ヨタハチのメッキパーツは蘇るのか?
オールドタイマーにメッキング&ミガキング&デカキング(サビトリキングでか)
が特集されました!
■ヨタハチのヘッドライトリム、再メッキできます
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再メッキ前 | 再メッキ後 |
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【コンパクトスポーツ『トヨタ・スポーツ800』】
トヨタ・スポーツ800は1965年4月〜1969年10月までトヨタ自動車によって製造販売されていた小型のスポーツカーです。同じくトヨタ自動車が製造販売していた大衆車『パブリカ』をベースとしたスポーツモデルで、エンジンやシャシーなど基本構造は共有となっています。
ベース車のパブリカを一切感じさせない、生粋のスポーツカーである事を感じる完成度の高い秀逸なマシンとなっています。当時は元よりいつの時代もこのトヨタ・スポーツ800の根強いファンは存在し、コレクターなどの間でも高い人気を誇っています。
トヨタ自動車の技術者たちの思いが込められた『トