画像参照元…ホンダ公式ページ
一度見たら忘れられないGL400
個性的なバイクは数多くあれど、今回ご紹介するホンダの『ウイングGL400』はその中でも突出した個性の持ち主だと言えます。『GL』と聞けば大抵の人が大型ツアラーのゴールドウイングを連想するかも知れませんが、このウイングGL400(以下GL400)はV型2気筒を搭載したミドルクラスネイキッドバイクです。
GL400は1978年3月に発売されたGL500の姉妹モデル。GL500の排気量縮小版として登場したのは、当時の二輪免許制度改正によって排気量400ccを境に自動二輪免許が限定解除と二分された事も影響しています。よって基本的なコンポーネントは両者とも共通で、エンジン以外のスペックはほぼ同一となっています。
GLシリーズの開発コンセプトとなったのはツアラーとスポーツの融合。更に進んだバイクの未来像を具現化した様なモデルとなっています。車名にもホンダを象徴する『ウイング(WING)』を冠した事もそう言った期待があるのかも知れません。
コンセプトだけではなく、その外観もかなり独創的です。何より目を引くのはそのエンジンレイアウト。水冷縦置きVツインエンジンを採用し、これまでに無いインパクトのある見た目は一度見れば忘れる事は無いでしょう。世界に目を向ければモトグッツィは縦置きVツインエンジンをアイデンティティしてはいるものの、日本のバイクメーカーでこのエンジンレイアウトを採用しているのは私が知る限りではこのGL400/500だけだと思います。
ちなみに北米市場向けのGL500・650 SILVER WINGを除き、日本国内仕様車は1982年以降車名を『CX』に統一。これはゴールドウイングがGL1000として売り出されていた事が理由です。
一度見れば脳裏に焼き付く個性派なバイク『ウイングGL400』。その魅力についてたっぷりと語っていきたいと思います。
目次
GL400の主要諸元(1978年式)
車体型式
- 型式:GL400
エンジン
- 型式:GL400E
- 種類(バルブ/気筒):縦置V型2気筒4バルブ4ストロークOHV
- 冷却方式:水冷
- 総排気量:396cc
- 燃料供給方式:キャブレター
- 内径(シリンダーボア):73mm
- 行程(ピストンストローク):47.4mm
- 圧縮比:10:1
- 最高出力/回転数:40ps/9500rpm
- 最大トルク/回転数:3.2kgf•m/7500rpm
- 使用燃料:レギュラーガソリン
- 始動方式:セルフスターター式
- 点火方式:C.D.I.式
- プラグ型式:D8EA
- 潤滑方式:ウェットサンプ式
- エンジンオイル全容量:2.4L
- 変速機:リターン式5速MT
- 操作方式:フットシフト
寸法
- 全長:2185mm
- 全幅:865mm
- 全高:1175mm
- ホイールベース:1455mm
- 最低地上高:150mm
- 車両重量:218kg
- タイヤサイズ(前):3.25−19
- タイヤサイズ(後):3.75−18
- タイヤタイプ:バイアス/チューブレス
性能
- 乗車定員:2名
- 最小回転半径:2.4m
- 燃料タンク容量:17L
- 燃料消費率:30.0km/L
構造
- フレーム型式:ダイヤモンドフレーム
- 動力伝達方式:シャフト
- キャスター角:26°30’
- 懸架方式(前):テレスコピックフォーク(正立)
- 懸架方式(後):スイングアーム式
- ブレーキ(前):油圧式ディスク
- ブレーキ(後):機械式リーディングトレーリング
強烈な印象を与える縦置Vツインエンジン
GL400に搭載された水冷縦置80°バンクV型2気筒4バルブ4ストロークOHV、ボアストロークは73×47.4mmのショートストロークエンジンで、最高出力0ps/9500rpm、最大トルク3.2kgf•m/7500rpmの高回転型となっています。
また特殊合金製のプッシュロッドとクランクシャフトを採用するなどして、耐久性だけで見れば10000rpmまで耐えうるタフなエンジン仕様と、全く新しい構造を取り入れられています。
そして何よりそのエンジンの存在感。決して華奢では無いボディ車格ですが、そこから更に左右にはみ出した、太い円筒をぶっ刺した様なシリンダーヘッドはインパクト大です。シリンダーヘッド、クランクケース共に曲線を基調としたデザインもこれまでに類を見ない個性的な見た目、本来タンクに隠れてしまいそうなヘッドカバーに刻まれたフィンもこのレイアウトによってより強調され、見事にデザインの一部としてバイクをより魅力的に演出してくれます。
ラジエーターは大きく分厚いフレームによって装着されています。蜂の巣の様に細かな造形で、特徴的な見た目となっています。
マフラーは左右2本出しでエンジンに劣らない存在感。サイレンサーはメガホンタイプを採用する事で、リヤビューにも迫力を持たせています。
シャフトドライブも魅力的
GL400は駆動方式にシャフトドライブを採用。最近のシャフトドライブほど癖を抑えられたものでは無いかも知れませんが、それでもシャフトドライブのメリットはなかなか魅力的なものがあります。
チェーンほどの小まめなメンテナンスをほぼ必要とせず、外的要因での故障が少ないのがシャフトドライブのいいところ。また、駆動効率も比較的安定しておりスムーズな走行に寄与してくれる事は間違いないでしょう。
スポーツクルーザーとして、エンジンの性能だけではなく駆動部にも拘ったGL400はライダーにとってストレスフリーに近い快適なライディングを実現してくれます。
デザインも個性的!
