画像参照元…ホンダ公式ページ
ネイキッドスタイルスクーター『ホンダ・ズーマー』
スクーターに求めるものと言えば、日常の生活の中で使える積載性と気軽さだと思います。ホンダが2001年に発売した『ズーマー』はそれまでのスクーターの概念をひっくり返した今までに無いスクーターです。収納スペースを大胆に省き、骨組みの様なシートフレームと剥き出しの足回りが目を引く言わばネイキッドスクーターです。ズーマーは50ccスクーターバイクの為、原付一種となります。原付免許で乗れるネイキッド風なスクーターの為、若者にも人気の一台です。
車名である『ZOOMER(ズーマー)』の由来は、オーナーのライフスタイルをZOOM(拡大)するツールになって欲しいというホンダの思いが込められた造語です。確かに日々の生活に取り入れて自分色に染めたくなる様なスタイリングが魅力的です。
ズーマーは『Nプロジェクト』と呼ばれる、2000年代当時ホンダが注力した革新的なプロジェクトで開発された一台。イノベーションに富んだラインナップが数々輩出され、このプロジェクトで登場したバイクはどれも独創的なモデルばかりでした。ズーマーの他にはエイプやソロがこのプロジェクトで生まれたバイクです。
スクーターでありながらも無骨なスタイリングで、そのスカスカのボディをカスタムしたくなるのがズーマーの不思議な魅力のひとつです。純正でも十分個性的ですが、数多くのカスタムビルダーがカスタムズーマーを作り上げたりもしているほど、カスタムベースとしても人気のスクーターなのです。
日本国外へは2002年に欧州や北米などへ輸出されていました。車名は北米輸出仕様のみ社名が変更されており、『Ruckus(ラッカス)』という名前で販売されていました。
日本国内での当時の新車販売価格は税込23万6250円。2001年6月に登場し、その独創的で大胆なデザインが人気を博しマイナーチェンジを繰り返しながら販売を継続させてきたロングセラーモデルです。2017年8月31日に惜しまれつつも生産終了し、ラインナップから姿を消しました。
生産終了してから数年経った現代でも、個性派のスクーターとしてまだまだ安定した人気を誇るズーマー。その魅力についてたっぷりとご紹介していきたいと思います。
目次
ズーマーの主要諸元(2012年式)
車体型式
- 型式:JBH-AF58
エンジン
- 型式:AF69E
- 種類:単気筒4ストロークSOHC
- 冷却方式:水冷
- 総排気量:49cc
- 燃料供給方式:フューエルインジェクション
- 内径(シリンダーボア):37.8mm
- 行程(ピストンストローク):44mm
- 圧縮比:12:1
- 最高出力/回転数:3.1kW(4.2ps)/8500rpm
- 最大トルク/回転数:4N•m(0.41kgf•m)/5500rpm
- 使用燃料:レギュラーガソリン
- 始動方式:セルフスターター・キックスターター併用
- 点火方式:フルトランジスタ式
- プラグ型式:CR8EH−9
- 潤滑方式:ウェットサンプ式
- エンジンオイル全容量:0.7L
- 変速機:Vベルト式 無段変速
- 操作方式:フットシフト
寸法
- 全長:1860mm
- 全幅:735mm
- 全高:1025mm
- ホイールベース:1265mm
- 最低地上高:145mm
- シート高:735mm
- 車両重量:87kg
- タイヤサイズ(前):120/90−10
- タイヤサイズ(後):130/90−10
- タイヤタイプ:バイアス/チューブレス
性能
- 乗車定員:1名
- 最小回転半径:1.9m
- 燃料タンク容量:4.8L
- 燃料消費率:75.0km/L
構造
- フレーム型式:アンダーボーン式
- キャスター角:26.3°
- 懸架方式(前):テレスコピックフォーク
- 懸架方式(後):ユニットスイング式
- ブレーキ(前):機械式リーディングトレーリング
- ブレーキ(後):機械式リーディングトレーリング
自由度の高いシート周り
これほど個性的なスクーターはそうなかなか無いでしょう。冒頭からご紹介している通り、ズーマーは他に類を見ないネイキッドスタイルがとても魅力的です。
スクーターのユーティリティーを大胆に省いたデザインで、シートは骨組みの様なパイプフレームのみで支えられており、本来収納スペースがあるシート下は空洞となっています。
シートはまるで応急的に付けたかの様なスリムでシンプルなデザインを採用しています。
このシート周りの造形がズーマーでも最も目を引く部分では無いでしょうか。収納スペースを設けない分フロアデッキの様な作りになっており、シートフレームを駆使すれば逆に一般的なスクーター以上に様々な形状の荷物を積載出来そうです。シンプルな作りだからこそ自由度の高さを誇れる、よく考えられた設計ですね。
純正や社外品でシートボックスも存在する様なので、シート下にスクーター同様の収納が欲しい時はこれらを装着すればより快適にズーマーを楽しめそうです。もちろん専用設計の為、ズーマーのデザインを損なう事は無さそうです。
オフロード感のあるフロントデザイン
無骨さも兼ね備えたズーマーはフロントのデザインも非常に個性的に仕上がっています。一般的なスクーターはハンドル・メーター・ヘッドライトは一体型になっている事が多いですが、ズーマーはネイキッドバイクさながらにそれぞれが独立したレイアウトとなっています。
