メッキのつや出しを上手に出すための磨き方とお手入れ

自動車やバイクにはメッキパーツという部品が存在します。
このメッキパーツですが、くすみや汚れなど劣化がどうしても出てしまうものです。
本来の美しさを保つためには「つや出し作業」が必要になります。
ただメッキのつや出しは、どう行えばいいのかわからない人も多いでしょう。
そこでメッキのつや出しを上手に出すための磨き方とお手入れの方法を紹介していきます。

メッキ磨きのコツにはどんなものがある?

メッキ磨きによるつや出しするにはコツがあります。
単純に拭いただけで綺麗にはなりません。
また家にある適当な布などを使ってしまうと、逆にメッキ部分に傷がついてしまってつや出しとは逆効果になってしまいます。
そのため事前に柔らかい布を用意しておくか、専用クリーナーに付属しているクロスを使うようにしてください。
クロームメッキは0.02ミクロン〜0.2ミクロンという薄さしかありません。
そのため優しく磨くというのがコツになります。
力を入れて磨いてしまうと、先述したように傷がつくリスクがあります。
特に多いミスがメッキのフロントグリルの手入れです。
様々な汚れが付着しやすいことから、洗車ブラシなどを使ってゴシゴシと洗ってしまうケースが目立ちます。
しかしメッキのフロントグリルでそれを行なってしまうと、特有のつやが失われてしまうのです。
そのためこまめに汚れを落とすようにしておいて、洗車をするとしてもブラシではなく柔らかいスポンジで優しくなでるように吹いてください。
汚れを落とす時には洗車用のシャンプーなどを使うと効果的ですが、洗剤が残らないようにしっかりと洗い流します。
洗剤の成分が残ってしまうとメッキのくすみなどの原因になるためです。

メッキ磨きをする時の手順を覚えておこう

次にメッキのつや出しをする時の手順を紹介しておきます。

  • 1 メッキに付着した汚れを拭き取る
  • 2 メッキ専用クリーナーを仕様どおりに使う
  • 3 クリーナーを均等に伸ばしていく
  • 4 虹ムラが出たら残さないように優しく伸ばしていく
  • 5 一旦置いて、再度虹ムラがないか確認する
  • 6 確認が終われば乾いた布で乾拭きする

以上が大まかな手順です。
最初にメッキに付着した汚れを拭き取ることが重要です。
いきなり専用のクリーナーを使わないでください。
目に見えなくても汚れは付着していますので、必ず最初に汚れを拭き取ってから専用クリーナーを使います。
メッキの表面が鏡のようになると虹色のムラが出やすくなるので、全体的に優しく伸ばしてください。
ここまでで一旦終了して、虹ムラが出ていないか確認してみましょう。
しっかりとムラがないようにクリーナーを伸ばせていたら、乾いた布で乾拭きします。
クリーナーにもよるのですが、一連の作業は5分〜10分程度で終わらせるようにしてください。
保護剤は成分が固着するまで時間がかかるものもあるので、水に濡れないように安置します。
手順の説明などはクリーナーにも記載されているはずですので、しっかりと確認してから行うようにしましょう。

メッキ磨きには専用のクリーナーが必要

メッキをつや出しする時に必要となるのが専用のクリーナーです。
自動車やバイクにはクロームメッキが多く使われています。
このクロームメッキは以下のような構造です。

  • クロームメッキ
  • ニッケルメッキ
  • 銅メッキ
  • 素材

という順番になっているため、一般的な車の手入れに使われる研磨剤入のワックスを使うと表面のクロームメッキに傷が入ります。
或いはメッキそのものが剥がれてしまうリスクもあるため専用のクリーナーが必要になるのです。
次に研磨剤が入っていないワックスもおすすめできません。
ワックスの油分がメッキよりも先に錆びるので保護をする役割はあります。
しかしこまめに手入れをしないと、錆びた油分がメッキのつやを曇らせることになるのです。
つまり手間が非常にかかってしまいます。
このようにメッキのつや出しを効率的に行なうには、専用のクリーナーを使うのが最適だと言えるでしょう。
ではメッキのつや出しができる専用クリーナーを選ぶ際に、どんな成分が有効なのかを見ていきます。
どんな成分が含まれているかで用途が違ってきますので確認してください。

