ホンダ・初代アコード
画像参照サイト:ホンダ公式サイト
【ちょっと贅沢な3ドアハッチバック『アコード』】
自動車メーカーのホンダの代表する大衆車と言えばシビックが最初に思いつくと思います。シビックはその名の通り、市民(国民)に愛される車を目指し、コンパクトで愛嬌のある車でしたが、そのシビックからのステップアップカーとして作られたのが、今回ご紹介する『初代アコード』です。
シビックの人気に安心することなく、ネクストカーの候補までユーザーを囲い込む姿勢には強かさを感じますね。
初代アコードはシビック同様に3ドアハッチバックタイプの車でしたが、排気量や車格はひと回り大きくなり、正に『ちょっと贅沢な大衆車』と言った感じでしょうか。
私が学生の頃は、ステーションワゴンやハッチバックタイプの車も人気がありました。それこそ、いわゆるVIPカーと呼ばれる高級志向のセダンと並ぶほどでした。
もちろん私の車を通じた仲間の中にはアコードワゴンに乗っている奴もいて、その頃はあんまり車の事は詳しくなかったですが『VTECエンジン』の響きにやたら興奮していた覚えがあります。よく分からんが、何やらすごいエンジンだ!と。
最近でも仲の良い先輩が、3代目アコードを買ったと聞いて早速見に行ったんですが、セダンタイプで渋い雰囲気がとてもカッコ良くて現行車には無い魅力的な車でした。当時の状態を綺麗に維持した個体で、ウインドウも全面クリアーガラスで当時の雰囲気がプンプンな感じは、私の大好物でした。
話を戻します。初代アコードは1976年5月8日に中型3ドアハッチバック車として登場しました。セダンタイプもありますが、今回はハッチバックタイプのみをご紹介していきます。
初代アコードの位置づけとしては中型高級車。高級車と大衆車の中間、といったところでしょうか。痒いところに手が届くちょうど良いクラスの車って感じですね。最高に丁度良いホンダ・・・どこかで聞いた事あるフレーズです。
現代ではアコードは既に10代目まで引き継がれており、当初のコンセプト以上の高級車へと変化しました。
アコードの名前の由来ですが、『アコード(ACCORD)』とは英語で『調和する』『一致する』『適合する』などを意味します。ホンダによれば「人とクルマとを、いかに快適に結び付け"調和"をさせるか」という思いを込めて作られたのがアコードだそうです。
人とクルマの調和。ホンダらしい車作りの思念が伺い知れるネーミングですね。それではじっくりその魅力について語っていきたいと思います。
目次
【主な仕様】
初代アコード(以下、アコード)の主な仕様です。3ドアハッチバックのEXのみの表記となります。
・水冷直列4気筒SOHC CVCCエンジン
・排気量1.6L
・全長4105−4125mm
・全幅1620mm
・全高1340mm
・ホイールベース2380mm
・車体重量835−875mm
・最高出力80ps/ 5300rpm
・最大トルク12.3kgf•m/ 3000rpm
・タンク容量50L
搭載エンジンの種類は1.6Lの他に1.8Lがある様です。エンジンの名称にあるCVCCとは『Compound Vortex Controlled Combustion』の頭文字を取ったもので、『複合渦流調整燃焼方式』の略称だそうで、いわゆる低公害なエンジンという事です。なんだか名前を聞いただけでも難しいですね。
どの様な内燃機関なのかというと、リーンバーン(希薄燃焼)をさせる事で、排気ガスの仲の有害な物質を少なくする技術だそうで、当時の技術でどれほど効果があったのかは分かりませんが、エコなエンジンといった感じでしょうか。
このホンダのCVCCエンジンは、当時世界一厳しいとされたアメリカのマスキー法(大気浄化法と呼ばれる法律で大気汚染に関する地球規模の環境規制)をクリアしたと言うから、その技術と成果は伊達じゃ無いのはお墨付きな様です。
なんだか環境の話になりましたが、当時から自動車メーカーとしての環境保護に関する意識と使命感の強さを感じますね。
もちろんこの環境に配慮したアコードは世界各国に輸出され、ホンダを代表するクルマとして世界中で認知される様になりました。
トランスミッションにおいては『ホンダマチック(Hondamatic)』が採用されています。これはホンダ特有のAT機構で、特徴としては手動変速機(マニュアルトランスミッション、いわゆるMT)の様に2軸または3軸の平行軸歯車を使用し、油圧湿式多板クラッチによって変速する機構です。
これはホンダの商標であり、開発にあたって一切の関連する特許に抵触しないという完全独自のAT技術です。
このホンダマチックのメリットはMTのノウハウをそのまま応用する事で、設備面・技術面のコストを抑えられた事や、性能自体のメリットとしては伝達能力が高く、高回転域でエンジン本来の性能を引き出せたなどがあります。
この様にアコードに搭載されたエンジンは、環境と走りにも拘りを見せた当時の最新のエンジンと言えます。また軽自動車にも搭載が可能という応用の幅の広さから、当時のホンダを支えた技術とも言えます。
