アルミを加工したアルマイト加工のメッキモールは高級車の多くに使用されています。
このメッキモールはメンテナンスをせず長く綺麗に保つことは一般的に困難です。
しかし正しくメンテナンスすることで綺麗な状態を保つことができます。
メッキモールをいつまでも輝かせ綺麗な状態を維持する為に、性質を正しく理解してメンテナンスをしていきましょう。
目次
欧州車と国産車の違い
日本車のモールは綺麗な状態の車が多いのに、欧州車のモールはくすんでいるものが多いと感じている方は少なくありません。
これにはまずモールに使われる素材に違いを把握しておく必要があります。
それに伴うメッキに関しても全く違うものとなります。
大きくは素材とメッキ加工方法には下記の2種類があります。
アルマイトメッキ加工(アルミニウム) | クロムメッキ加工(ABS樹脂) |
高級車の多くは一般的にアルミニウムを使用したアルマイトメッキ加工が主流です。
モールがくすんでいるものが多いのは、このアルマイト加工されたものがほとんどです。
アルミニウムは加工がしやすい側面だけでなくリサイクル率が高く環境意識の高さに繋がる、ブランドのイメージアップの側面が大きいと言えます。
アルマイト加工は汚れ(錆)が付きやすい?
アルミニウムは乾燥している空気中では、表面に酸化アルミニウムの薄い膜を形成し、これによってアルミを錆びにくいものにしています。
アルマイト加工は人工的にこの皮膜を厚くし防錆効果を高めます。
しかし湿度のある大気中に放置していたり水がかかると、この酸化アルミニウムが水和酸化物に変化します。
この生成物が白色をしていて白錆と言われています。
また白錆以外にも水垢によって白い染みが発生する場合があります。
水垢は雨水に含まれるホコリやチリ及びカルシウムなどの不純物が、蒸発して固まることによって頑固な汚れとなり、同時に腐食を誘発する原因となります。
一方、ABS樹脂へのクロムメッキは、まず無電解ニッケルメッキ後、銅、ニッケル、クロムの3層の電気メッキの施工という工程となります。
クロムメッキ皮膜は内部に立体的な網目構造のマイクロクラックを有しており、このマイクロクラックはメッキ表面から素材界面まで貫通しているといわれています。
このクロムメッキの表面から水分が侵入しクロムメッキと素材(ニッケル)の境界まで到達して、その水分で素材(ニッケル)が腐食することにより点錆が発生します。
メッキ層の下のニッケルが錆びるため表面に症状が現れにくく、言い換えれば、アルマイト加工よりも汚れが付きにくい(錆びにくい)と言えます。
アルマイトメッキモールの正しい磨き方
アルマイト加工のメッキモールの汚れについてその原因を見てきました。
では腐食を防ぐため、メッキモールを綺麗に保つためにそのようなメンテナンスが必要なのでしょうか?
メッキモールは洗車時にボディーと一緒に磨けば綺麗になるものでもありません。
メッキモールはボディーとは別な方法で磨いてこそ効果が出てきます。
正しい磨き方をしないと、メッキモールを傷つけてしまい、この傷が腐食(錆)の原因になってしまいます。
愛車を綺麗に保つためにも、正しい方法を知ることが大切です。
まずは洗剤で洗車し汚れを落とす
メッキモール磨きの下準備として、まずは洗剤による洗車を行います。
メッキモール磨きの主な目的は白サビの除去ですが、その前に洗車で付着した汚れを落とします。
この時注意しておきたいのが、水でしっかりとすすぎ洗剤が残らないようにする事と、水分が残らないよう拭き上げる事です。
通常の水道水にはミネラル成分が含まれています。
これが水垢の原因になりますのでメッキモールに限らずしっかりと拭き上げましょう。
メッキモール磨きは専用の磨き剤を使う
しっかりと拭き上げ水分を取り除いたらメッキモール磨きます。
この際には必ず専用の磨き剤を使いましょう。
カー用品店やホームセンターなどではメッキモール専用の磨き剤が販売されています。
簡単に言うと非常に粒子の細かい研磨剤です。
これを使いメッキモールの表面を研磨して錆や水垢を落とします。
柔らかいスポンジなどに磨き剤を適量とり、メッキモールを磨いていきます。
養生はしっかりと
磨き剤を使ってメッキモール磨きを行う場合、必ずマスキングをして余分な部分を磨いて傷をつけないよう、車体を保護しましょう。
力加減には十分注意
アルマイト加工に限らずメッキ加工は非常に皮膜が薄く、強く磨くと皮膜を剥がしてしまう恐れもあります。
傷をつけたり皮膜を剥がさないよう、力加減には十分な注意が必要です。
根気のいる作業ですが、時間をかけて優しく磨くことを心掛けましょう。
磨いても綺麗にならない場合は?
