お肌とメッキのお手入れは似ているな、という話

【愛車を美しくドレスアップしてくれるメッキパーツ】

ピカピカ史上"最鏡"バイク クロームメッキ仕様

メッキパーツというのはいつの時代も愛車を美しく飾ってくれるアイテムとして、無くてはならない存在のひとつです。最近では車でもバイクでもオフロード・クロスオーバーブームでマット系のパーツも人気ですが、特別仕様車などには常々メッキパーツが多用されています。

特に旧車となるとよりメッキパーツの採用というのは積極的で、前後のバンパーは全面にメッキ加工を施すなど、贅沢な仕様の名車は数多く存在し、社外パーツでもメッキ加工を施したものも多数有ります。

せっかくのメッキパーツですからやはりいつまでも美しく保っていたいのは誰もが思うことですよね。太陽やライトに照らせれてキラッと光るのを見ると堪らないのはきっと私だけではないでしょう。ちなみに車やバイクに施されているメッキ加工というのはほとんどがクロームメッキ加工です。

クロームメッキ加工は単体で施工されるのでは無く、バフ研磨を施した素材→銅メッキ→ニッケルメッキ→クロームメッキという様に重ねて施工していく構造になっています。

また、クロームメッキの性質として滑らかな触り心地が挙げられますが、その摩擦係数はおよそ0.15以下と言われています。素材としての鉄の摩擦係数が0.52、コーティングなどを施していないボディの塗装面の摩擦係数がおよそ0.44と言われているので、クロームメッキというのは非常に滑らかな表面処理が施されているのです。

【人肌とメッキは同じくらい繊細】
そんなメッキパーツをこよなく愛し、美しく仕上げる為に長年メッキと向き合ってきた『メッキ工房 NAKARAI』ですが、お客様の愛車のメッキパーツを施工していく中でとあることに気付きました。それはズバリ『人肌とメッキは同じくらい繊細』であることです。

最近では男性でもスキンケアをしている方も多くいらっしゃるので誰でも馴染み深いスキンケアですが、お肌というのは本当に繊細でちょっとの刺激でも荒れたり傷が入ったりするほどです。その刺激というのは布が触れる摩擦でも起こり得ます。しかも物理的な刺激だけでは無く季節的なものでもかなりダメージを受けます。

春秋には花粉などで肌がピリピリしたり、夏には汗ベタついてニキビが出来やすくなったり、冬には乾燥してヒビ割れなんかも起きたりします。こう聞いてみると何だかメッキパーツも同じような気がしてきませんか?

メッキパーツというのも非常に繊細で、粗いウエスで触れたりすれば傷が入ってしまったり、夏になれば湿気で錆が発生しやすくなり、放っておけばメッキの下地に錆腐食が侵食してヒビ割れや剥がれの原因となります。

似ても似つかないふたつですが、その特性やお手入れの注意点に焦点を当てていくとかなり共通点が多いことが分かってきます。

そもそも何故私がここまでお肌とメッキを同じ様な扱いをしたがるのかというと、昨年も例の如く猛暑が続き、顔にもたくさん汗をかきますよね。そこで持っている生地の粗いタオルでガシガシと汗を拭き、家でも水道水で濯いで洗顔料で更にガシガシと顔を洗います。自分ではそれで汚れを落としていたつもりですが、案の定そんなワイルドなケアを続けていた事で顔のお肌は荒れ放題でした。

もちろん個人差は有りますが、私の肌は自分で思っていた以上に繊細だったって事ですね。そんな事があったもんですから、そこでハッと気付いたのです。「これってメッキパーツも同じじゃないか!?」と。

今回は車やバイクのメッキパーツだけでは無くスキンケアに詳しい女性にも楽しんでいただけるようにちょっと違った視点でメッキパーツのお手入れの注意点についてご紹介したいと思います!

【メッキはなぜ劣化するのか】
さて続いてはメッキの劣化について解説していきます。ここでいう劣化というのは主に『錆腐食』のことを指します。本来クロームメッキは高硬度で耐蝕性、防錆性にも非常に優れています。しかし完璧に思えるクロームメッキにも弱点は有ります。

クロームメッキにあいている目にみえない無数の穴

皆さんは既にご存知かも知れませんが、クロームメッキの表面は非常に滑らかでは有りますが、手で触れても分からないレベルの無数の穴が空いているのです。もちろん肉眼ではその穴を見ることは出来ません。

点サビ画像

無数に空いた穴に水分や汚れといったものが蓄積していきます。その汚れや水分が侵入した先にあるのはクロームメッキ加工の下地となるニッケルメッキです。このニッケルメッキはもちろんクロームメッキよりも防錆性に乏しく、水分や汚れによって錆てしまいます。それが点錆として表面に現れているのです。

