スズキ『GT750』猛烈なるウォーターバッファロー!

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スズキ GT750

画像参照元・・スズキ公式ページ

【水牛と呼ばれたジーナナ】

皆さんは水牛って知っていますか?多分ほとんどの人が利いた事があると思うのですが、その名の通り水辺や沼地に好んで生息するウシ科の動物です。ただ水浴びしていれば全てが水牛って訳ではなく、見た目的にもきちんと特徴があります。その体は大きいもので3m・体重は1tを超えるほどのものもいるそうです。また体毛が極端に少なく、大きな体以上にインパクトのある半月形の角が最大の特徴です。

そんな水牛の性格はいたって真面目かつ穏やかで、特に東南アジアでは家畜として物を運んだり人を乗せたりなど、生活になくてはならない存在として重宝されている国もあったそうです。

なぜ急に水牛の話をしているのかというと、バイク好きな方なら分かると思いますが、今回ご紹介するのは他でもないバイク界のウォーターバッファローとして有名な、スズキ『GT750』だからです。

GT750は1971年に発売された大型のネイキッドバイクで、その名前から『ジーナナ』と呼ばれていました。このジーナナは当時としては珍しく、水冷の2ストロークエンジンを搭載したモデルとして注目され、ウォーターバッファローというのは北米でのニックネームだそうで、遠路遥々ここ日本まで浸透してきました。

1970年代のバイクシーンと言えば、ホンダのCB750FOURの誕生により、名だたるメーカーは『750cc』という排気量に拘り、大排気量エンジンの開発に力を入れていました。言うなればバイク界のナナハン黎明期とも言える時代です。もしタイムスリップするなら私は是非「この時代に行きたい!」と即答するぐらい憧れの年代でもあります。

当時としてはスズキはバイクに関しても小型モデルが主流で、フラグシップはおろか他メーカーの大型モデルと戦える程のバイクは持っていませんでした。そこで開発されたのがジーナナです。もともと世界最高峰のモーターレース『マン島TT』では1962年に2ストバイクで初優勝するなどして、2サイクルエンジンの技術に関しては世界的にも幅広く認知され、定評のあったスズキ。そのスズキの土俵とも言える2ストで750ccの大型バイク、しかも水冷3気筒エンジンというなんとも変た・・・素晴らしいアイディアによって生まれたバイクです。

冒頭で水牛は穏やかな性格をしていると言いましたが、そのエンジンの仕様を見て大体想像がつくと思いますがかなり尖ったスペックとなっています。それでは、スズキの『GT750』通称ジーナナの魅力についてたっぷりと語って行きたいと思います。

【ジーナナの主要諸元】

ジーナナは1971年発売されています。スズキには既にT500という2ストバイクがありましたが、やはり他メーカーのナナハンバイクと並ぶにはスマートすぎる印象でした。GT750はまさにスズキの命運を掛けた一台とも言えるバイクで、開発にもかなり注力された様です。

というのも2ストロークで500ccを越える大排気量エンジンというのは排熱の関係上かなり難しいとされていました。同年にはカワサキから2スト750ccエンジン搭載の750SSマッハⅣが登場していましたが、結局は4スト750ccエンジンのZ1や小排気量2ストエンジンのKHシリーズに淘汰される形となりました。

そんな課題が多い大排気量の2ストエンジンに採用したのが、水冷による冷却方式です。これにより最もネックとなっていた熱の問題はクリアしたと同時に、最初に酢豚にパイナップルを入れた様な発想によってユーザーからは注目を浴びました。当時としてはかなり画期的だった様です。思いつくと言えば思いつきそうな気もしますが、それを実現するあたりがやはりスズキらしいですね。

長くなりましたが、発売当初のジーナナの主要諸元はこの様になっています。

〈エンジン〉

・型式:GT750

・種類:直列3気筒 2ストローク エンジン

・冷却方式:水冷

・総排気量:738cc

・燃料供給方式:キャブレター

・内径(シリンダーボア):70.6mm

・行程(ピストンストローク)64.0mm

・最高出力/回転数:67ps/6500rpm

・最大トルク/回転数:7.7kgf•m/5500rpm

・エンジン始動方式:セルフ・キック併用

・変速機:リターン式・5段変速

〈寸法〉

・全長:2215mm

・全幅:865mm

・全高:1125mm

・ホイールベース:1470mm

・最低地上高:140mm

・車両重量:235kg

・燃料タンク容量:17L

・タイヤサイズ(前):3.25−19

・タイヤサイズ(後):4.00−18

・最小回転半径:2.6m

〈構造〉

・フレーム型式:ダブルクレードル

・懸架方式(前):テレスコピックフォーク(正立)

・懸架方式(後):スイングアーム

・ブレーキ(前):機械式ダブルリーディング

・ブレーキ(後):機械式リーディングトレーディング

・動力伝達方式:チェーン

エンジンスペックもやはりインパクトがありますがその車格もかなり大柄で、重量も230kgオーバーと最重量級です。開発の経緯や熱意に関しても魅力を感じるジーナナですが、その外観や中身を知れば知るほどその『ジーナナ沼』にハマっていく事となりそうです。

