画像参照元…ホンダ公式ページ
ミドルクラスCBの原点『CB350FOUR』。
ホンダ不動の名車といえばやはりCB750FOUR。CB伝説の原点で有り、その存在感と価値は圧倒的なまさに日本の誇るバイクのひとつです。大排気量の空冷4発エンジンは大迫力で現代でもこのCB750FOURはキング・オブ・オートバイとして君臨し続けているほどです。
そしてCB750FOURがCBの原点だとすれば、今回ご紹介する『CB350FOUR』はミドルクラスCBの原点と言えるバイクです。ミドルクラスのCBと言えば、やはりCB400FOURいわゆるヨンフォアですが、そのヨンフォアはこのCB350FOURなくして存在はしませんでした。
このCB350FOURが登場したのは1972年の事。1969年登場のCB750FOUR、1971年登場のCB500FOURに次ぐCBシリーズとして登場しました。ホンダの誇るCBを冠したバイクとして華々しくデビューを飾ったものの、2年後の1974年には生産が終了。後継車としてヨンフォアが登場したのです。
ヨンフォアはカフェスタイルの強いカスタムライクな見た目でデザイン性も非常に秀逸でしたが、CB350FOURはCBナナハンから引き継いだ紳士的なフォルムを受け継いでいた為、造形の美しさでは引けを取らないものとなっていました。
CB350FOURに搭載されたエンジンは空冷直列4気筒SOHCエンジン。いわゆるホンダの真骨頂でもある『空冷4発』の350cc版で、太いトルクと粘り強さが特徴的なエンジンでした。CBナナハンほどの怪物的なスピードは出せないにしても逞しい走りには定評が有り、今も尚魅力的なエンジンのひとつとして実しやかに囁かれているほどです。
目次
CB350FOURの主要諸元
車体型式
- 型式:CB350FE
エンジン
- 種類:直列4気筒
- 冷却方式:空冷
- 総排気量:357cc
- 燃料供給方式:キャブレター
- 内径(シリンダーボア):47mm
- 行程(ピストンストローク):50mm
- 圧縮比:9.3
- 最高出力/回転数:34ps/9500rpm
- 最大トルク/回転数:2.7kgf•m/8000rpm
- 使用燃料:レギュラーガソリン
- 始動方式:セルフスターター式/キックスターター式
- プラグ型式:D7EA
- 潤滑方式:ウェットサンプ式
- エンジンオイル全容量:3.5L
- 変速機:リターン式5速MT
- 操作方式:フットシフト
寸法
- 全長:2070mm
- 全幅:780mm
- 全高:1090mm
- ホイールベース:1355mm
- 最低地上高:155mm
- 車両重量:184kg
- タイヤサイズ(前):3.00−18
- タイヤサイズ(後):3.50−18
- タイヤタイプ:バイアス/チューブ
性能
- 乗車定員:2名
- 最小回転半径:2.3m
- 燃料タンク容量:12L
構造
- フレーム型式:セミダブルクレードル
- 動力伝達方式:チェーン
- キャスター角:63°40’
- 懸架方式(前):テレスコピックフォーク(正立)
- 懸架方式(後):スイングアーム式
- ブレーキ(前):油圧式ディスク
- ブレーキ(後):機械式リーディングトレーリング
CBナナハンをギュッとしたサイズ感
CB350FOURが誕生した背景にはユーザーの声が大いに関係しています。ホンダのフラグシップモデルであるCB750FOURは非常に人気が高く、バイクの完成度も高いまさに完璧なバイクかと思われました。しかし、開発時に本田宗一郎氏が言った「こんなデカいバイク誰が乗るんだ!?」と言ったとされる逸話がある通り、その大きさはCB750FOURの魅力であり、人にとっては欠点でもありました。
そこでCB750FOURよりも小さい空冷4発エンジン搭載のバイクの開発が急務と考えたホンダは、ミドルクラスのCBとしてこのCB350FOURを作り上げたのです。全長・全幅・全高2070mm×780mm×1090mmとCB750FOURよりも一回り小さくギュッと縮小したようなコンパクトさがありました。
とは言ってもその見た目はCB750FOURを踏襲した外観で、ヨーロピアンネイキッドスタイルの趣のある雰囲気を醸し出していたのです。CBの名に恥じない貫禄のある外観とオーラはまさにホンダの誇るミドルクラスの新たな基準として、華々しくラインナップに名を連ねました。
世界を相手に作られたCB750FOURに対してCB350FOURは日本人の体格に合わせたような、まさに理想の一台とも言えます。ユーザーの声を一粒も取りこぼさなかったホンダのバイク作りに対する情熱の産物的な存在だと私は思います。それ故にやはり短命だったのが残念ですね。
洗練されたスタイリング
CB750FOURの遺伝子を引き継いだCB350FOURの洗練されたスタイリングには魅入るばかり。縮小版といっても決して廉価版などではなく細かい所まで拘りが光る非常に完成度の高いバイクとなっています。
全体的なスタイリングはヨーロピアンネイキッドの洒落た雰囲気で、紳士的なオーラを放っています。しかしヨーロピアンと言ってもなんとなく日本のポリスバイクの様な印象もあるのがCB350FOURの不思議なところ。フロントフォークに装着されたフォークカバーがそうさせるのかも知れません。
シンプルなヘッドライト〜ハンドル周り
