画像参照元…ホンダ公式ページ
新感覚Vツインネイキッド『VT400S』
みなさんこんにちは。今回ご紹介するのはホンダが2010年に発売した『VT400S』です。このVT400Sは当時としては珍しいVツインエンジン搭載のネイキッドバイクで、発売当時は非常に注目され人気を博したモデルでも有ります。
しかしいつの間にかその姿を見ることは無くなり、今となってはちょっとレアなバイクとも言える隠れた名車的なポジションでも有ります。それもそのはず、VT400Sは2010年発売モデルから一度もモデルチェンジする事もなく、2014年にひっそりとラインナップから姿を消したのです。
登場は華やかに去り際は静かに。そんな美意識の高ささえ感じる潔い引退の道を辿ったVT400Sとはどんなバイクなのか。ご存知ない人も多いのではないでしょうか。
そもそもVツインエンジン搭載のネイキッドバイクはVT400S以前にも登場しており、それこそ1995年には似た様な外観のVRXロードスターと言うVツインエンジンを搭載したネイキッドバイクも存在していました。このVRXロードスターも僅か4年程度で生産が終了した不運なモデルで、奇しくもホンダにとってはこの『Vツインネイキッド』には苦い思い出しかない様にも感じます。
しかしVT400Sはアメリカンバイクとネイキッドバイクの中間的外観がウケて、販売当時は結構好調だった様です。もちろんホンダの長年に渡って醸成されてきた水冷Vツインエンジンの性能や癖の無い乗り心地など、バイクとしての完成度も高いものでした。
そんなVT400Sが短命に終わった理由としてやはり大きかったのはYAMAHAのボルトの登場でしょう。スタイリッシュさが光るボルトに対し、VT400Sは少し硬派すぎる印象だったのかも知れません。
私個人的にはそんな堅実なVT400Sも十分に魅力的なバイクで、今後後継車では無いにしてもVツインエンジン搭載のネイキッドバイクのラインナップも充実して欲しいところです。今となってはレブルシリーズがそのポジションを担っている様ですが。
VT−SシリーズはVT400Sの他にVT750Sがラインナップに登場。750ccも400cc同様に2014年で生産は終了しています。不運にも短命に終わってしまったホンダの隠れた名車『VT400S』。その隠れた魅力についてたっぷりと語っていきたいと思います。
目次
VT400Sの主要諸元
車体型式
- 型式:EBL−NC46
エンジン
- 型式:NC46E
- 種類:V型2気筒 4スロトークOHC
- バルブ数/気筒:3バルブ
- 冷却方式:水冷
- 総排気量:398cc
- 燃料供給方式:フューエルインジェクション
- 内径(シリンダーボア):64mm
- 行程(ピストンストローク):62mm
- 圧縮比:10.3
- 最高出力/回転数:23kW(31ps)/7000rpm
- 最大トルク/回転数:32N•m(3.3kgf•m)/3500rpm
- 使用燃料:レギュラーガソリン
- 始動方式:セルフスターター式
- 点火方式:フルトランジスタ式
- 潤滑方式:ウェットサンプ式
- エンジンオイル全容量:3.0L
- 変速機:リターン式5段変速
- 操作方式:フットシフト
寸法
- 全長:2295mm
- 全幅:870mm
- 全高:1135mm
- ホイールベース:1560mm
- 最低地上高:155mm
- シート高:750mm
- 車両重量:229kg
- タイヤサイズ(前):100/90−19
- タイヤサイズ(後):150/80B16
- タイヤタイプ:チューブタイヤ
性能
- 乗車定員:2名
- 最小回転半径:3.2m
- 燃料タンク容量:10L
- 60km/h走行時燃費:40.0km/L
- 満タン時航続距離:400.0km
構造
- フレーム型式:ダブルクレードル
- キャスター角:32°30’
- 懸架方式(前):テレスコピックフォーク(正立)
- 懸架方式(後):スイングアーム式
- リアサスペンション本数:2本
- ブレーキ(前):油圧式ディスク
- ブレーキ(後):機械式リーディングトレーリング
スポーティな外装
VT400SはVツインエンジンを搭載した一風変わったネイキッドバイク。スポーティで有りながらもアメリカンバイクの様な重厚感も有したVT400Sはまさに個性の塊の様なバイクです。しかし外観は非常にバランスが取れており、様々な世代のライダーが長く付き合って行ける様なクセなデザインもまた魅力のひとつと言えます。
全体的なイメージで言えば、スポーツネイキッドと言うよりもクルーザーに近い印象です。全く同じまとではいかないにしてもシルエットはハーレーダビッドソンのXL系(スポーツスター )にも似ています。
足つきに関してはシート高750mmと一般的なネイキッドと同等です。ハンドルはワイドなアップハンドルが装着され、ミッドコントロールのステップと相まってナチュラルなライディングポジションとなっています。外観だけ見ても非常に乗りやすそうなのが十分に伝わってきますね。のんびり走っていても様になるのはVT400Sの独自の魅力とも言えます。
車格に対してタンクは容量10Lとやや小ぶりです。横から見るとトライアングル型で角ばったデザインが印象的でスマートな見た目となっています。タンクカラーはホンダらしいトリコロールカラーと大人っぽいブラックの2色展開。タンクのサイド部分にはホンダウイングのグラフィックが施されています。