研磨成分について

メッキ磨きでつや出しをするためのクリーナーには、研磨剤が含まれているケースがあります。
ただ研磨剤については十分に注意をしなくてはいけません。
なぜなら粒子の荒いものを使ってしまうと、逆にメッキの被膜を傷つけたり、剥がしてしまうからです。
そのため研磨剤が含まれる専用のクリーナーでも、微粒子タイプであるかを確認してください。

  • 粒子が小さくなっているためメッキの被膜を傷つけにくい
  • しっかりと汚れを落とせる

などのような特徴を持っているからです。
また専用クリーナーの中には、研磨剤が含まれないタイプもあります。
こちらの特徴としては以下の通りです。

  • 研磨剤がないのでメッキの皮膜を傷つけない
  • 何度磨いてもメッキの被膜が薄くなるリスクが低い

研磨剤が含まれないので、メッキの被膜を傷つけません。
そのためつや出しにも効果的であると言えるでしょう。
またメッキ皮膜を傷つけないので、何度つや出しのお手入れをしても薄くなっていくリスクを低くできます。
どちらを選んでも良いのですが、研磨剤が微粒子であるのかは確認してください。
ただ安心してメッキのつや出しをしたい場合は、研磨剤が含まれていないタイプのクリーナーがおすすめです。

錆取り成分を知ろう

メッキにつく汚れの中でも錆取りに向いたクリーナーがあります。
それは錆取り成分が配合されているものです。

  • 磨き成分と一緒になっているもの
  • 錆取りに特化したもの

この錆取り剤が含まれる製品としては以上のようなタイプがあります。
磨き成分と一緒に配合されていると言う場合、研磨剤も含まれることが多いです。
そのため研磨剤によるメッキへの影響があるかもしれません。
ただし磨きの成分と錆取り成分が一緒になっているため、手間がかからずに使い勝手が良いという一面があります。
他方で錆取りに特化したクリーナーもあるのです。
こちらは磨き成分は含まれておらず、メッキに付着している錆のみを落とすことに特化しています。
そのためメッキのつや出しをしたい場合、磨き成分が含まれている別のクリーナーを用意しなくてはいけません。
ただ錆取りに特化しているため、メッキには影響がありません。
手間がかかっても安全に錆取りをしたい、しっかりつや出しをしたいという人におすすめのタイプだと言えるでしょう。
どちらのタイプでも多少の錆取りなら問題なく利用できますが、初めてのメッキ磨きという人にはより安全に利用できる錆取り特化の方がおすすめです。

メッキ保護成分はどんなものか

メッキ専門のクリーナーには保護成分が含まれるものもあります。
メッキは素材の上に層を重ねるようにして行っていくもので、自動車やバイクのクロームメッキはその厚みが0.002ミクロン〜0.02ミクロンほどの厚みしかありません。
そのためメッキのつや出しをするのに磨いていると、少しずつ薄くなってしまうリスクがあるのです。
特に研磨剤が配合されているタイプだと、そのリスクが高まります。
このメッキの被膜を薄くならないようにするのがメッキ保護成分です。
保護成分が配合されたクリーナーを使うことで、メッキに汚れや錆がつきにくくできるというメリットもあります。

  • ワックス系の保護成分
  • ポリマー系の保護成分
  • ガラスコート系の保護成分

メッキ保護成分としては主にこの3つのタイプがあります。
ワックス系の保護成分は主成分が油脂で、メッキ部分が錆びる前に油脂が腐食するという効果があるものです。
次にポリマー系の保護成分とガラスコート系は似ているのですが、前者がプラスチックのようなイメージで、後者はガラスのイメージになります。
より透明度が高く、耐久性などもあるのがガラスコート系の保護成分です。
ワックス系が最も安価で、ガラスコート系は価格が高めになっています。
ポリマー系は中間的な存在です。

メッキのつや出しを上手にするための方法とお手入れについての情報でした。
基本的にメッキは傷つきやすいものなので、磨く時は柔らかい布を使って、撫でるようにしてください。
力を入れてゴシゴシと擦ってしまうと、最悪はメッキが剥がれてしまう可能性もあるからです。
メッキのつや出しをするには、専用のクリーナーを使うのが効果的です。
専用のクリーナーを使うことで、様々なメッキの汚れに対して対応できます。
また保護成分の入ったクリーナーを使うことで、つや出ししたメッキを長持ちさせられるのもポイントです。
また錆や汚れが酷い時には、つや出しをする前にしっかりと汚れを落とすことも重要になります。