【スズキ70周年記念モデル『バンディット400LTD』】
私はよく『特別』とか『限定』とか聞くと思わず財布の紐がゆるくなってしまうのですが、車やバイクにおいても同じで『特別仕様車』『アニバーサーリーモデル』っていう言葉に特に弱いです。
きっと皆さんもそう言った特別な1台って響きに少なからず魅力を感じるのではないでしょうか。
今回はスズキのバンディッド400の特別仕様車、『バンディット400LTD』のご紹介をしたいと思います。LTDとは『リミテッド』の略、そう私が大好きな特別仕様車です。しかしバンディット400LTDはかなり手の込んだモデルで、ロケットカウルの装着や特別なカラーリングなど、まるで全く違うバイクの様な姿形をしています。
バンディット400LTDはスズキ70周年を記念したモデルなのですが、意外にもこれは知られていないという事実。なぜバンディットにそんな70周年の特別仕様車を設けたのかは不明ですが、その仕様はアニバーサリーモデルに相応しい贅沢な仕様となっている為、マシンとしてはかなり人気も認知度も高いものとなっています。
ベースとなっているバンディット400は1989年に発売された、ダイヤモンドフレームにGSX−R譲りの水冷4気筒4ストロークエンジンを搭載のスポーツネイキッドバイクです。そのスズキらしいエンジン、軽快な見た目とセパハン・バーハンドル好みのハンドルをチョイス出来るという販売方法が魅力で、2000年に生産が終了するまで、多くのファンを獲得し絶版車となった今でも一定の知名度を持ったバイクです。
バンディットシリーズは250cc・400cc・650cc・1200cc・1250ccと排気量展開がされており、バンディット400はバランスの良いミドルクラスバイクとして人気の高いモデルでも有りました。
車名にある『バンディット(Bandit)』とは『無頼者』『山賊』という意味があります。かなり物騒なネーミングですが、他メーカーの同クラススポーツネイキッドバイクとは一線を画す、型にはまらないと言った思いが込められているのでしょうか。
バンディット自体がかなり尖ったバイクではありますが、さらにデザインに磨きが掛かったバンディット400LTDの魅力についてたっぷりと語っていきたいと思います。
目次
【バンディット400LTDの主要諸元】
バンディット400LTDが発売されたのは1990年。基本的な構造は既存モデルのバンディット400と同じですが、外観だけではなく性能においても特別に手が加えられています。
アニバーサリーモデルとは言いながら役3年間の間販売されていたので、販売台数を限られた限定車ではないようです。
今回ピックアップしたのはそんなバンディット400LTDの中でも最も完成度の高い1993年式の『バンディット400LTD V』の主要諸元になります。
〈車両型式〉
・型式:GK75A
〈エンジン〉
・型式:K707
・種類:直列4気筒 16バルブ 4ストローク DOHC
・冷却方式:水冷
・総排気量:398cc
・燃料供給方式:キャブレター
・使用燃料:レギュラーガソリン
・内径(シリンダーボア):56.0mm
・行程(ピストンストローク):40.4mm
・最高出力/回転数:53ps/11000rpm
・最大トルク/回転数:3.8kgf•m/9500rpm
・始動方式:セルフスターター式
・潤滑方式:ウェットサンプ式
・変速機:リターン式6段変速
〈寸法〉
・全長:2060mm
・全幅:700mm
・全高:1155mm
・ホイールベース:1435mm
・最低地上高:155mm
・車両重量:194kg
・乗車定員:2名
・燃料タンク容量:16L
・タイヤサイズ(前):110/70−17
・タイヤサイズ(後):150/70−17
〈構造〉
・フレーム型式:ダイヤモンド
・懸架方式(前):テレスコピックフォーク(正立)
・懸架方式(後):スイングアーム式
・ブレーキ(前):油圧式ダブルディスク
・ブレーキ(後):油圧式ディスク
・動力伝達方式:チェーン
ベースとなっているバンディット400は軽量化に特化したダイヤモンドフレーム、直列4気筒DOHCのパワフルなエンジンを搭載したスポーツネイキッド。そんなバンディット400にマン島TTを彷彿とさせるロケットカウルを装着したのがバンディット400LTDです。
今回ピックアップした1993年式バンディット400LTD V。車名の末尾にある『V』とはVCエンジン搭載を指したモノで、より特別なモデルである事を現しています。しかし最高出力は従来のエンジンの59psに比べて約10%ダウンの53psに下げられています。しかしセッティングの変更やギヤ比の変更などにより、出力ダウンをバックアップしています。
【特別仕様車として装着されたロケットカウル】
冒頭から触れていますが、バンディット400LTDの最大の魅力はロケットカウルです。まるでビンテージレーサーの様なカウルで、丸目一灯のヘッドライトにメーターを大きく覆ったスクリーンが特徴的なスタイリングです。しかし丸みを帯びたカウル前方部に対し、後方側つまりハンドルからタンクにかけて覆い被さっている部分はエッジの利いたデザインとなっています。特にダイヤモンドフレームのパイプワークに沿った形状も専用設計が故に成せる造形美と言えます。
ビキニカウルではなく、フレームを一から設計したフェアリングカウルなのが一番のポイントでしょう。元から完成度の高いバンディットですが、ロケットカウル装着によって外観的にもブラッシュアップされたバンディット400LTDはまさに究極系とも言えます。
カウル装着によってパーソナルスペースと化したメーター周り。アナログタイプのタコメーター・スピードメーター・油温計の3連メーターとなっており、スピードメーターと油温計をメーターパネルで連結させよりレーシーな雰囲気を醸し出しています。
また意外にぞんざいに扱われがちなミラーのマウント位置は、メーターサイド部分に配置されており細部への拘りとセンスを感じます。
【スタイリッシュな外観】
ロケットカウル意外にもバンディット400LTDにはたくさんの魅力が詰まっています。バンディットシリーズの代名詞とも言える特徴的なダイヤモンドフレームに沿う様に、タンク・サイドカバー・シートに至るまでがバランス良く装着されています。各パーツの造形も美しく流麗なデザインはスポーツバイクで有りながら優雅なオーラを纏っています。
ハンドルはロケットカウルに合わせてセパレートハンドルが装着されており、性能のみならずレーシーな雰囲気も演出。まぁロケットカウルにはセパハンが当然と言えば当然ですが。そのセパハンはトップブリッジ上部にオフセットされており、スパルタンな見た目ながらも意外にも自然なライディングポジションとなります。
タンクにはハンドルの逃げ道とニーグリップの為にエグリ加工が施されていますが、この凹みデザインがよりタンクの曲線美を強調しています。光のあたり具合で美しいコントラストを生み出すこのタンクデザインは、ロケットカウルに負けないくらいにオーナーをうっとりさせるチャームポイントだと言えますね。
テール部分は90年代らしいツンと跳ね上がったテールに埋め込み型のランプが印象的です。標準で既にフェンダーレスというカスタムライクなデザインとなっています。
足回りを見てみると、前後17インチタイヤを装着したホイールは3本スポークのキャストホイールが採用されています。外観の雰囲気に合わせて足回りのデザインにも軽快さを取り入れており、停車状態でも外観を見ただけで、颯爽と駆け抜けるバンディット400LTDが容易にイメージが出来ます。
エンジン周りについてはブラック塗装された直列4気筒DOHCエンジンのヘッドカバーのみレッドに塗装されており、フレームの隙間からさりげなくお目見えしています。そしてエンジンには『VC』の文字が刻まれています。マフラーは4本の迫力あるエキパイを1本にまとめた集合管タイプに、後方が跳ね上がったサイレンサーとなっています。
デザイン的にもかなり細部間拘り抜かれたバンディット400LTD。この秀逸なデザインこそが長年ファンのハートを掴んで離さない最大の魅力と言えます。
【特別に施されたカラーリング】
バンディット400LTDには特別なカラーリングが施されています。ブラックとメタリックレッドのツートーンカラーとなっており、そのツートーンの境目はゴールドのラインが入れられると言うなんとも贅沢なカラーリングとなっています。
そのツートーンのデザインもカウル・タンク・サイドカバー・シートカウルの形状に合わせて有ります。特にブラックの配色が絶妙で、少しメタリックレッドがヤンチャな雰囲気になりそうなとこですが、上手くブラックの引き締まった感じが機能していてオトナな印象さえも受けます。メタリックレッド自体にも深みがあり、カウルのスクリーン部分の固定ビスのシルバーが良く映える色味となっています。
バンディット400LTDの特別なカラーリングは、発売から28年たった現代でも思わず振り返ってしまう様な魅力的なモノです。まるでカスタムペイントを施した様な、美しいオリジナルの塗装もファンの間では高く評価されている様です。
【バンディット400LTDの中古相場は?】
現在のバンディット400LTDの中古相場ですが、状態の良い低走行距離の個体は100万円前後とかなり高騰しています。個体数もかなり減ってきている様で、完全にレア車の仲間入りと言えるでしょう。既に所有しているオーナーの方には是非大事に乗って頂きたいですね。
こういった名車はいつまでも元気に公道を走ってもらいたいものです。以上、スズキ『バンディット400LTD』のご紹介でした。
愛車はどのKING?
レストアに欠かせない再メッキできます
バイクマフラーの再メッキ実験的に受付開始
お問い合わせが多かった、バイクマフラーの再メッキですが、
ただいま、実験的にマフラー再メッキの加工の受付を開始しました。
消音機が入っているものでも対応可能。
~マフラーの再メッキをされたお客様の声~


