ハコスカ
目次
【幼少期のハコスカの記憶】
旧車と言えばハコスカ、ケンメリ、鉄仮面・・・いの一番に出てくる名前はこのあたりではないでしょうか。これ全て歴代のスカイラインの愛称なんですが、もちろん他にもたくさん魅力的な旧車は存在します。
それこそ私の父は大の車好きだったので、趣味が高じてトヨタのディーラーに就職し『発売前のソアラを陸送した』なんて話は1万回ぐらい聞かされたものです。そんな父もやはり日産スカイラインシリーズのファンであり、トヨタのディーラー勤務でありながら、プライベートはR30スカイライン、通称『鉄仮面』を乗り回していたとか。
子供の頃から父の偏った『モビリティー教育』を受けたおかげか、私も少しずつではありますが『旧車脳』へと見事に成長し、冒頭の3車種の名前は物心ついた時には覚えていた様です。私が小学校へ就学する頃には、父の車への偏愛は落ち着きそれまで乗っていたであろうスポーツカーはファミリーカーへ変貌し、私はただただ乗った記憶も無いスカイラインへの漠然とした憧れだけが残っていました。
しかしある時、父の部屋へ入るとそこにあったのは、色褪せてくたびれた薄いアルバム。なんか昔のユニクロのロゴみたいなボンタン履いた(?)様な男女のイラストが表紙のアルバムだったと思います。何の気無しにめくっていると、一緒に見ていた父が「ハコスカも乗ってたんだぞ」と。写真には角ばった箱の様な無骨な車が一台だけ駐車場に停まっているのを無造作に撮ったものでした。
若干話を盛る父だったので、本当に所有していたかどうかは怪しいですが、初めて名前だけしか知らなかった『ハコスカ』の姿形を写真ごしで見て「ふーんこれがハコスカかー」と思ったのを覚えています。些細ではありますが、私のハコスカの記憶はこうやってインプットされ、30代になった今でも強烈に脳に焼き付いている名車のひとつでもあります。
【現代の20代の車事情は?】
そんな事を思い出しながら、ふと「今の20代はハコスカなんて知ってるのか?」と考える様になりました。私は様々な年代の方と関わる機会が多いのですが、基本的に私の周りにいる20代がよく乗っている車種はSUVやコンパクトカーです。
中にはR33スカイラインGT−Rに乗っているヤツもいますが、基本的にはシティユースな『イマドキ』な車に乗っている若者が多いです。
そんな20代の若者にもし突拍子もなく「ハコスカって知ってる?」と質問を投げかけたらどんな反応をするのか試してみました。この結果によっては『ハコスカは時代を越えて語り継がれている』事になります。街角アンケートみたいなかしこまった感じではなく、雑談の中でちょっと聞いてみる程度ですが。
ハコスカは魅力溢れる名車中の名車で、車好きにとっては概知の事実を今更語る事すらはばかられそうなのですが、少し違う切り口で語って見るのも面白いかなと思い記事にしてみました。車好きのちょっした遊びです。
【ハコスカの主な仕様】
ハコスカとは日産とプリンスが合併直後の1968年に発売したC−10型スカイラインのことで、まるで箱の様な形をしたボディから『ハコスカ』と称される様になりました。4ドアセダンタイプの他にエステート、バンタイプがありました。C10型が発売して間もなく2.0L直列6気筒SOHCのL20型エンジン搭載の『2000GT』と呼ばれるGC10型へマイナーチェンジしましたです。
その主な仕様はこの様になっています。
・L20型(直列6気筒SOHCエンジン)
・排気量1998cc
・全長4430mm
・全幅1595mm
・全高1390mm
・ホイールベース2640mm
・車両重量1090kg
・最高出力120ps/6000rpm
・最大トルク17kgf•m/4000rpm
エンジンは当初1.5Lでしたが、2.0Lにブラッシュアップされたことで最高出力と最大トルク共に向上しました。その後もキャブレターの改変などにより更にパワーアップしていき、GTXへと繋がります。
【高級セダンの様な外観】
『ハコスカ』はスカイラインとして当時から高級車の様な外観をしています。箱の様なキャビン部分は、そのソリッドな見た目から屈強な堅牢性さえ伺えますが、無骨なボディながらもリアから後輪にかけて一線、ドアの下部に一線、筆でなぞったかの様な繊細で美しいプレスラインは、真上から指す光によってその起伏部分にしなやかなコントラストを与えてくれます。
