クロームメッキ塗装スプレーの失敗しない選び方はそもそもないです

クロームメッキ塗装が可能なスプレーは数多く販売されており、これだと思うものを選ぶのは難しいことです。
どうすれば失敗せずに良いものを選べるのか気になっている方も多いのではないでしょうか?
実はクロームメッキ塗装スプレーを使うということ自体が良くありません。
なぜならクロームメッキ塗装スプレーではクロームメッキ加工できないからです。
ここではなぜクロームメッキ塗装スプレーではダメなのか、その理由をはじめ本当のクロームメッキ加工について紹介します。

クロームメッキとは?

まずクロームメッキとはいったいどういうものなのかを見ていきましょう。
そもそもメッキという技術ですが、これは対象となる素材の表面に金属の被膜を作り出す技術のことです。
表面を金属の膜で覆うことによって見た目を綺麗にしたり、サビを予防するといった効果を得られます。
クロームとは金属の名称のことですので、クロームという金属を使ったメッキということになります。
厳密に言うとクロームメッキではクロームの他、ニッケル、銅も使われています。
3つの金属によって薄い膜の層を作り出す形です。

クロームメッキ加工は個人では行えない

電気メッキ

非常に重要なことなのですが、クロームメッキ加工を個人で行うことはできません。
クロームメッキ塗装スプレーを使えば誰でも簡単にクロームメッキ加工ができるようなイメージがありますが、決してそうではありません。
クロームメッキ加工を施すには専用の設備が必要です。
また、設備だけでなく特別な技術や知識も求められ、メッキ加工をしてくれる工場、お店などに依頼してやってもらわないといけないのです。
クロームメッキ加工の流れを簡単に紹介します。
まずクローム、ニッケル、銅といった金属を溶かし、液体にして容器の中に入れます。
この液体が入れられた容器の中にさらにクロームメッキ加工したい素材を漬け込みます。
その後、容器内に電気を流すことで金属の液体と素材を定着させ、さらに液体から固体に変えることでクロームメッキ加工が完了します。
金属を一度液体に変え、素材に密着させたうえで固めて被膜を作り出すというイメージです。
簡単に説明しましたが、クロームメッキ加工は本来これだけの作業を行わないといけません。
スプレーで吹き付けて完了するものではないのがよくわかると思います。
ではクロームメッキ塗装スプレーはどういう仕組みになっているのでしょうか?

クロームメッキ塗装はクロームメッキに似せた塗料を使っている

銀鏡メッキ

結論から言うと、クロームメッキ塗装スプレーはクロームメッキ加工をしたように見せることができる塗料のことです。
クロームメッキ加工を施すとまるで鏡のように反射し、ピカピカと銀色の光沢が生まれますが塗料によって同じような見た目を作り出しています。
クロームメッキ塗装スプレーには金属の銀が含まれていて、加えて透明なクリアーという塗料が混ぜられています。
塗料と一緒に銀を吹き付けることで綺麗な銀色が生まれ、見た目はクロームメッキ加工とほぼ同じになります。
実際、見た目だけでクロームメッキ塗装スプレーなのかクロームメッキ加工なのかを見極めるのは非常に困難です。
特殊な機械を使って見極める必要があります。
ただ、どんなに見た目がよく似ていてもまったく別なものです。
クロームメッキ加工ではクロームに加えニッケル、銅も使っていると紹介しましたがクロームメッキ塗装スプレーの方は銀を使っているだけです。
使っている金属からして違いますし、塗料を吹き付けているだけなので金属被膜を作り出すわけでもありません。
金属ではなく塗料に含まれる油の膜、油膜が作り出されます。
クロームメッキ塗装スプレーはあくまでも見た目をクロームメッキ加工に近づけるもの、そう考えるようにしましょう。

クロームメッキ塗装スプレーのメリットはあるのか?

