Kawasaki W800CAFE
画像参照元・・カワサキ公式ページ
【カワサキが攻めに入った『W800CAFE』】
今回ご紹介するのはカワサキ『W800CAFE』です。2021年6月にカワサキモーターインドネシアが2022年モデルとしてニューカーラーのW800CAFEの発表をしたばかりで、注目を集めております。
Wシリーズは吸収合併以前から目黒製作所が製造販売していた『K1(スタミナ)』を原型とし、1966年にカワサキから製作されていたオートバイです。初代のW1から既に完成されたデザインでW2、W3とほぼその姿形は変わらず、その後1998年2月発売のW650でもほぼそのデザインは踏襲されています。その後W400も登場しましたが、排ガス規制により2008年に生産終了。
その後インジェクションモデルとして2010年10月にW800が発表され翌年2月に2月より日本国内でも販売が開始されました。実質このW800がWシリーズの末裔としてカワサキのネオクラシックバイクの代表としてラインナップに名を連ね続けています。
W800の外観も今までのWシリーズのDNAをしっかり受け継ぎ、その外観は現行車とは思えないクラシカルな外観です。そのブリティッシュなデザインから英国車のトライアンフ『ボンネビル』とは常に比較対象にされてはいるものの、日本車独特の雰囲気も醸し出している為、勝るとも劣らないW800にしかない魅力も有ります。
発売当初のW800にもビキニカウル、ローハンドル、シングルシート仕様のCAFEスタイルモデルが有りましたが、あくまでマイルドな『カフェ風スタイル』に対し、今回ご紹介するW800CAFEは2019年の販売開始された更に攻めたデザインとなっており、まさに本格的な『カフェレーサーカスタム』となっています。
私もカフェレーサーカスタムがかなり好きで、以前乗っていたホンダのGB250クラブマンも絞りの利いたセパハンにシングルシート、パイプワークライトステーでカリカリのロッカーズカフェスタイルにして乗っていた時期も有り、その後はロケットカウル付きのGB400TT MK.Ⅱに乗っていました。W800CAFEはそんな無類のカフェレーサー好きの私が思わず唸る様な、完成度の高いカフェレーサーとなっています。
独自のスタイルにストイックに進化してゆくWシリーズ。その異端児とも言える『W800CAFE』の尖りまくった個性についてたっぷりと語っていきたいと思います。
目次
【W800CAFEの主な仕様】
肉厚なボディを上手く利用したファットなカフェレーサースタイルのW800カフェ。主な仕様は以下の様になっています。
〈エンジン〉
・型式:EJ800AE
・種類:4ストローク 並列2気筒 4バルブ OHCエンジン
・冷却方式:空冷
・燃料供給方式:フューエルインジェクション
・総排気量:773cc
・内径(シリンダーボア):77mm
・行程(ピストンストローク):83mm
・最高出力/回転数:38kW(52ps)/ 6500rpm
・最大トルク/回転数:62N•m(6.3kgf•m)/ 4800rpm
・始動方式:セルフスターター
・変速機:リターン式5速MT
〈寸法〉
・全長:2135mm
・全幅:825mm
・全高:1135mm
・ホイールベース:1465mm
・最低地上高:130mm
・シート高:790mm
・車両重量:223kg
・乗車定員:2名
・燃料タンク容量:15リットル
・タイヤサイズ(前):100/90−18
・タイヤサイズ(後):130/80−18
〈燃料消費率/性能〉
・WMTCモード値(60km/h走行時):30.0km/L
・満タン時航続距離(概算):450.0km
・最小回転半径:2.7メートル
〈構造〉
・フレーム型式:ダブルクレードル
・フロントフォーク:テレスコピック(正立)
・リア懸架方式:スイングアーム方式
・ブレーキ(前後):油圧式ディスク
・動力伝達方式:チェーン
・エンジン潤滑方式:ウェットサンプ
悲しいかなW800はキックスターターが省略されています。それによってエンジン周りはスッキリしてシンプル化となっていますが、キックの儀式が執り行えないのは少し残念です。W650にはキックスターターが有りましたが、かなり容易にかけられる為、旧車慣れした人にとっては些か肩透かしな感じが否めなかったですが、楽にかかるに越したことは無いし、セルフスターターには無い雰囲気を楽しむ事ができるので、クラシカルな外観い相まってかなりポイントが高かったと思います。
しかしインジェクション化による恩恵の方が環境にも経済的にも良さそうなので、今更ですが、これはこれで然るべき進化とも言えます。
【スパルタンなカフェレーサースタイル】
冒頭でも少し触れました通り、もともとW800は大人しめな外観でゆったり乗るクルーザータイプですが、W800CAFEは攻撃的な印象を受けるカフェレーサーカスタムとなっています。スパルタンで有りながらスタイリッシュな外観についてたっぷり解説していきます。
