【日本を代表するオートバイ『スーパーカブ』】
日本が誇るオートバイメーカーホンダ。そのホンダのバイクの中でも最も売れたのが『スーパーカブ』です。その累計販売台数は1億台を超えます。これは世界一販売台数で、ギネス認定もされている輝かしい数字です。驚くべきなのはこの販売台数は、四輪車を含むもので正真正銘の『世界で一番売れてる乗り物』と言えます。
今回はそんなスーパーカブの中でも人気の高かったモデルのひとつ、1971年式の『カモメカブ』についてご紹介したいと思います。
カモメカブの詳しい説明は後ほどたっぷりご紹介致しますので、先にホンダ『スーパーカブ』について簡単に説明していきたいと思います。
そもそもホンダのスーパーカブの誕生は1952年に生まれた自転車用の後付けエンジンのキットの名称で、原動機付自転車、通称『原付』の走りとも言える存在でした。
『Cub』とは猛獣の子供という意味が有り、小さなエンジンで有りながらパワフルさを強調する思いが込められているそうです。
その後、1958年からエンジンのみだったカブにフレーム・シート・タンク・灯火系などのパーツを組み合わせたオートバイとして誕生したのが『スーパーカブ』です。既にこの時から現在に至るまでスーパーカブのデザインやコンセプトに大きな変化はなく、長い年月世界各地で愛され続けるモンスター級のベストセラー車へと上り詰めました。
スーパーカブの魅力といえばやはりとっつきやすい小さな車体とその運転のしやすさです。取り回しのしやすいコンパクトなボディは駐輪場などのスペースを大きく圧迫する事もなく、それこそ自転車の様な手軽さが有ります。
クラッチ操作を必要としないシーソーペダルのリターン式シフトチェンジは、慣れれば誰でも楽にシフトチェンジができると言うのも大きな特徴です。
本来はビジネスシーンでの使用が多いスーパーカブですが、現在では排気量の展開も50cc〜125ccと幅広く、スポーツカブやクロスカブなどの用途別のラインナップも増えて、用途別に選べるほどにまでなりました。
特にクロスカブなんかは、ヘッドライトガードやマフラーガードなど、現代のアウトドアブームにもピッタリなタフネスバイクなデザインで、人気が高いモデルとなっています。
スタンダードなデザインのスーパーカブは、そのレトロチックなデザインが意外にも女性にも人気がある様で、カラーリングにポップなラインナップも多く、最近ではスーパーカブを題材にしたTVアニメなんかもありその人気が途絶える事は無さそうです。
またスーパーカブはカスタムベースとしても人気が高く、チョッパースタイルや、カフェレーサースタイル、オフロードスタイルにカスタムされたスーパーカブも多く見受けられます。
今回ご紹介する『カモメカブ』は現代においては旧車の部類に入るので、その当時のスタイルを綺麗に保ち、ビンテージバイクとして楽しむ愛好家もいる様です。
それではじっくりその魅力に迫っていきたいと思います。
目次
【スーパーカブオーナーは『カブ主』】
早速話は逸れますが、スーパーカブのオーナーや愛好家の事を『カブ主』と呼ばれています。またオーナーズクラブやそのミーティングの事を『カブ主総会』と呼ばれているそうです。紛らわしいですが、かなりユーモアのあるネーミングだと思います。
私は参加したことがありませんが、文字通り多くのスーパーカブが集まる様で、中には貴重なモデルのカブも拝見することができるそうです。今の時代に開催されているか分かりませんが、カブ愛が深い微笑ましい愛好会なのは何となく分かりますね。
維持費が安く、経済的にも優しいカブは所有するハードルが比較的低いので誰でも簡単にカブ主になることが出来ます。セカンドバイクとしても人気が高いので、そう考えると日本のカブ主の数は相当数いそうですね。
【主な仕様】
ではカモメカブの主な仕様について詳しく解説していきます。1971年にデラックスグレードとして登場し、後ほどご紹介しますがその独特なスタイルから『カモメカブ』と愛称が付けられ、一部のファンから長く愛されるモデルとなっています。排気量は50cc・70cc・90ccとがあり、それぞれを比較してみます。今回は50ccのC50をピックアップしました。
・空冷4サイクルOHC単気筒エンジン
・排気量49cc
・変速機 自動遠心式三速リターン
・全長1805mm
・全幅655mm
・全高985mm
・ホイールベース1175mm
・車体重量76kg
・最高出力4.8ps/ 10000rpm
・最大トルク0.37kgf•m/ 8200rpm
・タンク容量3L
・燃料消費率85km/ L
特に目立ってすごい訳では無いですが、やはりカブのもう一つの魅力でもある燃費の良さに驚きます。カタログスペックで85km/Lですから、10km/Lの誤差があったとしても相当な低燃費です。タンク容量が少なくても日々の通勤では申し分無い燃費で、ガソリン代も抑えられて経済的です。まさに庶民に優しいこれぞ日本のバイクと言えます。
もちろん排気量なりの馬力とトルクですが、街乗りなど日常で使用する分には問題は無いと思います。流石に急勾配や山道では苦しい部分があるかと思いますが。
【カモメカブの由来と特徴】
それではカモメカブの名前の由来についてですが、そのハンドルの形がカモメに似ている事からこの愛称が来ています。
