画像参照元…スズキ公式ページ
レトロ?未来的?個性派なバイク『SW−1』
レトロとも言えばレトロ、未来的と言えば未来的。今回ご紹介するスズキ『SW−1』は見る人によってはどっちとも取れるまさに他に類を見ない個性的なデザインのバイクです。
ヴィンセントやヴェロセット、トライアンフといった1950〜60年代を飾った英国バイクを彷彿とさせるデザインの為、日本車とは思えないオーラを放ち、それと同時に高潔かつ荘厳な雰囲気さえ感じる不思議な魅力を持っています。
SW−1は1992年2月に発売。この唯一無二のデザインコンセプトを手掛けたのはウォータースタジオの代表でもある坂井直樹氏。その個性的・独創的なデザインで1992年度のグッドデザイン賞を受賞しました。車名の『SW』も『SUZUKI』と『Water studio』の頭文字を取ったもの。
その個性的な外観だけではなく、充実しすぎる収納スペース。249cc空冷単気筒4ストロークSOHCエンジン搭載で、ベルトドライブやシーソーペダル式のシフトチェンジなど、バイクとしても実用的な一台となっています。コンセプトは『Humanwere(ヒューマン・ウェア)』。人間の生活・くらしといった活動がより豊かにする為の道具(器)になるべくして生まれたのが、このSW−1です。
メーカーやデザインコンセプターのセンスを織り交ぜつつ、ユーザーの「あったらいいな」を形にした様な一台。スペックで言えばビッグスクーターで事足りるのですが、なぜか惹きつけられるSW−1。この世にビッグスクーターが存在しなかった世界線をイメージさせてくれる様な、別世界の乗り物の様な雰囲気さえ感じます。
SW−1の当時の販売価格は68万8,000円。同クラスのバイクに比べると高めの設定で有り、販売台数も伸びなかったそうで、短期間で生産終了してしまいました。
その販売期間の短さと見た目のインパクトも有り、幻のバイクとも言える希少性の高いSW−1。現在の中古相場でも70万〜80万円強、状態の良い個体によっては100万円を超える値打ちが付いているなど、バイクとしての価値もかなり上がってきています。
目次
ウォータースタジオについて
SW−1を手掛けた坂井直樹氏が代表を務めるウォータースタジオ。その名を聞いたことがない方もいると思うので、ウォータースタジオについて簡単に説明をします。
1973年に同氏によって設立されたウォータースタジオは、日産自動車のパイクカーであるBe−1やパオのデザインから始まり、セイコー・オリンパス・シャープ・カネボウ化粧品・KDDIなど様々な分野の企業の商品デザインコンセプトを手掛けました。
この数ある功績を残してきたウォータースタジオの坂井直樹氏は、まさに日本企業の躍進に大きく携わったまさに巨匠とも言える存在です
スズキのSW−1もウォータースタジオによってデザインされた事で、唯一無二の外観を手にいれ、生産終了し時が経った現代でも決して褪せることの無い魅力を放ち続けています。
SW−1の主要諸元
車体型式
- 型式:NJ45A
エンジン
- 型式:J421
- 種類(バルブ/気筒):単気筒4バルブ4ストロークSOHC
- 冷却方式:空冷
- 総排気量:249cc
- 燃料供給方式:キャブレター
- 内径(シリンダーボア):72mm
- 行程(ピストンストローク):61.2mm
- 圧縮比:9
- 最高出力/回転数:20ps/8000rpm
- 最大トルク/回転数:2.1kgf•m/5500rpm
- 使用燃料:レギュラーガソリン
- 始動方式:セルフスターター式
- 点火方式:フルトランジスタ式
- プラグ型式:DR8EA
- 潤滑方式:ウェットサンプ
- エンジンオイル全容量:2.2L
- 変速機:リターン式5速MT
- 操作方式:フットシフト
寸法
- 全長:2105mm
- 全幅:840mm
- 全高:1095mm
- ホイールベース:1380mm
- 最低地上高:115mm
- シート高:770mm
- 車両重量:183kg
- タイヤサイズ(前):110/80−16
- タイヤサイズ(後):140/70−16
- タイヤタイプ:バイアス
性能
- 乗車定員:2名
- 最小回転半径:2.6m
- 燃料タンク容量:10L
構造
- フレーム型式:セミダブルクレードルフレーム
- 動力伝達方式:ベルト
- キャスター角:26°40’
- 懸架方式(前):レテスコピックフォーク(正立)
- 懸架方式(後):スイングアーム式
- ブレーキ(前):油圧式ディスク
- ブレーキ(後):油圧式リーディングトレーリング
コンセプトモデルの衝撃
1989年の第28回東京モーターショーで出展された際は、水冷Vツインエンジンを搭載し、左右のカバーに搭載された収納スペースはハーフメットとまるっと収納できるほどの収納力。そしてKTC製ミラーツールをシート下に収納するという贅沢な仕様でした。
市販化ではそれらは採用されず、エンジンは単気筒へ、収納スペースは縮小されてしまいましたが、コンセプトモデルで多くの人の目を惹きつけた独創的なデザインで、ほぼそのまま売り出されました。
独創的で個性的なデザイン
コンセプトモデルに比べて市販モデルは仕様に変更が多く見られますが、それでもSW−1の外観はとにかく見る者に強烈なインパクトを与える個性的なデザインとなっています。トライアンフの3TAや6Tの”バスタブ”を彷彿とさせるフルカバースタイルはレトロ感が有りながらもどこか近代的な雰囲気さえ感じます。
リヤまで大きく覆ったカバーだけではなくフロントホイールにもエスカルゴフェンダーの様な大きなフェンダーを採用。レッグカバーを兼任した大きなカバーによってエンジンも丸ごと覆われています。
