メッキ保護剤を選ぶ時の注意すべきポイント

愛車のお手入れ項目のひとつにメッキ磨きがありますが、輝きを維持するためには磨くだけでは実際には足りません。
メッキは薄い被膜になっているので磨いて綺麗にした後で、メッキ保護剤を使っていく必要があります。
保護剤を使うことによって皮膜を守ることができ、メッキの輝きをより長く保てるのです。
しかしメッキ保護剤といっても様々な種類の製品が販売されています。
どのように選べばいいのか?メッキ保護剤を選ぶ時に注意したいポイントを紹介していきます。

あくまでもメッキの保護をするだけの前提?

メッキ保護剤の役割は、メッキ被膜の上に保護膜を作ることです。
そのため保護剤を使う前に、メッキ部分をきれいにすることが前提になります。

  • メッキにくすみや汚れがある
  • メッキに錆がついている

このようなケースではそれぞれに対応した専用のクリーナーを使ってください。
メッキ保護剤には、これらの汚れをとったり錆を落とすような効果はありません。
特に錆落としについては専用のクリーナーを使いましょう。
研磨剤を使っての錆落としもあるのですが、こちらはメッキ被膜に傷をつける恐れがあるのでおすすめできません。
研磨剤を含まないタイプの錆落としを使うといいです。
汚れや錆を落とさないままメッキ保護剤を使ってしまうと、その上に新しく保護膜を作ることになります。
この状態はメッキ被膜にとってもよくありません。
だからこそメッキ保護剤を使う前に、磨きやつや出し用のクリーナーなどを使って綺麗な状態にしておくのです。
きれいな状態のメッキに保護剤を使えば、より長くメッキの輝きを保つことができます。
メッキ保護剤だけですべてをカバーできるわけではないので、他の専用クリーナーも使っていかなれば本格的な保護はできません。
それではメッキ保護剤について確認していきます。
メッキ保護剤にも種類があるので、それぞれの特徴や注意点を確認していきましょう。

ワックス系のメッキ保護剤はあまりおすすめできない

メッキ保護剤には大きく分類すると以下の種類があります。

  • ワックス系
  • ポリマー系
  • ガラスコート系

この中で注意が必要なのがワックス系のメッキ保護剤です。
ワックス系の特徴を以下にまとめます。

  • 安価である
  • 使いやすい
  • メッキ保護剤の原理的にこまめな手入れがかかせない
  • 研磨剤が含まれていることが多い

ワックス系のメッキ保護剤は安価で販売されていることが多く、使いやすいというメリットがあります。
ワックス系は油脂が主成分となり、メッキ皮膜の上に塗布することで先に油脂が酸化して保護する仕組みです。
ただしこの効果を持続させるためには、こまめに手入れをしなくてはいけません。
一度メッキ保護剤を塗布したからと放置していると、油脂の汚れや錆がメッキ部分に付着するリスクがあります。
結果としてメッキを錆びさせたりするのです。
またワックス系のメッキ保護剤には、研磨剤が含まれることが多いです。
この研磨剤によって、メッキ被膜が傷つけられるかもしれません。
そもそもメッキの被膜は非常に薄く、デリケートなものです。
研磨剤を使うことで耐久性が落ちてしまうリスクが否めません。
価格が安価であり使いやすいというメリットはあるのですが、ワックス系のメッキ保護剤はデメリット部分も少なくないのです。
そのためメッキ保護剤を選ぶとしても、ワックス系はおすすめできません。
良い状態のメッキを長く保ちたいのなら、ポリマー系かガラスコート系から選ぶといいでしょう。

ポリマー系のメッキ保護剤は中間的な存在なのが魅力

メッキ保護剤にはポリマー系と呼ばれるものがあります。
樹脂系のコーティング成分が含まれたもので、成分的には単一の分子が並んでいるといった構造です。
その特徴としては以下のようなものがあります。