お世話になります。先日依頼した再メッキした純正マフラーの取り付けが完了しました。30年前の純正マフラーの再メッキをして頂ける業者がいない中再メッキして頂き有難うございました。出来あがりも申し分ない仕上がりでとても満足しています。
又機会がありましたらお願いします。 山口県 M様
CB400F

再メッキ後(車種・・・CB400F)

再メッキ前(車種・・・CB400F)
※マフラー&液パイにつきましては再メッキ後(再生品の為) ピンホールが原因(ガスが発生)で熱が加わった時点(エンジンをかけた)で膨れる可能性があります。
この場合は過去に何度も再再メッキしたことがありますが、同じ箇所が膨れました。よってメッキ不良ではなく、再メッキ品のためピンホールが原因だといことがわかっております。
ですので、御社にお渡しする時はもちろんメッキ膨れがない状態でお渡しいたしますが、その後膨れは一切ノークレームになります。
ウルフ125t
ウルフ125tマフラーを再メッキいたしました
再メッキ後
再メッキ前
カワサキ750RS(Z2)
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再メッキ前 | 再メッキ後 |
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板金前の凹み | 板金後→再メッキ |
メッキ手入れ
クロムメッキパーツの多いバイクメッキの手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。
クロムメッキには最大の弱点が!?
クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。
ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれてしまいます。
初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。
穴を埋める事で、クロムメッキの耐食性が飛躍的に上がます。
クロムメッキ磨き剤「ミガキング」
クロムメッキ保護剤「メッキング」
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メッキ加工の事ならNAKARAI
メッキング&サビトリキングを購入する
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