ヘッドライトはカッと見開いた4つ目ライトがフロントグリルとオーナメントのセクションに綺麗に収まっており、ボンネットの形状に合わせて少し眉を潜めた様な形状のマスクは、男前な顔つきをしています。次世代の『ケンメリ』では大体は受け継がれますが、少し優しい顔つきになります。
全体的にメッキパーツが多く、気品溢れる外観は大人の色気さえ感じます。
【ここから始まるGT−Rの伝説】
初代のGT−Rとなったのもこの『ハコスカ』です。1968年の東京モーターショーにおいてGC10型のボディに、レーシングカーエンジンをベースに開発した直列6気筒DOHCのS20型エンジンを搭載した、GTレーシング仕様のスカイラインが展示されました。この仕様をそのまま市販化し1969年に『初代GT−R』が世に送り出されました。
モーターショーでのコンセプトカーをそのまま市販化するなんて、現代ではあまり考えられませんが、こう言うのがまかり通る時代だった事にロマンを感じますね。
思考もぶっ飛んでますが、スペックもぶっ飛んでいます。4ドアのPGC10型に加え、2ドアハードトップのKPGC10型タイプがラインナップに登場し両者ともに最高出力160ps、最大トルクは18.0kgf•mとGC10型を大幅に上回り、車好きを唸らせる『バケモノ』と化したハコスカは日本GPを始めとした国内レースの首位を席巻しました。市販車の常識を越えた様なスペックは無用の長物の様に感じますが、『本物の速さを教えてやるよ』と言わんばかりの日産の思いは、現代掲げている『やっちゃえ日産』のコンセプトに通ずるモノがあるのでしょうか。
【20代に聞いてみた『ハコスカって知ってる?』】
では本題の『20代の若者へのハコスカ知名度』についてですが、私の周りは基本的に車好きバイク好きが多いのですが、関わる人の中には全く興味ない人も一定数います。コロナ禍なので人を集めてとかは出来ないので、会ったタイミングでちょっと話のネタついでに聞いてみたって感じですが、全員でトータル13人に聞くことが出来ました。
調査番号、年代(所有車)の内訳はこんな感じです。
1、20代前半(日産:R33/GT−R)
2、20代前半(トヨタ:FT86)
3、20代後半(スバル:インプレッサ)
4、20代後半(ホンダ:ビート)
5、20代前半(スバル:WRX)
6、20代後半(スズキ:ジムニー)
7、20代前半(ホンダ:クロスロード)
8、20代前半(ホンダ:フィット)
9、20代後半(ホンダ:S660)
10、20代後半(トヨタ:プリウス)
11、20代前半(トヨタ:プリウス)
12、20代後半(トヨタ:78プラド)
13、20代前半(無し)
上手く車種がバラけた様ですが若干『好きもの』が多い気がします。これは仕方ないですね。「知ってる知らない」だとちょっと味気ないので『ハコスカ熟知度』を更に5段階にランク付けしてみました。
ランク5:外観の特徴、年式、仕様がはっきり言える
ランク4:外観の特徴、大体の年式だけ言える
ランク3:外観の特徴だけが言える
ランク2:名前だけ知っている
ランク1:名前すら知らない
ちょっと大雑把ですが、5段階それぞれの割合と、ハコスカと20代との世代ギャップを考慮して『ランク2以上=知ってる』と『ランク1=知らない』に分けたそれぞれの割合を出してみました。それでは気になる結果をどうぞ。
【ランク5:外観の特徴、年式、仕様がはっきり言える】
嬉しい様な悲しい様な、ランク5の『外観の特徴、年式、仕様がはっきり言える人』は1人でした。調査番号1のR33に乗っている人です。さすがGT−Rの現役オーナーとだけあって博識でした。割合にして『1人/13人中(約8%)』です。
【ランク4:外観の特徴、大体の年式だけ言える】
ランク5の彼がオーナー詳しいのは当然で、彼以外に外観の外観と年式の両方を言える人はいませんでした。『0人/13人中(0%)』残念です。
【ランク3:外観の特徴だけ言える】
ハコスカの外観の特徴が言える人は2人。調査番号2のFT86オーナーと、調査番号3のインプレッサオーナー、調査番号4のビートオーナーです。
