Harley-Davidson XL1200L 【メッキング&サビトリキング】愛用者の声

ハーレーXL1200L

Harley-Davidson XL1200L

神奈川県川崎市 A氏

 

 

 空冷ビッグツインの鼓動ひとつひとつが路面を蹴って前に進むような独特のトルク感。プラスチックパーツを極力使わず、金属の塗装、メッキ、ポリッシュなど多彩な表面処理で仕上がられた美しい姿。

 ある年齢以上のライダーにとって、青春時代に高嶺の花だったのがハーレーダビットソンというバイクです。今では、日本に正規ディーラー網ができて、ずいぶん身近な存在となりましたが、私にとってその憧れは変りませんでした。

 18歳で中型二輪免許を取ってから、ヤマハのビラーゴ250やホンダのスティードなど、国産のアメリカンモデルを乗り継ぎ、20代後半で結婚に伴い一旦バイクから離れたのが約30年前。子供が手を離れたのを機にふと自分の人生を振り返った時に頭に浮かんだのがハーレーでした。

 それからインターネットや雑誌で情報を収集してみると、今ではハーレーもインジェクション化されており、故障も少ないし、修理で部品に困ることも無いのだということがわかりました。30年の間にハーレーに乗るというハードルは随分下がっていたのです。

 そこまで分かれば大型二輪教習に申し込むまでは早かったです。教習に通いながらハーレーを探しました。実はこういう時が一番楽しいのかもしれません。若者に交じって何とか教習をこなしつつ、ネットの中古車情報を眺がめたり、実際にバイク屋さんに足を運んでたくさんのハーレーを見に行きました。

 ハーレーに乗るからには“ビッグツイン”という選択もあったのですが、約30年ぶりのリターンライダーであること、さらに週末にチョイ乗りもできる気軽さ、そして何よりも予算の関係……で、私が決めたのは中古車のスポーツスターでした。

 ある日、いつものようにネットでハーレーの中古車を検索していると、たまたま目に留まったモデルがありました。それが私が購入したXL1200Lでした。スポーツスターと言えば、小型のピーナツタンクがアイコンとなる、コンパクトで軽快なスタイリングが特徴ですが、XL1200Lはワイド&ストレッチされたビッグタンクに前後ローダウンした車高が特徴です。残念ながら日本での人気は今ひとつに感じますが、各部に多用されたクロームメッキパーツやキャストホイールなど、スポーツスターらしからぬ重厚感あるスタイルは私の理想のハーレー像に非常に近いものでした。まだ、実車を見る前でしたが、ほぼ私の心は決まったも同然。その後、実際に店舗に足を運び即決に近い形で購入となりました。

 こうした経緯で愛車となったXL1200L。単にスタイルに惚れたバイクでしたが、実際に乗ってみても意外にも良く走るバイクでした。国産アメリカンと比べれば、重い車重と効かないブレーキ、ストロークの無いサスペンション、と乗りづらさを覚悟していたのですが、それはすべて杞憂でした。

 通常のスポーツスターより低いXL1200Lの車高は、足付きの良さを生むのはもちろんのこと、重心が下がっていることによりコーナーリングの倒し込みもスムーズ。教習所の国産ネイキッドのようにはいきませんが、変なクセは無いように感じます。

 しかし、低い車高によりバンク角は非常に少なく、ワインディングでは少し物足りなさを抱かせます。とはいえ、コーナーを楽しむバイクではありませんので、そこはコーナーリングスピードを落とすことを心掛けています。

 また、ステップが後ろ寄りになるミッドコントロールなので、この点でも操作に違和感が出なかったのも良かったです。久しぶりのバイクで足を前に投げ出すようなポジションでは、慣れるまで時間がかかったものと思います。

 何より、XL1200Lを買った良かったと感じるが、やはりエンジンの鼓動です。インジェクション化されてハーレーらしいテイストが損なわれたという意見もあるようですが、私にとっては十二分にエキサイティングです。

