【エストレヤの『これで良いんだよ感』】
250ccクラスのストリートバイクの中でも不動の人気を誇るカワサキ『エストレヤ 』。同じくカワサキの250TRの姉妹車であり、スマートな車体とオールドルックな外観が女性や若いライダーに好まれ、カスタムベースとしても定評のあるバイクです。
もちろん空冷単気筒エンジンでしかも一見して華奢な車体は、ゴリゴリのオフローダーでも無ければカリカリのハイスピードマシンでは無いのは一目瞭然です。エストレヤはあくまでトコトコと畦道とか、細い路地をスラスラと駆けていくのが丁度良いオンロードバイクです。
人によってはちょっと物足りない感じは否めないかと思いますが、それこそちょっとした買い物とか通勤通学でも気兼ねなく使える気さくバイクと割り切れば長く付き合える『良い相棒』では無いでしょうか。
私もクラシカルなストリートバイクが好きで、何台か乗り継いできましたがやはり毎回エストレヤは候補に上がっていました。私に限らず結構同じ様な感じの人は多いのでは無いでしょうか。特に私の中ではエストレヤは女性に人気が高いイメージで、やはりそのクラシカルで愛嬌のある外観と乗りやすさ、維持のしやすさが人気の秘密だと思います。
エストレヤの誕生は1992年5月。エンジンはエストレヤ開発に当たって新設計された空冷単気筒250ccエンジンが搭載され、発売当時としてはどの様な乗り味なのか注目された一台でした。外観においてもメグロを彷彿とさせるジャパニーズレトロクラシックでありながら、イギリスの老舗オートバイブランドであるBSAにも見えるものでした。
まるで遥か昔からタイムスリップしてきたかの様なエストレヤは発売当初から人気を博し、2017年のファイナルエディションまで数多くのライダーを魅了し続け、25年という歴史に惜しまれつつも幕を下ろしました。その販売期間において、ほぼ外観は大きく変わらず如何にエストレヤの外観が多くのライダーに愛されていたかが分かります。
今回ご紹介するのはそんなカワサキが誇る名車の始祖である『初代エストレヤ』です。その魅力をたっぷりと語っていきたいと思います。
目次
【初代エストレヤの主な仕様】
車名である『エストレヤ(ESTRELLA)』はスペイン語で『星』を意味します。よく『エストレヤ』か『エストレア』で迷う人もいるかと思いますが(スペル的にはエストレアっぽい)正しくは『エストレヤ』だそうです。
懐古的なデザインとシンプルにバイクを楽しむというコンセプトが見事に当時の若者にマッチしたことで、まさに星の様な輝かしい存在となっていたに違い無いでしょう。初代エストレヤの仕様はこの様になっております。
〈エンジン〉
・型式:BJ250AE
・種類:単気筒4ストロークOHCエンジン
・冷却方式:空冷
・総排気量:249cc
・燃料供給方式:キャブレター
・内径(シリンダーボア):66mm
・行程(ピストンストローク):73mm
・最高出力/回転数:20ps / 7500rpm
・最大トルク/回転数:2.1kgf•m / 6000rpm
・始動方式:セルフスターター式
・潤滑方式:ウェットサンプ式
・変速機形式:リターン5段変速
・使用燃料:レギュラーガソリン
〈寸法〉
・全長:2075mm
・全幅:765mm
・全高:1035mm
・ホイールベース:1400mm
・最低地上高:770mm
・乾燥重量:142kg
・車両重量:153kg
・乗車定員:2名
・燃料タンク容量:14L
・タイヤサイズ(前):90/90−18
・タイヤサイズ(後):110/90−17
〈構造〉
・フレーム型式:セミダブルクレードル
・懸架方式(前):テレスコピックフォーク(正立)
・懸架方式(後):スイングアーム式
・ブレーキ(前):油圧式ディスク
・ブレーキ(後):機械式リーディングトレーディング
・動力伝達方式:チェーン
当時、エストレヤ専用に設計された空冷単気筒エンジンは最高出力20ps/7500rpm、最大トルクは2.1kgf•m/6000rpmとかなり控えめな仕様となっています。もちろんその控えめな性格がエストレヤの愛されポイントでもあります。
エンジン造形もかなりクラシカルで、ツルンとしたクランクケースにシンプルな形状の腰上部分の組み合わせは英国旧車を彷彿とさせます。そこから伸びたエキパイも無駄な装飾は無く潔い感じです。サイレンサーはこれまたクラシカルなキャブトンタイプで、まさに爪先まで拘った様な印象を受けます。
個人的にはキックスターターがあればもっと人気が出た様に感じるのですが、私だけでしょうか・・・コスト面や機能性を考慮して無くても良いかも知れませんが、やはりキックスターターは欲しいですね。
タンク容量は14リットルと意外にも多めで、ロングツーリングでも重宝するビッグタンクとなっています。一応250TRとは姉妹車なのですが、250TRにエストレヤのタンクってつくのでしょうか?250TRはかなり小ぶりなタンクなので、もし無加工でぽん付けできれば良いですね。
【クラシカルな外観】
冒頭からかなり言っていましたが、エストレヤの最大の魅力はやはりこのクラシカルな外観です。まさに旧車の様なその見た目はカワサキ・メグロ、BSA・ゴールドスターを思い出させる懐古的なデザインです。
タンクは曲線の美しいティアドロップ型のタンクで、お洒落なツートーンデザインが目を引きます。タンクのサイド部分には『ESTRELLA』の文字と星形のエンブレムが施されています。
メーターはシンプルにアナログのスピードメーターがひとつのみ、ここにもエストレヤらしい『これで良いんだよ感』を存分に得られる事が出来ます。回転数に囚われずフィーリングのみで乗って欲しいという願いの現れでしょうか。多分ただのコスト対策かも知れませんが。
サイドカバーはまるでオイルタンクの様なプクッと膨らんだ形状をしており、そのサイドカバーにそう様なアール形状のフレームもまたエストレヤだけの特徴です。この形状は最終型目で踏襲され続けた言わばエストレヤのアイデンティティとも言えます。
フロントフェンダーもサイクルフェンダーを採用するという抜かりなさ。リアフェンダーにおいてもメッキのグラブバーが装着されるなど、見た目にも拘りを感じます。
【自転車のサドルの様なソロシートがご愛敬】
エストレヤにそこそこ詳しい方なら分かるかと思いますが、初代エストレヤのシートはまるで自転車のシートの様なソロシートが装着されています。自転車の様なと言ってもそれなりに厚みと幅はあるので、流石にスパルタンな乗り心地はなさそうです。それこそ旧車スタイルのレトロチックなイメージのシートとなっています。
一応乗車定員は2名なのでタンデムシートが設けてありますが、リアフェンダーにチョンと載せただけの様なカステラみたいなピニオンシートが鎮座しています。一応脱着可能な様で、シートの代わりにキャリアを装着しているのも(オプション?)見るので、好みに合わせてスタイルチェンジが可能です。
この個性的で特徴のあるシートもエストレヤの魅力のひとつで、このシートのエストレヤが欲しいと言うファンも結構いる様です。確かに国産メーカーどれを探してもこの様な仕様のバイクはエストレヤだけの様に感じます。この切り離されたシートのスタイルから、『セパレートシート』とも呼ばれており、後にダブルシートに淘汰される事となりましたが2000年ごろにはエストレヤカスタムとしてこのセパレートシートが採用されていました。
【カスタムベースとしては人気車】
どちらかと言えばのんびり屋なエストレヤですが、カスタムベースとしてもかなり人気が高く、様々なカスタムスタイルが似合うバイクでもあります。
シングルシートにセパハン、パイプワークライトステーに変えてやれば硬派なロッカーズカフェレーサースタイルになったり、フリスコやボバーといったワイルドなチョッパースタイルなど、エストレヤをベースとしたカスタムバイクは数多く存在します。
もちろんそのクラシカルな外観を活かしてディープフェンダーを装着してよりクラシックなクルーザースタイルにカスタムしたりしているものもあるので、オーナーの好みに上手く変身できるという、エストレヤにしかない器用な一面も人気の理由でしょう。
【初代エストレヤ の中古相場は?】
初代エストレヤの現在の中古相場はおよそ40万円前後と意外にも高価な感じがします。やはり初代という事とセパレート仕様のレアさが関係しているのでしょうか。
数年前までは多かった球数もかなり減ってきている様に感じます。気になる方はこまめにチェックしてみると良いかも知れません。
ちなみにファイナルエディションはなんと100万超えをしている様で、発売時の定価であるおよそ57万6000円から考えるとかなりの高騰を見せています。やはりこの価格の上がり方こそ人気者の証でしょう。今後も価格の上昇は続くかも知れませんね。生産終了の影響とは大きいものですね。
【今だからこそ魅力が増して見えるエストレヤ】
如何でしたでしょうか。今更エストレヤのしかも初代を語るなんて遅すぎるなんて思われるかも知れませんが、もはや名車の仲間入りを果たした今、語るに遅いも早いも無いでしょう。
ストリートバイクブームを支えた立役者としてエストレヤは大きな功績を残した一台と言えるバイクです。生産終了した今でも一定の人気はある様で、巷でも未だにチラホラ見るほどです。流石にセパレートシートの初代はなかなか見なくなりましたが、もち街中で見かけた時はきっと良い事があると思います。
忙しない今の世の中で、エストレヤの様なのんびり屋なバイクは人の気持ちを穏やかにしてくれる魅力的な存在の様にも感じます。
以上カワサキ『初代エストレヤ』のご紹介でした。
愛車はどのKING?
レストアに欠かせない再メッキできます
バイクマフラーの再メッキ実験的に受付開始
お問い合わせが多かった、バイクマフラーの再メッキですが、
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~マフラーの再メッキをされたお客様の声~