その無数の穴は人肌でいうところの毛穴にあたり、そこに汚れや皮脂が詰まれば炎症を起こしお肌のトラブルに繋がります。まさにそういったメカニズムを見てもお肌とメッキパーツというのは非常に劣化やトラブルの形態が似ているのも意外な共通点とも言えます。

【お肌にはクレンジング、メッキにはサビトリキング】
またまたお肌の話に戻って、では正しいスキンケアというのはどうすれば良いのか。基本的にまずは毛穴の汚れを落とすことが大事です。汚れを落とすと聞くとやはり水でジャバジャバ・・・とそれだけで汚れが落ちそうな気がしますがそれは表面の汚れを落としているだけで毛穴の汚れは案外落ちていないものです。そこで重要なのがクレンジングオイルです。

クレンジングオイルは化粧落としだけに使うと思いがちですが、実は男性でもクレンジングオイルを使う事も有ります。クレンジングオイルは化粧落としだけでは無く、毛穴の汚れや角栓を浮かせて落とす役割も有ります。汗っかきな男性こそ必要かも知れませんね。

メッキの白錆・点錆の原因とは?除去&再発防止効果抜群のメッキング&サビトリキング

メッキパーツも同じで、そのクレンジングオイル代わりにメッキ表面にある無数の穴にある錆を掻き出して落とすのがNAKARAIの錆び取り剤の『サビトリキング』なのです。

サビトリキングは錆にのみ反応しやすい成分なので、クロームメッキ表面をほとんど傷付けずに錆を効率良く落としてくれます。せっかく綺麗にメッキ磨きをしたいのに傷が入ってしまっては元も子もないですね。そんな悩みを解決してくれるのがこのサビトリキング。

メッキを美しく仕上げるにはまずは表面の錆を落とすのが優先となります。このサビトリキングで”クレンジング”してメッキの無数の穴から錆汚れを掻き出してあげましょう。

【お肌もメッキも擦りすぎはNG】
サビトリキングでしっかり錆汚れを落とすのはとっても重要ですが、強く擦りすぎはNGです。サビトリキングには錆を効率良く落とす為に研磨剤が含まれていますので、強く擦りすぎると傷入りの原因になりますので”優しく磨く”のがコツです。

サビトリキングには付属のクロスが付属されています。滑らかなメッキパーツ表面の摩擦を軽減させてくれるキメの細かいクロスですので、サビトリキングはこの専用クロスで使う様にしましょう。

やはりこれもお肌でも共通で、強くゴシゴシ拭けば傷や荒れの原因となります。洗顔をする時もキメの細かい泡で優しく撫でる様に洗えば肌に刺激を与えず汚れを落とすことができるので、メッキパーツもそれこそお肌をいたわる様に優しく磨いてあげるのが美しい仕上がりに重要なプロセスなのです。

ベンツのメッキ部分にはメッキングが塗布することで腐食防止効果があります。

【メッキングはメッキの化粧水&乳液】
お肌の汚れを落としたところで次に必要なのが潤いを与える行程ですね。(本来はクレンジングして洗顔ですが)そこで出てくるのが化粧水です。洗顔したお肌に潤いを与えるのはスキンケアの基本でも有ります。そして潤いを与えるだけでは無くその潤いを更に乳液で閉じ込めるのも重要です。メッキパーツにとってそれらの役割を果たしてくれるのが『メッキング』です。

メッキング画像

クロームメッキには無数の穴が空いていると言いましたが、その穴はミクロン単位の非常に細かい穴です。ミガキングはその無数の穴に入り込み埋めることができるケミカルとなっています。そうすることで、クロームメッキの弱点である無数の穴からの生じる錆腐食を防止し、愛車のメッキパーツを長く美しく保つことが可能なのです。

その効果については湿気の嫌な梅雨時に野外放置しても錆びにくい程です。車やバイクは基本的に野外保管がほとんどなので、このメッキ保護というのは非常に重要になります。またメッキングには研磨剤を含んでいないのも大きなポイントです。

まさにスキンケアの化粧水と乳液のプロセスに近い、メッキングでの仕上げはメッキパーツを美しく仕上げてくれる非常に重要な行程です。せっかくの愛車ですから最後まで隙のないお手入れをしてあげたいですね。

【メッキは肌です!肌!】
もはやスキンケアの話なのかメッキパーツのお手入れの話なのか分からなくなってしまいましたが、やはりそれほど共通点が多いということです。メッキパーツも人肌と同様に非常に繊細で、またしっかりお手入れをしてあげれば美しく保つことが出来ます。

まさにメッキパーツは肌です!優しくいたわりながらケアをしていきましょう!そして自分磨きも愛車磨きも楽しみながら、楽しいカーライフ・バイクライフを送りましょう!