フロントグリルは車体の最前面にあり、多くの場合このグリルの裏にラジエーターやエンジンオイルやATオイルの冷却増値を配置しています。
そのため本来はラジエーターや冷却装置の保護と効率よく空気を取り込みラジエーター等の冷却効率を上げるためのものです。
またそうした機能に加え、自動車の「顔」としてヘッドライトのデザインと共に各ブランドのアイデンティティーとしての役割を果たしています。
古くはブカッティやアストンマーチン、ロールスロイスのパルティノングリル等、日本でもなじみの深いBMWのキドニーグリルやアルファロメオの盾グリルなどがあります。
近年ではレクサスのスピンドルグリルやインフィニティのダブルアーチグリルなど、日本車でもブランドアイコンとしてデザインされています。
空力や衝突安全性を求められる現代では、似たようなデザインの車が多くなることが否めない中、グリルやエンブレムをみて車種を見分けることも多くなって来たと感じる方もいらっしゃると思います。
特に2003年のモーターショーでアウディが市販車ベースで開口部の大きなシングルフレームグリルを採用したシリーズを発表したことを機に、2005年以降同様の車両が多く登場しました。
ちなみに2001年に発表された日産GT-Rのコンセプトカーは既に開口部の大きなグリルを採用していました。
このフロントグリル、車の顔であるだけに汚れていると、その大小にかかわらず目立つものです。
またメッキ加工されたものも多く、きれいにしておけばいい意味で、汚れていれば悪い意味でさらに目立ってしまいます。
形状は網目や格子状になっているものが多く、きれいに保つことは容易とは言えません。
昨今の純正フロントグリルの材質は、ほとんどの場合金属製ではなくABS樹脂でできており、グレードの差別化の為メッキ加工を施している車種も見受けられます。
フロントグリルのメッキ部分の手入れ方法や注意点
ABS樹脂を素材とするフロントグリルのメッキ加工には、クロムメッキの中でも一般に装飾クロムメッキと言われる加工が施されます。
知っておきたい情報はこの2つですね。
★メッキフロントグリルの手入れ方法
★メッキフロントグリルの手入れ時の注意点
装飾用クロムメッキは、メッキ皮膜の高度な光沢と特有の色調により、見栄えの良いメッキです。
皮膜自体は、 0.1~0.5マイクロメートルと硬質クロムメッキなどに比べてとても薄いものとなり、近年では0.1マイクロメートル以下というより薄い皮膜のものもあるようです。
光反射性、熱反射性、耐食性に優れているという特徴があります。
この装飾用クロムメッキは、素材自体にバフ研磨を行うことによって、外観性がさらに向上します。
メッキ部分の洗い方
柔らかいスポンジを使い、洗車用のシャンプーでなでるようにやさしく洗います。洗い終わった後は、洗剤をしっかりと洗い流すことが大切です。
また、きれいなグリルにするためにはメッキ加工された部分だけではなく、それ以外のブラック樹脂の部分もしっかりとした手入れが必要です。
グリルの端、特に網目状になっているグリルでは、筆など素材を傷めないやわらかい毛先のブラシを用意して隅っこなど、スポンジでは洗えない場所の汚れをしっかりと掻き出し、水で洗い流します。
非常に根気のいる作業ですが一気に汚れを掻き出すのではなく、水で洗い流しながら汚れを浮かして、水で洗い流すという作業を繰り返し行っていきましょう。
ここで、フロントグリルに水が入っても大丈夫なのかと心配になる方もいらっしゃるかもしれません。
フロントグリルの奥はエンジンルームになっていて、ラジエーターをはじめエンジンオイルやATオイルの冷却装置が配置されていることが多い場所であります。
雨天や暴風雨の時でも問題なく運転できるように設計されています。
通常の洗車はもちろん、あえて水を大量にフロントグリルから流し込むとか高圧の水を正面からかけるというようなことをしなければ問題ありません。
ただし、車種によってはオルタネーターなどの電気系の部品がグリル近辺に配置されているものもあります。
このような車種は神経質になる必要はないと思いますが、少し注意をして洗車をするように心がけましょう。
メッキ部分の磨き方
メッキを磨く場合は、メッキ専用のクリーナー等を使用して、柔らかい布などでやさしくに丁寧に磨きましょう。
コンパウンドや研磨材の含まれるワックスで磨くと、メッキ部分に傷がつき耐食性や対候性に影響が出る場合があるので、必ずメッキ専用のクリーナーを使用しましょう。
手入れする時の注意点
フロントグリルには、虫の死骸など様々な汚れが付着します。
しつこい汚れの場合洗車ブラシなどでゴシゴシこすりたくなりますが、これは厳禁です。
洗車ブラシのように固いもので強くこすると、細かい傷がついてしまい装飾用メッキ特有の美しいツヤがなくなってしまうだけではなく腐食(錆)の原因となってしまいます。
メッキ加工部もブラック樹脂部も、キズが目立ち易いので、やさしく柔らかく作業することがポイントとなります。
また、ただでさえ落としにくい虫の死骸などだけではなく、他の付着物も放置しておくと落としにくくなります。こまめに手入れすることも大切なポイントです。
メッキフロントグリルは錆びる?