ヘッドライトは当然ながら丸目一灯のシンプルなヘッドライトが採用。ステーもフォークカバーと一体化となっており、大きな橙色のウインカーがシンプルなフロントフェイスに化粧を施した様な彩りを見せてくれます。そしてフォークカバーのサイド部分に付けられたリフレクターも時代を感じますね。
ハンドルは少々高めのアップハンドルが装着されており、ゆったりとしたライディングポジションを実現させてくれます。ハンドルに装着された小さなマスターシリンダーも当時にしては当然の仕様かも知れませんが、ハンドル周りをスッキリとした印象にしてくれます。
個性的な燃料タンク
CB750FOURの遺伝子を引き継いだと言っても、単なる縮小版では無いことは先ほど言いましたが、CB350FOURに無い個性がある事がその確かな理由です。
CB350FOURの外観でも最も個性的なのが燃料タンクデザイン。亀の甲羅の様な形状の燃料タンクは歴代のCBには無いしなやかな印象を与えてくれます。後方に向かってニーグリップ部分が凹んでいるのも特徴的です。
タンクサイド部分に施されたラインペイントもタンクの形状をより強調するデザインとなっており、そのラインの中心には誇らしげに『HONDA』のエンブレムが飾られています。
燃料タンクの容量は12Lとまさにちょうど良い容量。小さすぎず大きすぎない、その絶妙な容量もまたCB350FOURのしっくりくる要素のひとつなのかも知れません。
CBらしいダブルシート
シートは非常にCBらしい趣のあるもの。座面には細かいマス状のパターンデザインが施されており、厚手のシートをグッと引き締めるタンデムベルトも『当時モノ』の味のある雰囲気を漂わせています。レザー調のシートにタンデムベルトが食い込んだ”シワ”もまた良い感じです。
前から後までほぼ同じ厚みのシート形状もまた旧車好きにとっては堪らないモノです。直線的なフレームだからこそできる美しい造形のシートですね。
重厚感のエンジン
CBシリーズの中ではコンパクトな部類に入るかと思いますが、その重厚感はなかなか侮れない部分が有ります。
一際そう思わせるのが搭載された357cc空冷4発エンジン。750ccエンジンを下回る排気量と言ってもやはり4発エンジンの迫力はそうそうは廃れません。車体からはみ出さんばかりのボリュームのあるエンジンはまさにCBの代名詞と言っても過言では無い存在感を放っています。
また、エンジンから伸びるマフラーも贅沢に左右4本出しマフラーが採用。これはCB750FOURから踏襲されたマフラーデザインで、それをCB350FOURに全く同じデザインを施したのも大きな魅力です。
随所に光るメッキパーツ
CB350FOURには当然ながらメッキパーツが多用されており、高潔で煌びやかな外観となっています。ヘッドライトリム・ハンドルミラー・メーターケース・フロント&リヤフェンダー・グラブバー・リヤショック・サイレンサー・・・随所に散りばめられたメッキパーツの数々が見る者を魅了します。
CB350FOURを美しく保つには
以上、CB350FOURのご紹介でした。ヨンフォアの陰に隠れてしまいがちなバイクですが、非常に魅力のある一台だと思います。何よりかなりレアなバイクなので実物をお目にかかるチャンスもなかなか無いかも知れません。
そんなレアな旧車のCB350FOUR。短命が故にその価値もかなりなもので中古市場でも200万円を超える価格で取引されているほどです。
そしてCB350FOURを所有するオーナーなら分かると思いますが、やはり注意したいのは外装コンディションの維持でしょう。特に旧車となるとオリジナルパーツをダメにしてしまうと精神的なダメージも大きいです。そうならない為には洗車はもちろんの事、塗装やメッキパーツに対するコーティングも重要になってきます。
もちろん塗装面のコーティングなどのメンテナンスも重要ですが、それと同じくらいメッキパーツへもコーティングを施し愛情を注いでいきましょう。メッキパーツも経年と共にくすみや錆が発生するので、放っておけば錆腐食が侵食して取り返しのつかない事に・・・
またメッキはそれこそ人の肌の様に繊細なので、使用するケミカルもきちんとしたモノを使わないと更に傷やくすみの原因にもなり兼ねません。愛車の価値を損なわない、また美しく乗り続けていく為にしっかりとしたショップとケミカルを選び、美しく維持していきましょう。
愛車はどのKING?
メッキ手入れ
クロムメッキパーツの多いバイクメッキの手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。
クロムメッキには最大の弱点が!?
クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。
ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれてしまいます。
初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。
穴を埋める事で、クロムメッキの耐食性が飛躍的に上がます。
クロムメッキ磨き剤「ミガキング」
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詳しくはこちら:クロムメッキの全てが解る。