シートもスリムな形状をしており、広くゆったりとしたメインシート部分からタンデム部分に向かって徐々にシェイプしていくというスタイリッシュなデザイン。サイドから見ると若干薄く見えるシートはアメリカンバイクというよりもスポーツネイキッドのそれに近い感じ。小ぶりなタンクとのバランスも良く、スポーティな雰囲気をしっかりと醸し出しています。一応タンデムは出来ますが、タンデムシートの面積と薄さから察するに二人乗りで長距離ツーリングはなかなかキツそうに見えます。
アメリカンな要素も結構強め
ワイドなフロントフォークに小ぶりなヘッドライトなど、アメリカンバイクの要素も強く感じるVT400S。トップブリッジも無骨な金属の質感が印象的で、マウントされたメーターもスピードメーターのみ。必要最小限のシンプルで潔いコックピットもまた癖になる景観となっています。カスタムライクな見た目のVT400Sですが、無駄を省いた引き算の美学が光ります。
ブラックに塗装されたVツインエンジンにメッキ加工のヘッドカバーがちょうど良いアクセントになっていて、エンジン造形を強調している様にも見えます。エアクリーナも洒落たティアドロップ型のデザインでやはりこちらも贅沢にメッキ加工が施されています。
車体右側に出たマフラーも渋めな葉巻型のサイレンサーが採用されているのもアメリカン要素と言えるでしょう。エンジン周りだけ見ればまさにといった感じです。
また先ほども触れた通りワイドハンドルやミッドコントロールなど、ゆったりとしたライディングもアメリカンバイクのDNAを強く感じます。うまい具合にネイキッドとアメリカンバイクの良いところを融合させたVT400Sは、同系統のVRXロードスターから培ったVツインネイキッドの教訓とノウハウが活かされている様にも感じます。
しかし短命に終わった事も有り、カスタムパーツはほぼ出されておらずオーナーはかなり厳しい制約の中でカスタムを強いられる事となります。元々の見た目がかなり完成度が高いので、ノーマルでも十分にカッコいいですが。
シャドウ譲りの力強いエンジン
実はVT400Sに搭載されたエンジンは、ホンダの誇るアメリカンバイク『シャドウ』と同型ものです。よってエンジン型式も『NC』から始まっています。現にVT750Sは北米市場では『SHADOW RS』の名で販売されています。
アメリカンバイクとして定評のあるシャドウと同型のVツインエンジンですから、もちろんエンジンのフィーリングはシャドウに近いものが有り、トルクフルで有りながら高速走行もスムーズな加速を見せてくれます。また車重も229kgとやや重めですが、堅牢性のある車体と相まって直進で安定した走行を体感することが出来ます。
バイクの性格としては大人しめなので、アクセルを回して走るというよりは流れに乗りながらのんびりと走る方が性に合っているかも知れません。外観も性能もシンプルであるが故に何気ない街乗りでも自然と馴染んでくれる器用な一台でも有ります。
なんだかんだこう言ったバイクが一番長く乗れるのかも知れませんね。
VT400Sの中古相場は?
あまり巷では見かけないVT400Sですが、やはり中古市場でもその球数はやや少なめな印象です。販売期間の短さが故に母数が極端に少ないのかも知れません。
気になる中古相場は約75万〜80万円前後とやや高めです。シャドウ譲りの高性能なエンジンと独特のスタイリングがその価値を上げているのかも知れません。またカスタムパーツの少なさが功を奏してなのか、純正状態を保ったVT400Sが多く感じます。
球数も少ないので今後もっとその個体数と流通する台数も減ってくる事も予想できますので、気になる方はこまめに中古情報をチェックしてみると良いでしょう。私も少し欲しい欲が芽生えてきています・・・
絶版車だから気を付けたい外装のお手入れ
以上ホンダ『VT400S』のご紹介でした。
既に絶版車となったVT400Sですが、やはり気を付けたいのは外装のお手入れ。オリジナルの塗装の維持をする為にコーティングやこまめな洗車ももちろんですが、メッキパーツも多用されているので、塗装面同様に継続的なメンテナンスやお手入れが必要です。メッキパーツも経年と共にくすみや錆が発生するので、放っておけば錆腐食が侵食して取り返しのつかない事に・・・
またメッキはそれこそ人の肌の様に繊細なので、使用するケミカルもきちんとしたモノを使わないと更に傷やくすみの原因にもなり兼ねません。愛車の価値を損なわない、また美しく乗り続けていく為にしっかりとしたケミカルを選び、お手入れをしていきましょう。
愛車はどのKING?
メッキ手入れ
クロムメッキパーツの多いバイクメッキの手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。
クロムメッキには最大の弱点が!?
クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。
ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれてしまいます。
初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。
穴を埋める事で、クロムメッキの耐食性が飛躍的に上がます。
クロムメッキ磨き剤「ミガキング」
クロムメッキ保護剤「メッキング」
クロムメッキ錆落とし剤「サビトリキング」
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詳しくはこちら:クロムメッキの全てが解る。