個性的なスペックが魅力的なGL400ですが、外観も非常に個性的です。全体的なフォルムはゆとりのあるシンプルなネイキッドスタイルですが、パーツひとつひとつの造形に拘りを感じる唯一無二のデザインとなっています。
まず始めに目に止まるのがヘッドライト周り。ラウンドタイプのシンプルなヘッドライトですが、メーターとウインカーステーまで覆ったカバーで下方部には舌のように垂れ下がったエアインテークが設けられている面白いデザインです。
メーターもシンプルなアナログの2連メーターを採用。メーターパネルには各種インジケーターランプを集約させたコックピット感のあるレイアウトとなっています。
ハンドルはゆったりとしたアップハンドルが装着されており、ゆったりとしたライディングポジションでクルージングが可能。スムーズな加速にゆとりあるポジションがツアラーらしい要素です。
カタログ燃費は30.0km/Lでタンク容量は17Lを確保。ロングツーリングでも頼もしいタンクは直線と曲線の組み合わせが美しい形状となっています。ベースカラーにレッドのラインを入れた洒落たデザインもGL400の特徴のひとつです。
シートはかなり厚みのあるダブルシートを装着しており、メインとタンデムの座面には僅かな段が設けられた、まさに旧車らしいと言える趣のあるデザインが魅力的です。左右に張り巡らされたシルバーのモールもお洒落です。
サイドカバーには『WING』の文字と翼を象ったオリジナルエンブレムが装着されています。起伏を上手く利用した立体的なデザインのサイドカバーは細かなパーツへの妥協を許さない拘りを感じとる事が出来ます。
タイヤサイズはフロント3.25−19、リヤ3.75−18となっており、ホイールは5本スポークの星型キャストホイールを採用。スリムでありながらも力強さも感じるデザインとなっています。またフロントタイヤには煌びやかなメッキフェンダーを装着し、豪華な足回りを演出してくれます。
愛車をいつまでも美しく!
以上、ホンダの個性派バイク『ウイングGL400』のご紹介でした。何度も言いますが外観的にもスペック的にもかなり個性的なデザインのGL400はいつの時代に見てもかなり魅力的に感じる一台では無いでしょうか。
最近では中古市場でもかなり球数が減ってきており、レアな旧車となっておりその価値が上がっていく事は間違い無いでしょう。ホンダの技術とロマンが詰まったGL400は今後も多くの人を魅了していくに違いありません。
そしてGL400のようなレアな旧車を所有するにあたって、気を付けたいのがやはり外装コンディションの維持でしょう。オリジナルも純正パーツもなかなか手に入りにくいモデルとなると尚更その美しさを保つにはかなり神経を使う部分でもあります。
せっかくの魅力的なバイクですから、いつまでも永く美しいままで乗りたいのはオーナーの切なる願いのひとつだと思います。
もちろん塗装のコーティングなどのメンテナンスも重要ですが、それと同じくらいメッキパーツへもコーティングを施し愛情を注いでいきましょう。メッキパーツも経年と共にくすみや錆が発生するので、何もせず放っておけば錆腐食が侵食して取り返しのつかない事になり兼ねません・・・
車やバイクに施されているメッキ加工は『クロームメッキ』と呼ばれるキズや錆に強い加工技術ですが、やはりこのクロームメッキも完璧ではありません。確かにクロームメッキの加工面自体は硬く滑らかになっていますが、手触りでは分からないほど無数の穴が表面に存在しています。その穴から水分が入り込み、下地にあるニッケルメッキを侵食しやがて表面のクロームメッキごと剥がれ落ちてしまいます。
それを防ぐ為に、メッキを磨いたりした後はメッキパーツにもコーティングを施してこの水分の侵入を防ぐ必要があるのです。
またメッキ磨きに使用する磨き剤も正しく選ぶ必要があります。メッキはそれこそ人の肌の様に繊細なので、使用するケミカルもメッキ専用で、しかもきちんとしたものを使わないと更に傷みやすくなり錆や劣化の原因になります。
愛車の価値を損なわない、また美しく乗り続けていく為に、しっかりとメンテナンスを依頼するショップやケミカルを選び、愛車を美しく維持していきましょう。
愛車はどのKING?
メッキ手入れ
クロムメッキパーツの多いバイクメッキの手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。
クロムメッキには最大の弱点が!?
クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。
ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれてしまいます。
初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。
穴を埋める事で、クロムメッキの耐食性が飛躍的に上がます。
クロムメッキ磨き剤「ミガキング」
クロムメッキ保護剤「メッキング」
クロムメッキ錆落とし剤「サビトリキング」
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クロムメッキの事についてもっと知りたい方は
詳しくはこちら:クロムメッキの全てが解る。