しかし、調査番号2と3の方は『ハコスカ』の名前から考察して特徴を言い当てた感じと、画像を見て初めてピンときた感じなのでサービスカウントですが、調査番号4の方は「ハコスカ?箱型のヤツですよね?」と食い気味回答してくれました。ビートも古い車なのでミーティングなどで目にする事が多い様ですが、年式までははっきり憶えていないと言う事でランク3に。なので全体の割合は『3人/13人中(約23%)』です。
【ランク2:名前は知っている】
ランク2の割合が一番多く『7人/13人中(約54%)』でした。知っている理由としては「車好きの仲間や家族から聞いた」がほとんどでした。中には「特にきっかけは無いけど何故か名前は知ってる」と言う人は、私と同じ様に潜在的な『すり込み教育』を受けた人かもしれません。
ちなみに調査番号は5〜11の方でした。
【ランク1:名前すら知らない】
『ハコスカ』の名前すら知らない人は2人いました。ちょっとヒントとかを与えても全くピンときていなかったので生粋の『ハコスカ知らない人』です。調査番号は12と13の方です。「なんだかんだ全員知っているだろう」とは思っていたものの、実際に知らない人がいるのはちょっと驚きでした。割合としては『2人/13人中(約15%)』です。
ただその2人が全く車に興味がないかといえばそう言う訳ではなく、クロカン系や最新車種に憧れは持っていた様です。
【結果をまとめてみた】
では独自調査の結果をまとめてみました。
ランク5:外観の特徴、年式、仕様がはっきり言える・・・8%
ランク4:外観の特徴、大体の年式だけ言える・・・0%
ランク3:外観の特徴だけが言える・・・23%
ランク2:名前だけ知っている・・・54%
ランク1:名前すら知らない・・・15%
そして『知っている人と知らない人』の割合を最初の定義で分けると
■ハコスカを知っている人・・・85%
■ハコスカ知らない人・・・15%
詳しい熟知度はさておき、ハコスカの聞き込みしたターゲットの年代のギャップを考えると知名度は結構高いのではないでしょうか?人数や周りの環境によりますが、少なくとも私の生活圏内では『ハコスカは時代を越えて語り継がれている』と判断していいかなとは思います。
今後はその割合が大きくなる様に、後世へ日本の名車を語り継いでいきたいですね。以上、日産スカイラインGT−R、通称『ハコスカ』のご紹介と知名度調査でした。知らない人は名前だけでも憶えて帰ってください。
ハコスカパーツにクロムメッキ
NAKARAIメッキで加工した参考事例を掲載させていただきます。
■ハコスカ テールランプリム
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メッキ前 | 補修メッキ後 |
■ハコスカ FRPグリル・ライト枠
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クロムメッキ前 |
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クロムメッキ後 |
FRPパーツへのクロムメッキ加工は、新品無塗装品でないとクロムメッキできないです。
ハコスカのメッキ手入れ
クロムメッキパーツの多い、ハコスカの手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。
クロムメッキには最大の弱点が!?
クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。
ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれるくらいの錆びになってしまいます。
錆びてきていない初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。
穴を埋める事で、クロムメッキの穴を埋める事で耐食性が上がます。
クロムメッキ保護剤「メッキング」
クロムメッキ錆落とし剤「サビトリキング」
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詳しくはこちら:クロムメッキの全てが解る。