クロームメッキ加工とはまったく違うことがわかったわけですが、クロームメッキ塗装スプレーになにかメリットはあるのでしょうか?
考えられるメリットは以下の通りです。

  • 簡単に扱える
  • 見た目はクロームメッキ加工とほとんど変わらない
  • クロームメッキ加工が施せない物にも利用可能

以上の3つが主なメリットとして挙げられます。
まず最大の特徴として非常に簡単に扱える点があります。
スプレーを吹き付けるだけで良いので特に難しい作業もなく、初めての方でも難なく使えるでしょう。
また、見た目だけならクロームメッキ加工とほぼ変わらない仕上がりになるため、機能面は気にせずとにかく見た目がクロームメッキ加工っぽくなれば良いというケースでは役立つかもしれません。
さらにクロームメッキ加工が施せない物にも使える点が便利です。
クロームメッキ加工は容器の中に金属の液体を入れ素材を漬け込んで加工するという仕組みになっていますが、たとえば容器に入れられないほど素材が大きい場合など、どうしても加工できないことがあります。
ですがクロームメッキ塗装スプレーならスプレーするだけなので素材が大きくても複雑な形状をしていても問題ありません。
こうした点を考えると、クロームメッキ加工の代用としてクロームメッキ塗装スプレーを使うという選択肢はあるでしょう。

クロームメッキ塗装スプレーを使う場合の注意点

クロームメッキ加工とはまったく別なものとはいえ、クロームメッキ塗装スプレーには上記のようにメリットもあります。
なんらかの理由でクロームメッキ塗装スプレーを使うというケースも出てくるかもしれません。
その時に注意したい点も見ていきましょう。
クロームメッキ塗装スプレーを使ううえで認識しておかないといけないのは、機能面ではクロームメッキ加工に大きく劣るという点です。
スプレーを吹き付けるだけなので密着性が低く、またムラになりやすいという欠点を持っています。
綺麗に仕上がらないだけでなく、密着性が低いことですぐに塗料が剥がれてしまったりするのです。
耐久性も低く、素材をサビから守るといった効果は期待できないと考えましょう。
クロームメッキ加工がどうしてもできないという場合にスプレーで代用することはありますが、そうでないならやはりクロームメッキ加工するのがベストな方法です。
クロームメッキ加工であればサビも強力に防げますし、見た目の綺麗さも長持ちします。
メッキ工房NAKARAIではそんなクロームメッキ加工を行っています。
法人だけでなく、個人の方からの依頼も受け付けております。
パーツ1つからでも問題ありませんので、愛車をクロームメッキで保護したい時はいつでもご連絡ください。

パーツにクロームメッキ加工を施したいなら専門店に依頼するのがベスト

正しいクロームメッキ加工はスプレーでは行えません。
専用の設備が揃った専門店に依頼して加工してもらうのが本来のやり方です。
クロームメッキ加工を行うには加工を行うための大きな容器をはじめ、排水設備なども必要となります。
さらに毒劇物扱いになるため知識のない人にはそもそも扱うことができない技術です。
基本的にメッキ加工をしているお店なら依頼できるのですが、メッキにもさまざまな種類がありお店ごとに得意不得意があるのも事実です。
そのためクロームメッキ加工を希望する場合は用途に合ったメッキ加工のお店を探すことがポイントとなります。
メッキ加工をしてくれるお店ならどこでも結果は同じになるというわけではないので注意しましょう。
メッキ工房NAKARAIもメッキ加工を請け負っています。
特に車やバイク・トラックのパーツを得意としておりますので、これらのパーツのクロームメッキ加工を検討している方は気軽にご相談ください。
見積もりをはじめ、メッキに関する相談ならなんでも受け付けております。
最近では樹脂パーツへの加工のご相談も多いのですが、樹脂パーツに関しては新品のみの対応となっております。
中古の樹脂パーツは対応しておりませんので、その点はご注意ください。

クロームメッキ塗装スプレーは使いやすくて便利ですが、クロームメッキ調の塗料を吹き付けるものでクロームメッキ加工とは違います。
本来のクロームメッキ加工は専用の設備でしっかりと加工を行い、見た目が綺麗なだけでなく機能面もとても優秀で耐久力にも優れます。
愛車を綺麗にし、同時に保護もしたいならクロームメッキ加工を施しましょう。
クロームメッキ加工は専門店に依頼することになりますが、お店によって得意分野も異なります。
メッキ工房NAKARAIは特に車関係のパーツが得意で、実績も豊富です。
樹脂パーツも新品であれば取り扱っておりますので、まずは気軽にご相談ください。
自分でクロームメッキ塗装スプレーを使うのは良い方法ではありません。
しっかりとプロに加工してもらうのが愛車を輝かせるために必要な第一歩なのです。