 セルボタンを押した直後のアイドリングから、シグナルスタートの加速、高速道路を制限速度程度で流す時まで、常にエンジンがその存在を主張し続けます。これこそハーレーであり、国産のアメリカンバイクでは決して味わうことのできない感覚だったと大満足しています。

 一方、メンテナンスに関しては一切をショップ任せにしています。自分で行うにはインチ工具が必要になりますし、クラシカルな見た目と裏腹にインジェクション車なので、自ら手を出すには二の足を踏んでおります。ただ、洗車や磨きだけは必ず自分で行うようにしています。というよりは、ハーレーを手に入れてから自分が磨き魔と呼ばれるような素質を持つことに気づかされました。

 特にハーレーは金属部品の塊なので磨きがいがありますし、せっかく手に入れた永年の憧れのバイクを汚くしておくわけにはいきません。

 これまで国産車を乗り継いできた私の主観ですが、ハーレーの造りは良くも悪くもおおらかです。塗装やメッキの質も悪くはありませんが、屋外にカバーをかけて保管しているような状況では気付くとメッキのくすみなど錆の兆候が出てきます。

 塗装部分はまだ良いのですがクロームメッキ部分は特に注意しています。気を抜いて手入れを怠ると、すぐに表面にポツポツと腐食の芽が現れてきてしまうのです。ポツポツ程度であれば磨けばなんとか落ちるのですが、たとえ落ちたとしても表面の平滑さは少しずつ損なわれます。また、磨くケミカルを間違うと表面に細かな傷が無数に入って、鏡面が失われてしまうのです。だからこそ、最も大切なのは決して錆させないことだと思っています。

 しかし、手に入れてから最初のうちはクロームメッキ表面を錆させてしまったことが何度もありました。これがなかなか落ちにくく、市販のクリーナー一体式のワックスで擦っても錆以外のメッキ面は綺麗になりますが、錆自体は落ちません。かといって、コンパウンドなどを使うと、錆は落ちますが、きれいなメッキ面まで細かな研磨傷が入ってしまうのです。

 そこで、様々調べて手に入れたのがNAKARAIの「サビトリキング」でした。これは私が色々使ってきたケミカルの中でも最も効果的なメッキの錆落としケミカルです。落ちにくい点錆を確実除去しつつ、クロームメッキの輝きが深まります。また、サビトリキングで磨いた部分は再び錆びにくくなっていることに気づきました。今までは1ヶ月ほどで再び錆が出てきていた部分が、3ヶ月くらいは美しさを保つようになっていたのです。

 これだけ効果が出ると、俄然気になってくるのが同じくNKARAIの「メッキング」です。メッキングはクロームメッキ表面のコーティングを行う専用の保護剤。実際に使ってみるとこれがまた効果が抜群でした。メッキングを使うとクロームメッキの輝き方が全く違ってきます。さらに、錆の発生は格段に少なくなりました。

 普段の磨きの手順としては、まずは水をたっぷり含ませたマイクロファイバークロスで塗装面、クロームメッキ面を優しく拭きます。いきなりドライの状態で拭くと、表面に付着した砂やホコリでかえって細かな傷を付けることになるので、最初はほとんど力をかけない水拭きをするようにしています。本当は水をじゃばじゃばかけて洗車したいところですが、集合住宅のバイク置き場なので、それは叶いません。

 ですが、メッキングでメッキ表面をコーティングしてからは、軽い水拭きの後に乾拭きするのみでクロームメッキの輝きが蘇ってくれます。効果は非常に長続きするようで、今のところ1年前にメッキングで磨き上げた部分の輝きは失われていません。購入時の写真も残っているのですが、確実に今の方がバイクは綺麗になっています。

 磨き魔を自認する私ですが、メッキングのおかげで磨きの手間が格段に減り物足りなさを感じてしまうのは贅沢な悩みなのかもしれません(笑)。しかし、磨きの時間が減った分、走る時間が増えたのは良いことだと思います。

 ついに手に入れた愛車ですから、これからも手入れを欠かさずに美しい姿を保って、日本全国いろいろな場所を旅してXL1200Lとのリターンバイクライフを満喫したいと思っています。