  • ワックス系よりも販売価格は高めである
  • 効果的にもワックス系よりも強固である
  • 価格と効果のバランスが良い

ポリマー系のメッキ保護剤は、ワックス系とガラスコート系の中間的な存在です。
価格的にも中間的ですし、その効果についても中間程度になります。
ガラスコート系に手を出したいけれど、価格的に厳しいという人はポリマー系を選ぶといいでしょう。
性能と価格のバランスが良いので、初めてメッキ保護剤を選ぶ人にも使いやすいです。
ただワックス系と比較すると性能は高いのですが、ガラスコート系と比較すると不満をもたれることも少なくありません。
よくポリマー系はメッキの上にプラスチックの膜を作るようなイメージとされます。
他方でガラスコート系はガラスになるため、透明度が違ってくるのです。
つまり多少はメッキ自体の輝きなどを損なってしまう面が否めません。
また耐久度という点で見ても、ガラスコート系の方が硬いことから劣ってしまいます。
その点をどう考えるかでポリマー系メッキ保護剤の価値が変わるはずです。
ワックス系よりも上と見るか、ガラスコート系よりも下と見るかです。
しかし価格的な面なども考慮すると、手を出しやすいのがポリマー系メッキ保護剤の魅力だと言えます。

本格的なメッキ保護剤を求めるのならガラスコート系がおすすめ

メッキ保護剤における3つの分類の最後がガラスコート系です。
メッキ被膜の上にガラスのような膜を張るイメージになります。
特徴的をまとめておきましょう。

  • メッキ保護膜として高性能である
  • 販売価格が最も高額である
  • 透明度が高くメッキの光沢が損なわれない

メッキ保護剤としての原理はポリマー系と同じで、被膜の上に薄い保護膜を作るイメージになります。
ポリマー系との違いは単一ではなく、復数の分子が保護膜を作ることです。
先述したようにポリマー系がプラスチックであれば、ガラスコート系はガラスの膜を作ると考えてください。
ポリマー系よりも耐久性が高く、腐食などにも強いのが魅力です。
また保護膜の透明度が高いこともあり、メッキの光沢を損なわないというのも大きな魅力でしょう。
反面で販売価格が高額であるのが大きな注意点です。

  • より高性能なメッキ保護剤がほしい
  • 予算が潤沢にある

このケースではガラスコート系のメッキ保護剤がおすすめになります。
単純に価格以上の効果を期待できるためです。
他の2つのメッキ保護剤よりも効果が持続するのもポイントでしょう。
一度手入れをしっかりと行えば、保護剤にもよりますが数カ月はそのままで大丈夫です。
手入れの回数を少なくできますので、一度購入すると長持ちするというのもガラスコート系の魅力になります。

樹脂メッキの保護剤選びはどうすればいいのか?

メッキには金属メッキと樹脂メッキの2つがあります。
メッキを施す素材の違いで分類されているのですが、大雑把に言えば金属ではなくプラスチックのようなものにメッキ処理をしたパーツです。
金属メッキよりも素材が柔らかいことから皮膜そのものも薄く、非常にデリケートなものとなっています。

  • フロントグリル
  • ドアノブ

自動車では以上のような場所に使われることが多いです。
この樹脂メッキの保護剤選びについても確認しておきます。
基本的にデリケートなパーツなので、金属メッキよりも扱いを丁寧にする必要があり、研磨剤が入っているタイプは避けるべきです。
つまりワックス系のメッキ保護剤は使わない方がいいでしょう。
またポリマー系やガラスコート系のメッキ保護剤にしても、樹脂メッキに利用できるタイプを選ぶことが重要です。
前段でお伝えしたように、メッキ保護剤だけでは足りないのも樹脂メッキも同じになります。
そこで普段の手入れのポイントをまとめておきます。

  • 洗車をこまめにするのが重要
  • 洗車時に柔らかいスポンジを使って軽くなでるように拭く
  • くすみや汚れがでた場合は、樹脂メッキ専用のクリーナーを使う
  • 最後の仕上げとして樹脂メッキ対応の保護剤を使う

樹脂メッキは被膜も薄く傷がつきやすいので、なるべく洗車をこまめにして汚れを落とすようにするといいでしょう。
その時に柔らかいスポンジなどを使って、決して力をこめてふかないのがコツです。
樹脂メッキを磨きたい場合は専用のクリーナーを使いましょう。
その仕上げに対応できるメッキ保護剤を使うことで輝きを保てます。

メッキ保護剤を選ぶ時のポイントを紹介しました。
前提として覚えておきたいのは、保護剤に汚れ落としや錆落としの効果は期待できないことです。
メッキ保護剤を使えばいいのではなく、先にメッキをきれいな状態にしてから保護剤を使っていくイメージになります。
メッキ保護剤にはワックス系・ポリマー系・ガラスコート系の3つの種類があり、それぞれに特徴を持っているので、何を求めるのかで購入する商品を選択してください。
ガラスコート系を選んでおけば間違いありませんが販売価格が高額です。
そのためこだわらないのならポリマー系でも十分でしょう。