表面部分にある軽度の錆であれば磨き剤を使って、綺麗に仕上げることが可能ですが、錆が深く浸食している場合、錆が落ちないことも珍しくありません。
この場合はどうすれば良いのでしょう?
錆が酷い場合、ポリッシャー等で錆を取り除くことは可能です。
しかしDIYで行うには十分な知識に加え、より繊細な力加減の調整が必要なことから一般的にはほぼ不可能です。
新品に交換するか専門業者に依頼し研磨してもらうことになります。
メッキモールはデリケートで扱い方が難しいものです。
自分で対応できるのはあくまでも初期の軽度な錆のみだと認識しておきましょう。
専門業者に依頼し研磨できる状態であれば費用も抑えることが出来ますが、新品へ交換となると思ったより費用が掛かります。
綺麗にしたメッキモールはしっかりとしたメンテナンスをしましょう。
メッキモールは、日本では腐食が発生しやすい環境です。
磨いたり新品交換して綺麗にした後もメンテナンスを怠るとまたすぐに汚れが目立つようになり、錆が発生してしまいます。
こまめに水気を取り、汚れたら適宜磨きを行うことで輝きを長く保つことが出来ます。
しかし常にそのような状態に保つことは困難です。
その為、錆にくくなるよう対処することが必要となります。
メッキモールを保護する方法
メッキモールを錆から守るための究極の方法は水分か酸素どちらかに触れないようにすることです。
物理的に水分に触れにくくする方法として一般的なものは2種類です。
★モール用フィルムを貼る
★コーティング施工する
モール用フィルムを貼る。
メッキモールにフィルムを貼ることで、錆や汚れの原因物質を物理的に遮断します。
透明なフィルムであれば純正の質感を保つことが出来るほか、違う色を選ぶことにより人とは少し違った車に仕上げることも可能です。
コーティングを施工する
綺麗にしたメッキモールをコーティングすることで、錆の原因である水分の侵入などを防ぎます。
メッキモール磨きの後、コーティングすることにより手軽なメンテナンスで綺麗な状態を保つことが可能となります。
多くのコーティング剤が市販されており、フィルム施工のように業者に依頼する必要もないので、費用や手軽さを考えれば理想的な方法と言えます。
コーティング剤の選び方
市販されているコーティング剤は3つが代表的です。
★ワックス
★ポリマーコート
★ガラスコート
身近なものとしては、ワックスということになります。
この場合もメッキ専用のワックスを使うようにしましょう。
近年では研磨剤の入っていない(ノーコンパウンド)ワックスも珍しくなくなりました。
しかし一般的なワックスは研磨剤が使われているものが多く、研磨剤によってメッキモールに傷が付いてしまい錆の原因になってしまうこともあります。
専用のものを選ぶようにしましょう
またポリマーコートやガラスコートは下地処理などワックスよりもひと手間必要ですが、保護能力が高く手軽であるという点ではおすすめのコーティング剤です。
特にガラスコートは、高い耐久性を持ち効果も長く続きます。一般的には、一度コーティングすると2年から3年は持つと言われています。
メッキモール磨きをした後、費用や施工の難易度を考慮すると、ガラスコートコーティングがおすすめです。
アルマイト加工のメッキモールは汚れが目立ちやすいため、綺麗に保つにはしっかりとしたメンテナンスが必要です。
メンテナンスをしっかりとやり、綺麗なメッキモールにしておくことは大切なことです。
重度の錆(腐食)は専門業者に依頼若しくは交換ということとなります。
綺麗にしたメッキモールは、早期の錆や水垢の発見につながり、DIYで綺麗にすることが可能です。
このサイクルを維持していくようにしましょう。
ベンツメッキモールが日本の気候にはあわない!?
メルセデスメッキモールに白い腐食が発生する前に、メッキ保護剤「メッキング」が絶対的にお勧め!
メッキ磨きなら「ミガキング」
ミガキングは、鏡面クロムメッキ磨き剤です。
ベンツのアルマイトモールには、それほど絶大な効果は発揮いたしません。
(初期の腐食の軽めくらいのものであればミガキングでもとれますが、アルマイトモールの腐食は基本ペーパーでガリガリ削らないととれないです。)
メッキ加工の事ならNAKARAI
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