その車体全体を覆ったカバーは滑らかな曲線の美しいボディラインとなっており、ボディカラーもクリームを採用することで柔らかな雰囲気を更に助長させています。バイクというよりは生き物の様な温かみが有り、まさに人々にすんなりと受け入れられそうな愛嬌さえ感じます。
曲線が印象的なカバーにリンクする様にマフラーのエキゾーストパイプも美しい弧を描いた取り回しとなっており、細部にまで拘りを感じる秀逸なデザインとなっています。
ヘッドライト、メーターもポテっとした可愛らしいデザイン。それぞれのケースも当然ながらヘッドライトステーを兼ねたフロントフォークカバーもボディ同様のカラーリングが施されています。
ハンドルはちょうど良い高さのアップハンドルが装着されており、フルカバーに加えてゆったりとしたランディングポジションが安心感を与えてくれます。
厚みのあるボディとは対照的にシートは意外にもスリムな印象です。メインとタンデム部分がセパレートしたタイプとなっていますが、厚みやデザインに統一感がある為、ダブルシートの様なスッキリした見た目となっています。
バイクライフを豊かにする収納力
SW−1コンセプトモデルから縮小したとは言え、その収納力はかなり魅力的です。タンクと思わしきモノは実はトランクスペース。形状は全く同じタンクの”それ”の為、トランク内にはフレームの形で盛り上がっていますが、グローブや財布といった小物を入れるには十分なスペースが確保されています。ソフトな生地で内張りが施されている為、ある程度であれば収納物の保護もしてくれそうです。
当時としては斬新なアイディアで有りますが、ライダーが最もアクセスしやすい場所に収納を作るというのはある意味、理に適った構造でも有ります。肝心のタンクはというと実はシート下に格納されており、これがシートがセパレートタイプである理由でも有ります。
更にリヤ部分を大きく覆ったカバーも収納スペースとなっていますが、こちらはコンセプトから収納スペースは狭くなってはしまったものの、出先でのちょっとした荷物やレインウェアなどであれば、バッグや拡張ケース無しでも収納できるのは嬉しいポイントです。
むしろ多少狭くなっても収納スペースを残してくれたのはかなり評価すべき点だと思います。そして何よりデザインが良いですね。
愛車をいつまでも美しく!
以上、スズキの個性的で独創的なバイク『SW−1』のご紹介でした。後にも先にもここまで個性的で独創的なバイクはあまり見られません。まさに唯一無二のバイクとして他に類を見ない存在感のあるSW−1はこの先もその魅力は褪せることは無さそうです。
発売当時はあまり販売台数は伸びず、短命に終わったバイクでは有りますが、それが故にレアな絶版車として今後もその価値は上がっていくことでしょう。
そしてSW−1の様なレアな絶版車、旧車を所有するならばやはり気を付けたいのが外装コンディションの維持でしょう。特にSW−1の様なフルカバータイプのバイクであれば塗装のお手入れには注意していきたいところです。
しかし、塗装のコーティングなどのメンテナンスも重要ですが、それと同じくらいメッキパーツへもコーティングを施し愛情を注いでいきましょう。メッキパーツも経年と共にくすみや錆が発生するので、何もせず放っておけば錆腐食が侵食して取り返しのつかない事になり兼ねません・・・あまり目立っていなくてもバイクには結構メッキパーツは使われており、錆による腐食は意外にも目立ってきます。
車やバイクに施されているメッキ加工は『クロームメッキ』と呼ばれるキズや錆に強い加工技術ですが、やはりこのクロームメッキも完璧ではありません。確かにクロームメッキの加工面自体は硬く滑らかになっていますが、手触りでは分からないほど無数の穴が表面に存在しています。その穴から水分が入り込み、下地にあるニッケルメッキを侵食しやがて表面のクロームメッキごと剥がれ落ちてしまいます。
それを防ぐ為に、メッキを磨いたりした後はメッキパーツにもコーティングを施してこの水分の侵入を防ぐ必要があるのです。
またメッキ磨きに使用する磨き剤も正しく選ぶ必要があります。メッキはそれこそ人の肌の様に繊細なので、使用するケミカルもメッキ専用で、しかもきちんとしたものを使わないと更に傷みやすくなり錆や劣化の原因になります。
愛車の価値を損なわない、また美しく乗り続けていく為に、しっかりとメンテナンスを依頼するショップやケミカルを選び、愛車を美しく維持していきましょう。
メッキ加工も承ります
スズキ SW-1 マフラー
再メッキ前
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愛車はどのKING?
メッキ手入れ
クロムメッキパーツの多いバイクメッキの手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。
クロムメッキには最大の弱点が!?
クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。
ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれてしまいます。
初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。
穴を埋める事で、クロムメッキの耐食性が飛躍的に上がます。
クロムメッキ磨き剤「ミガキング」
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詳しくはこちら:クロムメッキの全てが解る。