フロントグリルの多くが、ABS樹脂で作られている為、錆びることはありません。しかしABS樹脂にメッキ加工されたフロントグリルはどうなのでしょうか。
ABS樹脂へのメッキ加工とメッキフロントグリルが腐食したときについてご紹介します。
ABS樹脂へのメッキ加工の方法
ABS樹脂は、電気を通さないため電気メッキが出来ません。そのためまず表面に電気を通す層を形成する為無電解メッキ(化学メッキ)を施した後、電気メッキを行います。
具体的にはABS樹脂を高温の六価クロム酸/硫酸溶液中に浸漬させ凹凸のある表面に改質します。
表面に凹凸が出来たら、その表面上に金属イオンの核を吸着させます。(一般的にパラジウムが用いられています)この上に薄い金属の層を形成させるため、無電解ニッケルメッキを施工します。その後、銅、ニッケル、クロムの3層の電気メッキの施工という工程が一般的なものになります。
メッキ加工部の表面はクロムという金属です。錆びない金属はありません。
よってメッキフロントグリルはABS樹脂素材であってもメッキ部は手入れをしないと錆びてきます。
クロムメッキは大気中では表面が緻密な酸化皮膜に覆われ不働態化しており、耐腐食性は金や白金に匹敵すると言われています。
大気中など一般的な環境下では安定していて、自動車用洗剤で使われることもあるアルカリ性溶液に対しても一般に安定しています。
ただしクロムメッキ皮膜は内部に立体的な網目構造のマイクロクラックを有しており、このマイクロクラックはメッキ表面から素材界面まで貫通しているといわれています。
クロムメッキの自体に目に見えない無数の穴が開いているというイメージです。このクロムメッキの表面から水分が侵入しクロムメッキと素材(ニッケル)の境界まで到達した場合、侵入した水分で素材(ニッケル)が腐食することにより点錆が発生します。
また、この場合異種金属界面に水分が存在していることとなり、局部電池を形成し素材側もしくはクロムメッキ側が急速に腐食することもあります。
メッキフロントグリルの錆落とし
メッキ専用のクリーナーで落ちない錆はクロムメッキ専用錆落としを使用して錆を落とします。
メッキ部分の錆を取り除く方法は、ウエスに適量のサビ取り剤を付け磨きます。
早い段階の浅い層の錆であれば問題なく落とすことが可能です。細かい粒子とはいえ研磨剤の一種です。
錆びていない部分に傷がついたりしないようしっかりと養生すると共に、力加減には十分な注意が必要です。
あまり力を入れて磨くとメッキが剥げて素地がでることもあります。
やさしく磨くだけでも十分な効果が期待できますので、慎重に様子を見ながら磨いていきましょう。
また、錆を分解させることで点錆などを落とす錆取り剤もありますが、素地にまで侵食することにより、メッキ本来の高光沢感が失われることもあります。
場合によっては再メッキ塗装が必要となるケースがあるため注意してください。
また、純正ではあまり見かけなくなりましたが、アルミ製のグリルもあります。
このアルミ製のグリルの場合、アルマイト加工というアルミ独自の加工を施し耐腐食性を上げています。
このアルミに白錆が発生している場合も専用のクリーナーで落としていきます。
落ちない場合は錆落としを使用するのですが、クリーナー、錆落とし共にアルミ対応になっているもの、あるいはアルミ専用のものを使用するように注意しましょう。
フロントグリルのメッキをきれいに保つために
フロントグリルは手入れすることによりきれいに保つことが可能です。
しかし、いくら傷がつかないように手入れしていても、フロントグリルは車の前面にあることから、飛び石や虫などが衝突することも多く、傷がついてしまいます。
この傷が汚れや錆の原因となってしまいます。そしてこの傷を完全に防ぐことは困難です。
予防策としては、コーティング剤で常時コーティングをしておくこととなります。
コーティングをしておけば、前述の虫の死骸なども簡単に落とすことができます。
また、メッキフロントグリルのクロムメッキ部分で注意しなくてはならないのが錆です。
フロントグリルのABS樹脂に被覆したクロムメッキの錆は、早い段階でメッキ用の錆取り剤を使い取り除くことが重要です。
フロントグリルにメッキ加工が施されている場合は、傷防止のためにコーティングを行い、汚れたらできるだけ早く掃除をしましょう。
そうすることにより、傷や錆を早期に発見することができ対応も容易になります。
また、傷や錆が酷い場合は、交換や再メッキを考慮に入れ専門業者に相談しましょう。
フロントグリルのメッキ手入れ
クロムメッキパーツの多い車種の手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。
クロムメッキには最大の弱点が!?
クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。
ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれるくらいの錆びになってしまいます。
錆びてきていない初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。
穴を埋める事で、クロムメッキの穴を埋める事で耐食性が上がます。
メッキング愛用者の声
「ディーラーの人にメッキがなんか違う気がするんですけど?」と言われました。
メッキング施工後ディーラーに用事があり乗って行くと ディーラーの人にメッキがなんか違う気がするんですけど?と言われました。それはメッキングをしたからです!と言いました!
新車から施工しましたがやっぱり見た目から違うんだなと感動しました!
メッキの一番のケミカル用品は間違いなくナカライさんの商品だと思います。
拭き取りクロス類も別発注して大事に使っています! ケミカル用品はワコーズとシュアラスターしか使わないと決めていましたがナカライさんも使わせて頂きますね!!
使用車種ヴェルファイアG's N様
車用のコーティング剤とメッキングの違い
車のガラスコーティング剤の多くは、ボディーを意識して作られておりますので、短期間で広い面積をコーティングしやすい組成になっているものが多く、イメージセロハンテープ状にコーティングされるが、メッキング被膜は、クロムメッキにあいている穴を埋める事を目的として作っておりますので、粒子の細かい被膜が手と手をとりあって穴を埋めながらコーティングするというイメージになります。
(車のコーティング剤の全てがそのような組成ではないです。あくまで一例です)
車用のガラスコーティングイメージ図
セロハンテープ状に被膜が形成されるものが多い。塗装の被膜に近く塗装被膜がめくれる時をイメージしていただけるとわかりやすいと思います。
メッキング被膜イメージ図
メッキング被膜は粒子の細かい被膜が手と手をとりあって穴を埋めながらコーティングするイメージで、はがれる時は、人間の垢みたいに、部分にボロボロとめくれる感じになります。
メッキング被膜の効果
※メッキングは1コートで半年もちますので、最初2~3回は1か月に一度くらいを目安に重ね塗布し。その後は半年に1度に塗布することをおすすめいたます。
メッキングが重ね塗布が有効な理由
メッキング被膜は薄い被膜を重ね塗布、重ね塗布することでメッキ面の鏡面度が改善されていきます。クロムメッキ用の光沢剤も配合していますで、薄く被膜を重ね塗布、重ね塗布することで光沢がUPしていきます
厚付けは不可、厚く塗布することで耐食性はあがりますが、鏡面度が改善できなくなるうえにムラムラになってしまいます。鏡面メッキでなく、見た目よりも耐食性をあげたいパーツは厚くたっぷり塗布していただいても問題ありません。
■見た目重視の場合は薄く
■見た目よりも耐食性重視の場合は厚く
メッキングが塗装NGの理由
メッキングは構造上、短期間に広い面積のコーティングを必要とする塗装面だと、メッキング被膜がよけいムラになりやすく、ムラを見逃した場合、とるのが大変なため、塗装面はメッキングNGとさせていただいております。
自分の車のボディー塗装面にメッキング被膜を大量塗布したところ、ムラムラ被膜が5年くらい残ってしまいました。
メッキ加工の事ならNAKARAI
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メッキング&サビトリキングを購入する
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詳しくは:メッキパーツ相談室まで
クロムメッキの事についてもっと知りたい方は、
詳しくはこちら:クロムメッキの全てが解る。