それまでは横一文字のシンプルな形状でしたが、デラックスグレードとして登場したこのカブはハンドルがまるでカモメが飛んでいる時の羽の様に湾曲しています。
ハンドル自体の湾曲角度自体は緩やかなモノですが、実際に見てみるとかなり反り返った様な見た目ですので、みる人が見れば一発で『カモメカブ』と分かるデザインとなっています。
またこちらも有名ですが『行灯カブ』と呼ばれる要素となったフロントフォークのポジションランプも装着されており、二つの大きな特徴を持つ事で、希少価値の高いモデルとなっています。
それ以外の特徴としては、フレーム一身により燃料タンクとフレーム本体が一体型になり、この仕様はその後のスーパーカブに採用され続ける構造となりました。
マフラーのデザインにおいても1970年代に採用されていたモナカマフラーも目を引くデザインのひとつで、太く大きなサイレンサーでメッキ加工も施されている部分でもありますので、存在感は抜群です。
一見してどの年式も同じ様に見えるスーパーカブですが、細かい部分を見ていくと、ひとつひとつのデザインが異なり、個性的です。
しかし、この独特で特徴的なデザインは1978年に一気に変更されました。カモメハンドル、行灯ランプ、モナカマフラーは廃止されよりスタイリッシュなデザインへと様変わりしました。時代の流れに沿った進化ではありますが、この変更によってカモメカブは更に希少価値の高いレア車の仲間入りをする事になったのです。
【ビンテージバイクの趣】
現在ではすっかり旧車の部類に入るカモメカブ。そのビンテージバイクの様な趣はイタリアのベスパや、富士重工のラビットにも負けるとも劣らない独特のオーラを放っています。
元はビジネスバイクである事から少し野暮ったい雰囲気もありますが、先ほどご紹介したカモメハンドルや、ウインカー、ハンドルとヘッドライト部分を大きく包み込む金属製のナセルカバーなど、質感はまさにビンテージバイクそのもの、カブの特徴でもあるフットガードもまた良い味が出ています。
先ほども少し触れた通り、スーパーカブは変速機にリターン式を採用しているのでクラッチレバーが存在しません。よってハンドルの左側はかなりスッキリした見た目をしているので、その簡素な作りもまたビンテージバイクの様な雰囲気を醸し出しています。
足回りに目を向けるとフロントとリアのフェンダーも大きくタイヤ包み込む様な形状をしておりエンド部分に僅かな返しを施すなど、細かい配慮もホンダらしいなと感銘します。
サスペンションにおいてもリアサスはフルカバータイプのものを採用しており、見た目はシンプルでレトロな印象を受けます。
ビジネスバイクですから、車体の前後にキャリアが装着されており、ある程度の積載性能はあります。以前一緒にツーリングに行った『カブ主』の方はリアキャリアにパニアケース代わりに、みかんのコンテナを積んで荷物入れにしておりました。
ちょっと田舎臭い感じでしたが、スーパーカブの雰囲気と抜群にマッチしており、日本の古き良きバイクと言った少しノスタルジックな感じがとても印象的だったのを覚えています。
カモメカブは先ほども申した通り、デザインが後にデザインが一新されるなど、時代のニーズに合わせて細かい部分の変更はされ続けたものの、大きなデザイン変更は無く、このビンテージ感溢れる外観は現行モデルでもいくつか踏襲されており、どれだけこのデザインが愛せれていたかが伺い知れます。
【ビンテージカブと言う選択】
日本だけでは無く、世界で最も販売されたスーパーカブ。やはりその歴史の深さは伊達ではありません。そんなスーパーカブの歴史の中でも『カモメカブ』は一際魅力的なモデルでは無いでしょうか。
ぱっと見だとどれも同じ様なカブにしか見えませんが、本当に分かる人だけが興奮する様な『さりげないレア車』を選ぶのも良いですね。カモメカブは正にそう言った旧車の部類に入ると思います。
敢えてこう言ったビンテージカブを選択する、というのもまた良いかも知れません。現在ではかなり流通量が少なく、入手が困難になってきていますが、カモメカブの特徴に注視していればいつかひょんな出会いが待っているかも・・・
カモメカブに限らず、魅力たっぷりなスーパーカブ。もしビビッとくるカブに出会ったら『カブ主』になってみては如何でしょうか?
以上ホンダスーパーカブ、通称『カモメカブ』のご紹介でした。
カモメカブ・愛車はどのKING?
バイクメッキ手入れ
クロムメッキパーツの多い、バイクの手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。
クロムメッキには最大の弱点が!?
クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。
ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれてしまいます。
初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。
穴を埋める事で、クロムメッキの耐食性が飛躍的に上がます。
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