ちなみに初搭載車は1968年のN360で、初代シビックにも搭載されています。
【アコードの初見の印象としては『デカいシビック』】
初見でのアコード印象は『デカいシビック』といった感じでした。語弊があるかも知れませんが、よく言えば馴染み易いデザインの様にも感じます。
シビックよりも高級志向ではありますが、振り切っていない少し落ち着いたデザインは、やはり大衆車として多くの国民に素直に受け入れられたのかも知れません。
もう少し差別化を図って派手なデザインでも良かったと思わないでも無いですが、決してユーザーを置いてけぼりにしない、アコードのコンセプトである『調和』が感じられるデザインです。ちょっと野暮ったい感じもやはり旧車っぽくて私は好きですが。
アコード製作当時は先ほど触れたCVCCエンジン開発などで予算が限られていたそうで、シビックとの共有部品も多かった様です。やはり『デカいシビック』は強ち間違った例えでは無いみたいですね。
しかしシビックに比べて車格が大きい分、用途の幅が広がり現代で言うところのSUVの様なユーティリティーカーの様な利便性がある様に感じます。
【アコードの外観】
アコードの細かいデザインについて見ていきます。
3ドアハッチバックタイプの角ばったボディで、形状としてはファストバックスタイルの軽やかで少し洒落た見た目をしています。
フロントの意匠は丸型の4つ目ヘッドライトで、フロントグリルには『CVCC』のエンブレムが誇らしげに飾られており、樹脂パーツとメッキパーツが組み合わさったフロンドバンパーは大きく突出しています。
大きな癖は感じられず、好き嫌いが分かれない誰にでも好かれるフロントデザインの様にも感じます。
私が特に気に入ったのはボンネットのデザインで、大きく盛り上がった中央部プレスラインの作る陰影というか、コントラストが非常に美しく思わず指でなぞって愛でたくなるボンネットです。そのボンネットの中央部からフロントガラスの方へ目を向けると数センチほど起伏したエアーインテークの様なメッシュがさりげなく見えます。
また、ボンネットの両脇にはサメのエラの様なスリット加工がされており、スポーティーな印象も受けます。
細かい部分にも上級車としての拘りが見られます。ドアとの境目にあたるボディ部分にはシルバーメッキのモールが張り巡らせてあり、ドアのウインドウの縁部分にも同様にシルバーメッキのモールで飾られています。
この様にドア部分に二層のモールが存在する事で、煌びやかさが一気に増して立体感が生まれている様にも感じます。普通なら見逃してしまいそうな細かデザインにも拘りを感じますね。
リアのデザインもフロント同様に癖の無い受け入れやすいデザインで、やはり高級すぎない『ちょっと贅沢なクルマ』という印象があります。
随所に贅沢な要素を持ちながら、全体的にはとっつき易いデザインのアコード。使いやすさと所有感の調和も上手く取れている様ですね。
【アコードの内装】
アコードの内装もいい意味で庶民的というか、居心地のいい雰囲気が漂っています。特徴的なのだ大きく窪んだダッシュボード部分で、小物を置くのにちょうど良いトレーが助手席側に配置されています。この昭和溢れるデザイン・・・たまりませんね。テーブルの様な使い方も出来て、私はこの手のダッシュボードは好きですね。
メーターは丸目のスピードメーターとタコメーターがあり、その真ん中には台形型のフューエルメーターと油温メーターがあります。その下には更にアコードを上から俯瞰で見下ろした様なイラスト?があります。半ドアの警告用でしょうか。
そのメーターパネルの上部にはインジケーターランプが連なっており、各種警告灯が運転席から狭い範囲で一望出来ます。この辺りのデザインも昭和の雰囲気があって良いですね。
車内へのアクセスは運転席と助手席の2ドアからのみのアクセスですが、後部座席は意外にも広く感じ、いわゆるクーペタイプとは違って後部ウインドウも広く、日当たりも良さそうな感じがします。もちろんセダンタイプには劣ると思いますが、ハッチバックタイプも後部座席の居住感はなかなか良さそうです。
ハッチバックタイプのミソであるラゲッジスペースも広々としていて後部ドアも大きく開くので、幅広い用途で活躍しそうな感じがします。流石に一定以上の大きな荷物や背の高い荷物は無理かも知れませんが、普段使いの範疇であれば十分では無いかと思います。
【大衆車と高級車の間の様なアコード】
今となっては高級車の仲間入りを果たしたアコードですが、初代アコードはもう少し大衆車志向のとっつき易い上級車といった感じです。
そのちょうど良い中間の存在が功を奏して、長らく愛され続けたのかも知れません。残念ながら初代アコードはかなり希少になっており簡単に中古市場に出回っていない様ですが、現存する個体が元気よく今日もどこかで走っている事を願います。
以上、ホンダ『初代アコード』のご紹介でした。
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