画像参照元…ホンダ公式ページ
異彩を放つCB500FOUR
今回ご紹介するのは『ホンダ ドリームCB500FOUR』。1971年にCBシリーズの500ccクラスモデルとして登場した大型と中型クラスの中間的な存在のCBです。搭載しているのは498cc空冷4気筒4ストロークSOHCエンジン。空冷4発のCBらしいエンジンで、750ccを下回る排気量ながらも、十分なパワーとトルクを兼ね備えたロードスポーツバイクです。
CBと言えば1969年に当時のホンダにとって最大排気量4ストロークエンジン搭載バイクであるCB750FOURが有名です。『ナナハンブーム』の火付け役として国内のみならず世界でも注目されたまさに名車中の名車です。
しかし、そのネームバリューと当時の最新技術を詰め込んだCB750FOURですが、その巨大な車体と車両重量は日本国内で販売するにあたって、一般的な日本人の体格にはいささか持て余す存在だったのは確かです。
そこで日本人の体格に合った大型バイクとしてのCBを開発が必要と判断した事により、登場したのがこのCB500FOURなのです。
CBシリーズらしいヨーロピアンテイストな雰囲気と空冷4気筒エンジンは踏襲されていますが、CB750FOURにもCB400FOURにも似つかい個性的なデザインは見事にCB500FOURの存在感を示しています。
ひと目見てCBだと直感的に判断しやすい外観でありながらも、シリーズの中では一際異彩を放っているCB500FOUR。CB750FOURが『動』であればCB500FOURは『静』というイメージを強く持ったホンダは、CB500FOURのキャッチコピーを『静かなる男のための500(FOR THE QUIET RIDER)』と寡黙な紳士に向けたバイクである事を強調しました。
絶妙な排気量と、軽快さを持ち合わせたまさにこの『一台で全てが完結する』と言っても過言では無い痒いところの手が届くバイクです。機能面でもパッシングスイッチを日本のバイクで初めて導入したり、キルスイッチやポジションランプなどライダーが乗車姿勢を崩さず余計なアクションを必要としないスマートなライディングを実現したのです。
その他にもヘルメットホルダーや速度警告灯も装備され、安心で安全なツーリングになる様に様々な工夫もされています。
それでは当時としては最新の技術を詰め込んだ、CBシリーズの優等生とも言える『ホンダ ドリームCB500FOUR』の知られざる魅力についてたっぷりと語っていきたいと思います。
目次
CB500FOURの主要諸元
エンジン
- 型式:CB500E
- 種類:直列4気筒4ストロークSOHC
- 冷却方式:空冷
- 総排気量:498cc
- 燃料供給方式:キャブレター
- 内径(シリンダーボア):56mm
- 行程(ピストンストローク):50.6mm
- 圧縮比:
- 最高出力/回転数:48ps/9000rpm
- 最大トルク/回転数:4.1kgf•m/7500rpm
- 使用燃料:レギュラーガソリン
- 始動方式:セルフスターター/キックスターター
- プラグ型式:D7EA
- 潤滑方式:ウェットサンプ式
- エンジンオイル全容量:3.0L
- 変速機:リターン式5速MT
- 操作方式:フットシフト
寸法
- 全長:2105mm
- 全幅:825mm
- 全高:1115mm
- ホイールベース:1405mm
- 最低地上高:165mm
- 車両重量:196kg
- タイヤサイズ(前):3.25−19
- タイヤサイズ(後):3.50−18
- タイヤタイプ:バイアス/チューブ
性能
- 乗車定員:2名
- 最小回転半径:2.4m
- 燃料タンク容量:14L
- 燃料消費率:34.0L
構造
- フレーム型式:ダブルクレードル
- 動力伝達方式:チェーン
- キャスター角:64°
- 懸架方式(前):テレスコピックフォーク(正立)
- 懸架方式(後):スイングアーム式
- ブレーキ(前):油圧式ディスクブレーキ
- ブレーキ(後):スイングアーム式
ブリティッシュビンテージな外観
750ccや400ccのちょうど中間に位置するポジションになりますが、CB500Fは外観やコンセプトを他のCBシリーズとガラリと変えたスタイルで、上手く住み分けをしていると感じるバイクです。
もともとジャパンネイキッドな見た目のCBシリーズですが、CB500Fはまるでビンテージな英国車の様な佇まい。トライアンフやBSAが好きな人にはたまらないのではないでしょうか。
英国車と聞くとカフェレーサースタイルがイメージしやすいですが、スタンダードなネイキッドもなかなかお洒落です。ヨーロッパ圏メーカーのバイクは独特な外観で、小ぶりなタンクに分厚いシートが特徴で、CB500FOURはまさにそれと言った外観ですが、タンクの形状は400や750と同じ様なジャパンネイキッドスタイルを踏襲しています。見る角度によっては印象が変わる、ある意味『多国籍』の様なバイクです。
美しい造形のトランペットマフラー
マフラーの形状はバイクの印象をガラリと変えます。バイクのスタイルやイメージに合わせて短くしたり本数を増やしたり形を変えたり・・・基本的に純正のマフラーは大人しめのデザインが多く、真っ先に社外品に替えられてしまう不遇な運命を辿る部分でもあります。