ヘッドライトはオフロードバイクの様なラウンドタイプの2連メーターが採用されています。ヘッドライトの両脇にはウインカー、そして上部にはキャリアが装着されています。ハンドルもバータイプのアップハンドルが採用されており、ハンドルの中央には小ぶりなスピードメーターという非常にシンプルなハンドル周りとなっています。
もちろんスクーターの様なカウルは装着されておらず、ハンドル下部分に四角のカバーが装着されているのみ。ネイキッドバイクのフューエルタンクの様なカバーデザインとなっており、ズーマーで唯一”剥き出しでは無い”部分です。
肝心のフューエルタンクはというとステップの下に格納されており、容量は4.8Lで気になる燃費は75.0km/L(2012年式インジェクションモデル)となっています。
搭載エンジンについて
ズーマーに搭載されているのは49cc水冷単気筒4ストロークSOHCエンジン。ボアストロークは37.8×44mmで圧縮比は12:1。最高出力は4.2ps/8500rpm、最大トルクは4N•m/5500rpmとなっています。(2012年インジェクションモデル)
燃料供給方式は2001年発売当時はキャブレターでしたが、2007年10月のマイナーチェンジ時に排ガス規制対応としてフューエルインジェクションへと変更されています。
ネイキッドバイクの真骨頂でもある剥き出しエンジンも見事に再現されており、カバーなど纏うものは一切なくエンジンの存在を全面に強調している様です。リザーバータンクやオイルキャップももちろんのこと剥き出しで、徹底的なデザインコンセプトへの拘りを感じます。
たくましい足回り
足回りも剥き出しのせいか、それとも一般的なスクーターよりも太いタイヤを装着している為か、はたまた一切のカバーを纏わないボディとの相対的なボリュームの為か、ズーマーの足回りにはたくましさと無骨さを感じられずにはいられません。
ブラック塗装が施されたホイールにフロントフォークの組み合わせも、ズーマーの足回りの重厚感をより演出してくれます。
スクーターでありながらもスクーターらしからぬ肉厚なデザインもまたズーマーの魅力のひとつと言えます。
愛車をいつまでも美しく!
以上、ホンダ『ズーマー』のご紹介でした。スクーターでは珍しいネイキッドスタイルの唯一無二の個性と、街乗りではもちろんのことオフロードでも映えそうなデザインはまさにズーマーだけが持ちうる魅力です。
生産終了してもなお人気を誇るズーマーはもはや個性派スクーターを代表する名車と言っても過言では無いでしょう。ノーマルではもちろんの事、カスタムベースとしても非常に人気が高く、メッキパーツをあしらったドレッシーなカスタムもよく似合う器用な一台でもあります。
また絶版車である以上、今後新車で手に入れる事は出来ないので、外装のコンディションの維持も非常に大事になってきます。特に50ccスクーターとなると気軽に乗れて普段の足として重宝するので使用頻度が多くなりがちな為、しっかりとしたケアで永く美しさを保っていきたいですね。
もちろん塗装のコーティングなどのメンテナンスも重要ですが、それと同じくらいメッキパーツへもコーティングを施し愛情を注いでいきましょう。メッキパーツも経年と共にくすみや錆が発生するので、何もせず放っておけば錆腐食が侵食して取り返しのつかない事になり兼ねません・・・
車やバイクに施されているメッキ加工は『クロームメッキ』と呼ばれるキズや錆に強い加工技術ですが、やはりこのクロームメッキも完璧ではありません。確かにクロームメッキの加工面自体は硬く滑らかになっていますが、手触りでは分からないほど無数の穴が表面に存在しています。その穴から水分が入り込み、下地にあるニッケルメッキを侵食しやがて表面のクロームメッキごと剥がれ落ちてしまいます。
それを防ぐ為に、メッキを磨いたりした後はメッキパーツにもコーティングを施してこの水分の侵入を防ぐ必要があるのです。
またメッキ磨きに使用する磨き剤も正しく選ぶ必要があります。メッキはそれこそ人の肌の様に繊細なので、使用するケミカルもメッキ専用で、しかもきちんとしたものを使わないと更に傷みやすくなり錆や劣化の原因になります。
愛車の価値を損なわない、また美しく乗り続けていく為に、しっかりとメンテナンスを依頼するショップやケミカルを選び、愛車を美しく維持していきましょう。
愛車はどのKING?
メッキ手入れ
クロムメッキパーツの多いバイクメッキの手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。
クロムメッキには最大の弱点が!?
クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。
ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれてしまいます。
初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。
穴を埋める事で、クロムメッキの耐食性が飛躍的に上がます。
クロムメッキ磨き剤「ミガキング」
クロムメッキ保護剤「メッキング」
クロムメッキ錆落とし剤「サビトリキング」
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クロムメッキの事についてもっと知りたい方は
詳しくはこちら:クロムメッキの全てが解る。