ずっと放置してしまっていたサックスを久しぶりに見たら、サビてしまっていることに気づいた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、サックスがサビてしまう主な原因と、サビを落とす方法、お手入れ方法、保管方法について解説します。
目次
サックスがサビる主な原因4つ
サックスがサビる主な原因は以下の4つです。
1.経年劣化
サックスのほとんどが、亜鉛と銅が配合された真鍮(しんちゅう)でできています。この銅が空気中の水分や微量の硫黄に反応すると、サビ発生の原因になります。
長期間空気に触れているだけでサビてしまう可能性があるため、定期的なメンテナンスが必要です。コーティングの一種であるラッカーで仕上げていたとしても、効果は永久ではないため注意しましょう。
2.水滴(つば)
演奏をするとサックスの内部に水滴(つば)が溜まり、それを放置してしまうとサビ発生の原因になります。
サックス使用後は必ず「つば抜き」をするようにしましょう。
3.保管場所の湿度
梅雨から夏の時期にかけては、サックスを湿気の多い環境に放置することは避けましょう。
サックスケースに乾燥剤を入れる方法もありますが、入れ過ぎて乾燥しすぎないよう注意しましょう。
車内やトランクに長期間放置するのもよくありません。
4.傷による表面の塗装の剥がれ
サックスの表面の仕上げには、基本的にラッカーとメッキ塗装がされています。ラッカーは本体の金属へ塗装する方法で、メッキは本体の金属にさらに金属を付着させる方法です。ラッカーには楽器を傷やサビから楽器を守る重要な役割があります。しかし、効果は永遠ではないため定期的なメンテナンスが大切です。
サックスのサビを落とす3つの方法
(材質によっては変色してしまう可能性があるので十分気をつけてください)
(サビトリキングは基本的にクロムメッキのサビ取り剤になります。金メッキ・銀メッキには使用不可)
サックスのサビをきれいに落とす方法を3つ紹介します。
どれも簡単にできる方法ですので、ぜひ参考にしてみてください。
1.【おすすめ】サビトリキングを使ったサビ取り方法
【用意するもの】
- サビトリキング
- クロス
【手順】
- サビトリキングのボトルを30回ほどよく振ったあと、付属のクロスにたっぷり垂らす。
- 強く磨きすぎると傷ができるため、サビが発生している箇所をやさしく磨く。
- サビトリキングをたっぷりと追加し、クロス面を変えながらやさしく磨く。
サビトリキングは研磨剤が入っているため、クロスにつけるサビトリキングの量が不十分だと、磨いた箇所に傷がついてしまう可能性があります。
使用する際はサビトリキングをクロスにたっぷりとつけ、クロス面をこまめに変えながらやさしくなでるように磨いてください。
なお、サビトリキングを使用しても落ちないサビがある場合は、パーツクリーナーを吹きかけてみましょう。
それでも落ちないような重度のサビの場合は、NAKARAIで再メッキすることをおすすめします。
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2.重曹を使ったサビ取り方法
【用意するもの】
- 重曹
- お湯
- スワブ
【手順】
- お湯に黒ずみが発生している部品を入れ、重曹を適量振りかけて数分待つ。
- サビが浮いてきたら、スワブを使って水分をしっかり拭き取り乾燥させる。
重曹はシルバー仕上げの楽器などに発生する「黒ずみ」の除去に効果的な方法です。特に、マウスピースのリガチャーやネックなど、小さい部品の黒サビにお悩み方はぜひ試してみてください。
3.クエン酸を使ったサビ取り方法
【用意するもの】
- クエン酸
- 水
- スワブ
【手順】
- クエン酸を水に入れて溶かす。
- クエン酸を混ぜた水に、サビが気になるパーツを数分〜15分ほど漬けておく。
- 付け置き後は水ですすぎ、スワブを使ってしっかり水分を取り除く。
クエン酸は、「青サビ」と呼ばれるサビに効きます。
クエン酸が手元になく代わりにお酢を使う場合は、砂糖など他の成分が含まれていないものをご使用ください。