お世話になります。先日依頼した再メッキした純正マフラーの取り付けが完了しました。30年前の純正マフラーの再メッキをして頂ける業者がいない中再メッキして頂き有難うございました。出来あがりも申し分ない仕上がりでとても満足しています。
又機会がありましたらお願いします。 山口県 M様
CB400F

再メッキ後(車種・・・CB400F)

再メッキ前(車種・・・CB400F)
※マフラー&液パイにつきましては再メッキ後(再生品の為) ピンホールが原因(ガスが発生)で熱が加わった時点(エンジンをかけた)で膨れる可能性があります。
この場合は過去に何度も再再メッキしたことがありますが、同じ箇所が膨れました。よってメッキ不良ではなく、再メッキ品のためピンホールが原因だといことがわかっております。
ですので、御社にお渡しする時はもちろんメッキ膨れがない状態でお渡しいたしますが、その後膨れは一切ノークレームになります。
ウルフ125t
ウルフ125tマフラーを再メッキいたしました
再メッキ後
再メッキ前
カワサキ750RS(Z2)
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再メッキ前 | 再メッキ後 |
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板金前の凹み | 板金後→再メッキ |
メッキ手入れ
クロムメッキパーツの多いバイクメッキの手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。
クロムメッキには最大の弱点が!?
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