やはり最初に目に付くのはビキニカウルです。さりげないスマートな印象のミニカウルとなっていますが、存在感は抜群です。ヘッドライト部分は少し窪んだ形をしており、その周りはテーパーデザインとなっている為、クラシカルで有りながらどこか近代的なソリッドなデザインとなっています。カウルスクリーンもメーター部分まで大きく覆う様な形状で、ただの飾りでは無い風防としての機能性もあるようです。
続いてハンドル周りですが、やはりカフェレーサーと言えば絞りの利いたセパハンですが、W800CAFEのハンドルはスワローハンドルを逆付けしているスタイルです。これは賛否が分かれると思いますが、私個人としてはかなり『有り』です。むしろ結構好きなくらいです。クリップオンタイプがやはりカフェレーサーとしてはかなりかっこ良いですが、このハンドルの逆付け(コンチ・スワロー・コンドルなど)はそれぞれ絶妙な高さや幅が有りますし、『あるものを上手く使った』的な工夫を感じます。
またハンドルポストが生きている事で、場合によっては取り付け方向を変えてみたりハンドル自体を変えられたりと更にカスタムの幅が広がるので、後々こちらの方が都合が良さそうです。ちなみにトライアンフのスラクストンも当初はコンチハンドルの逆付けでした。
シートはシングルそシートの様に見えますが、機能的にはセミダブルシートとなっており、きちんとタンデムステップが設けられています。スマートなシートとなっている為、カフェスタイルにとてもマッチしており、初見ではそれこそシングルシートにしか見えないデザインとなっています。程よい厚みが有りシートとしての機能性も必要十分に有りますが、メインシート部分をステッチで区切り配色も分けられている為、本来のシートの形状以上に薄いカスタムライクなシートに見えます。
【トルクフルなフィーリング】
W800の魅力といえばクラシカルな外観もですが、その乗り心地にも定評が有ります。ボアストローク77mm×83mmが織りなす最大トルク62N•mの力強さはストレスのない出だしで、スロットルを開けばモリモリ走る逞ましいエンジンです。重厚感のあるボディと相性の良いトルクフルなフィーリングはWシリーズ真骨頂で、W800にも確かに引き継がれているアイデンティティーとも言えます。
【らしくないスポーティーなライディング】
足回りを見ていくと、前後18インチタイヤとショートフェンダーはスポーティーな印象を与え、更に前後共に油圧式ディスクブレーキを採用するなど、機能性・デザイン性に拘りが見られます。単なる見掛け倒しでは無い足回りの強化で『Wらしく無い』スポーティーなライディングを楽しむ事が出来ます。
【引き締まったブラックアウトされたエンジン】
W800CAFEのエンジンはそのスパルタンな外観にマッチした引き締まったブラックアウトされた塗装も特徴的です。半艶の大人びた美しい塗装は丸みを帯びたクランクケースに鈍い光を与えます。また、フィン・フランジ・ベベルギアカバーは鋭い光を放つシルバーパーツとなっており、メリハリのある見た目となっています。
冷却方式も空冷の為、シンプルでスッキリとしておりスタイリッシュながらも、Wシリーズらしい古めかしさも持ち合わせています。そのエンジンから伸びる左右2本出しキャプトンマフラーもやはり先代から踏襲され続けたもの。この重厚感のあるマフラーも良いですが、欲を言うならショートタイプのメガホンマフラーにして欲しかった気もします。
しかしこの美しい造形はWシリーズの大きな魅力のひとつでもあり、様々なカスタムスタイルと相性の良いエンジンとなっています。カフェレーサースタイルはもちろん、チョッパースタイルやトラッカースタイル、それこよりビンテージ感のあるカスタムにも十分に合う為、ベース車としても人気が有ります。
【W800CAFEは熱い思いを呼び起こす】
バイクはもともと嗜好品で有り、非日常を感じるツールだと思います。時代の変化と共にバイクも進化し、高性能で快適なマシンが多くなってきています。本気のSSタイプならまだしもオールドルックなバイクにわざわざ低いハンドルを付けて前傾姿勢で跨がるなんて時代と逆行した様にも感じますが、あえてその『攻めの姿勢』をW800で体感して見るのも良いかも知れません。
W800CAFEは細かい部分に拘りが光る完成度の高いカフェレーサーですが、まるでバイク好きが自分なりにカスタムした手作り感もあるので、見ていて愛着の湧いて来る様なスタイリングでも有ります。
W800CAFEに跨って忘れかけていた『カスタムバイクに乗る』という熱い思いを今一度呼び起こすのも良いかも知れません。今後もWシリーズの進化に目が離せませんね。
以上、カワサキ『W800CAFE』のご紹介でした。
愛車はどのKING?
クロムメッキには最大の弱点が!?
クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。
ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれてしまいます。
初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。
穴を埋める事で、クロムメッキの耐食性が飛躍的に上がます。
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