【猛進する水冷2スト750ccエンジン】

何度も何度も言っちゃってますが、ジーナナの最大の特徴とも言えるのが『水冷2ストローク3気筒750ccエンジン』です。最高出力64ps/6500rpmは最新型の同クラス4サイクルエンジンと引けを取らないパワーで、最高速度は180km/hをマーク。今までの2ストエンジン搭載バイクの持つのヤンチャなイメージのバイクではなかったものの、スロットルを開けばパワフルな走りを見せてくれる『やる時はやる』マシンである事は間違いありません。

また最大トルクも7.7kgf•m/5500rpmと車格のイメージ通りのトルクフルな一面もあり、出だしからその750ccの懐の深さを十分に感じる事が出来ます。

3気筒という如何にもスズキらしいスペックもやはり注目すべき点でしょう。もちろん当時としても珍しく、このエンジンに関しては4輪開発時のノウハウが活かされているそうです。量産技術においても非常に優れており、白バイにも起用される程のクオリティーと生産性だった様です。

エンジンの造形もインパクトがあり、フレームからはみ出た3発エンジンに一瞬で目を奪われます。そして何より、車体前面に設置された大きなラジエーターの存在感は相当なものです。その大きなラジエーターはシルバーメッキのガードが装着されるなどドレスアップが施されており、どれほどアピールしたかったのかが分かりますね。

また、エンジンから伸びるマフラーは左右2本出しとなっており、リアビューの迫力もしっかり持たせています。3気筒なのに合計4本マフラーというなんだか騙し絵を見ているみたいな感覚に陥りそうですが、真ん中のシリンダーから伸びているエキパイが車体下部で左右に分岐しているというカラクリです。潔く右2本・左1本でもカッコ良さそうですが、シンメトリーを意識した事で、外観的完成度も高めたかったのでしょう。確かにバランスを考えると、左右2本出しで合わせた方が良さそうですからね。

エンジン造形、迫力もかなり見応えがあるジーナナ。大変貴重なので、現車をもし見る機会があればじっくりと見てみましょう。

【みなぎる力強さを感じる外観】

ウォーターバッファローという名前の由縁は、何も水冷であることだけを指すものではありません。冒頭でも少し本物の水牛の事について触れましたが、その巨体も水牛の特徴のひとつです。ジーナナも大きな車体を有しており、まさにその貫禄は水牛そのものです。筋肉隆々なそのボディは同クラスバイクと比較してもかなり『詰まった感』のある外観をしています。

その大きさからは力強さと逞しさが感じられ、トップスピードでの安定性も生み出してくれます。それによって高速道路でのクルージングも余裕を感じ2ストバイクらしく無い乗り味も感じるかも知れません。まさに人を運ぶという事に優れている点でも水牛とリンクする部分がありますね。

タンクはシンプルなフラット形状のものが採用されており、主にベースカラーにホワイト等を合わせたツートンとなっています。『SUZUKI』のメーカーエンブレムのみと至ってシンプルなのもかなり好みです。

シート形状も当時ものらしいフラットデザインのダブルシートが装着されています。程よい厚みがあり、ロングツーリングでも快適なライディングが楽しめそうです。

フェンダーは今となってはクラシカルなサイクルフェンダーとなっており、足回りにも重厚感を与えています。もちろんメッキ加工が施されており、無骨な外観ながらもドレッシーな印象も受けます。

この様にデザインの細部に拘りを感じ、ジーナナが如何にメーカーの愛情と期待が注がれていたかが伝わってくると思います。当時のスズキのフラグシップモデルに相応しいオーラと貫禄を持った素晴らしい外観となっています。

【ジーナナの中古相場は?】

ジーナナの1971年発売当時の価格は38万5000円です。現代の価値で言うと単純計算で167万円ぐらいです。現代の中古相場ですが、平均的に見て大体200万円程度。高いもので250万円オーバーとその価格の高騰も猛進中です。

【その猛進は止まらない!?ジーナナの未来は?】

さて既にプレミア価格のついていますが、スズキの・・・いや世界のバイク史に残る当時の最先端技術を詰め込んだジーナナはこれからもその名を轟かせる事でしょう。

すっかり巷では見る機会がなくなりましたが、今でも猛進を続ける個体がいるのは間違い無いでしょう。スズキのバイク作りのロマンが詰め込まれたジーナナ。その魅力が少しでも伝わったでしょうか。

以上、スズキ『GT750』のご紹介でした。

GT750フェンダー再メッキしました

GT750フェンダー後
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CB400F

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再メッキ後(車種・・・CB400F)

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ですので、御社にお渡しする時はもちろんメッキ膨れがない状態でお渡しいたしますが、その後膨れは一切ノークレームになります。

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ウルフt125マフラー再メッキした画像

ウルフ125tマフラーを再メッキいたしました

マフラー再メッキ後

再メッキ後

マフラー再メッキ後

再メッキ前

カワサキ750RS(Z2)

1マフラー再メッキ前左側2マフラー再メッキ後左側
再メッキ前再メッキ後

 

3マフラー左側凹み4マフラー凹み修理後再メッキ後
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クロームメッキが錆びる原因【構造

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クロームメッキが錆びる原因【構造

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