しかしCB500Fのマフラーの形状はトランペットマフラーを採用し、他のCBシリーズとは一線を画すデザインをしています。スポーツティーなテーパーエンドやメガホンには無いクラシカルな印象でありながら、キャプトンマフラー程わざとらしくない見た目に感じます。
私も今まで色々バイクを見てきましたが純正でトランペットマフラーを採用しているバイクは多分他には無いのではないでしょうか。かなり希少だと思います。マフラーの径も太すぎず、スマートな印象を受けます。
そしてしっかり左右4本出しなので、リアからの眺めた時の迫力もあり、見応えのあるマフラーです。集合管やキュッと短いメガホンもカッコいいですが、このトランペットマフラーには「大人のカッコ良さ」があります。
マフラーのサウンドは太く重低音が効いたサウンドですがどことなく軽快感もあります。CBらしいサウンドなので、CB純正のままでも十分楽しめる素晴らしいマフラーです。
細かいパーツへの拘り
デザインもスタイリッシュですが、細かいパーツにもメッキパーツがふんだんに使われており、拘りが垣間見えています。
まずはフロント部分のフェンダーですが、CB400FやCB750Fと同様にビンテージルックなサイクルフェンダーが採用されています。その大きくタイヤに覆いかぶさったフェンダーはメッキ加工がされて、足回りを美しく飾ってくれます。もちろんリアフェンダーも同様です。
そして目線を足元からタンクへ移すと、タンクのエッジ部分にはシルバーモールがあり、こうすることでタンクの輪郭がハッキリし、タンクも一回り小さく見える視覚効果もあるのでスマートな見た目になります。シートの端にも同じくモールが這わせてある拘り様。見事にタンクのモールと繋がっていて統一性のある見た目です。
この時代のバイクは金属パーツが多用されていて、仕上がりも美しいので現行車には無い芸術性も感じます。ツーリング途中の休憩で、バイクを眺める時間も楽しくなりそうです。
CB500FOURを美しく保つには
以上、ホンダのCB500FOURのご紹介でした。CBナナハンやヨンフォアの陰に隠れがちなバイクですが、その両方のいい所を取った、言わば日本国内におけるCBの集大成的存在と言っても過言では無いかも知れません。
スマートな車体とCBらしいヨーロピアンスタイルの美しい車体。それでいながらもCBナナハンの廉価版とは思わせないオリジナリティ溢れる外観はCB500FOURの魅力です。
CBナナハンやヨンフォアに次ぐ名車であると同時に、今ではレアなバイクとして中古市場においても200万円弱の価格が付けられるなど、非常に高騰しています。球数も少ないので、今後もかなりプレミアが付きそうですね。
CB500FOURの様なレアな旧車を所有するオーナーにとってはやはり、その美しい外装の維持には神経を使う所だと思います。オリジナルパーツのスペアも簡単に手に入らないので、日々のメンテナンスでその美しさを維持する必要があります。
もちろん、塗装のコーティングなどのメンテナンスも重要ですが、それと同じくらいメッキパーツへもコーティングを施し愛情を注いでいきましょう。メッキパーツも経年と共にくすみや錆が発生するので、何もせず放っておけば錆腐食が侵食して取り返しのつかない事になり兼ねません・・・
車やバイクに施されているメッキ加工は『クロームメッキ』と呼ばれるキズや錆に強い加工技術ですが、やはりこのクロームメッキも完璧ではありません。確かにクロームメッキの加工面自体は硬く滑らかになっていますが、手触りでは分からないほど無数の穴が表面に存在しています。その穴から水分が入り込み、下地にあるニッケルメッキを侵食しやがて表面のクロームメッキごと剥がれ落ちてしまいます。
それを防ぐ為に、メッキを磨いたりした後はメッキパーツにもコーティングを施してこの水分の侵入を防ぐ必要があるのです。
またメッキ磨きに使用する磨き剤も正しく選ぶ必要があります。メッキはそれこそ人の肌の様に繊細なので、使用するケミカルもメッキ専用で、しかもきちんとしたものを使わないと更に傷みやすくなり錆や劣化の原因になります。
CB500FOURにも多くのメッキパーツが使われている為、メッキパーツがくすんだり錆びたりするのはどうしても防ぎたい所です。
愛車の価値を損なわない、また美しく乗り続けていく為に、しっかりとメンテナンスを依頼するショップやケミカルを選び、愛車を美しく維持していきましょう。
メッキ加工も承ります
ホンダ ドリーム CB500FOUR マフラー
再メッキ後1
再メッキ後2
愛車はどのKING?
メッキ手入れ
クロムメッキパーツの多いバイクメッキの手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。
クロムメッキには最大の弱点が!?
クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。
ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれてしまいます。
初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。
穴を埋める事で、クロムメッキの耐食性が飛躍的に上がます。
クロムメッキ磨き剤「ミガキング」
クロムメッキ保護剤「メッキング」
クロムメッキ錆落とし剤「サビトリキング」
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詳しくはこちら:クロムメッキの全てが解る。