(材質によっては変色してしまう可能性があるので十分気をつけてください)
もうサビさせない!サックスのお手入れ方法
サビとりをしたあとは、サビを防ぐためにしっかりとお手入れしましょう。
具体的なお手入れ方法は、以下の通りです。
演奏前のお手入れ方法
【用意するもの】
- コルクグリス
【手順】
- コルクが汚れていないか確認し汚れていたら拭き取る
- コルクにコルクグリスを薄く塗る
コルクグリスは、マウスピースが差し込みにくい場合や、前兆がある場合に塗るようにしましょう。毎回演奏前に塗布する必要はありません。
コルクグリスの種類は、スティックタイプと指で塗るタイプの2種類です。自分が使いやすいほうを使用しましょう。
演奏後のお手入れ方法
【用意するもの】
- スワブ
- クリーニングペーパー
- パウダーペーパー
- 乾拭き用クロス
【手順】
- 本体からマウスピースやネックを取り外す。
- ネックと本体、マウスピースにそれぞれスワブを通す。
- クリーニングペーパーをタンポとトーンホールの間にキイを数回押さえ水分を取る。
- タンポがべた付いている場合は、パウダーペーパーを使う。
- 最後に楽器の表面についている指紋や汚れを乾拭き用のクロスで拭き取る。
スワブを通す時は、本体は必ずベル側、ネックは必ずジョイント側、マウスピースは必ずネック側から通すようにしましょう。
スワブはネック用と本体用がそれぞれ販売されているため、必ず2種類用意し、マウスピースにはネック用を使用してください。
本体用には、アルト用とテナー用など種類があるため必ず楽器に合うものを選ぶようにしましょう。
タンポの水分を拭き取る際は、場所によっては2.3回ペーパーの当て方を変えながら行うと、水分をしっかり取ることができます。
乾拭き用のクロスは、ポリシングクロスやスエードクロスなど指紋が拭き取りやすいものを使うことで、美しく仕上げられます。
サックスの保管方法
以下では、サックスの保管方法を紹介します。ぜひこの保管方法でサックスをサビから守ってください。
1.ハードケースに入れて保管する
サックスは空気に触れるだけでサビてしまいます。そのため、外気や衝撃に耐えられる仕様になっているハードケースにしまうようにしてください。
2.高温多湿・直射日光を避けて保管する
サックスは湿気に弱いため、楽器の保管に適している40〜60%の湿度の場所で保管するようにしましょう。
しかし、乾燥しすぎるとタンポのひび割れや縮小の原因になってしまうため注意が必要です。
温度が上がることで湿度も変わってくるため、室温は15〜25度が最適です。
3.楽器専用湿度調整シートを同封する
1年以上の長期保管を行う場合にはメンテナンスをしっかり行い、「楽器専用湿度調整シート」をハードケース内に入れて保管するようにしましょう。
効果は1年になっているため、1年に1度はサビていないか確認することが大切です。
4.月に1回はお手入れする
手順も紹介
【用意するもの】
- キイオイル
【手順】
- キイポストとキイの軸に少量注入する
キイを動かすときになる「カチャカチャ」という音の原因は、潤滑油となるオイルが不足いているのが原因です。
キイオイルは差しすぎてしまうと、汚れやノイズ音の原因になるため、量が分からない場合は、自己判断せずに楽器専門店で指示を受けましょう。
3KINGで史上最鏡を手に入れよう!
サックスのサビがなかなか落ちないときにおすすめしたいのが、「サビトリキング」と「メッキング」「ミガキング」の3つです。
サビトリキングは、クロームメッキを剥がすことなく効果的にサビを除去できるサビ取り剤です。メッキングは、ガラス被膜にクロ―ムの光沢剤を配合した保護剤で、ワックス感覚で塗り込める薬品であるため、 完全硬化の腐食原因である水・油・埃をよせつけにくくなります。
ミガキングは、クロムメッキに極力傷をつけることなくクロムメッキについた汚れを落とす磨き剤です。プロ仕様に作られた強力な薬品のため、取り扱いには十分注意する必要がありますが、市販のものに比べて大きな効果を実感できるでしょう。
「サビトリキング」・「メッキング」・「ミガキング」を使用して史上最鏡を手に入れましょう!