブラーの様な旧車・絶版車に付き物なのがやはり『外装コンディションをどうやって維持していくか』です。コンパクトな車体なので物置やガレージがあれば場所を選ばず保管できますが、それでもやはり外装の劣化には注意しておきたいところです。
特にオリジナルパーツがデッドストックである旧車や絶版車はその維持がシビアになってくると思います。もちろん塗装面のコーティングなどのメンテナンスも重要ですが、それと同じくらいメッキパーツへも愛情を注いでいきましょう。メッキパーツも経年と共にくすみや錆が発生するので、放っておけば錆腐食が侵食して取り返しのつかない事に・・・
またメッキはそれこそ人の肌の様に繊細なので、使用するケミカルもきちんとしたモノを使わないと更に傷やくすみの原因にもなり兼ねません。愛車の価値を損なわない、また美しく乗り続けていく為にしっかりとしたショップとケミカルを選び、美しく維持していきましょう。
愛車はどのKING?
メッキ手入れ
クロムメッキパーツの多いバイクメッキの手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。
クロムメッキには最大の弱点が!?
クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。
ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれてしまいます。
初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。
穴を埋める事で、クロムメッキの耐食性が飛躍的に上がます。
クロムメッキ磨き剤「ミガキング」
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詳しくはこちら:クロムメッキの全てが解る。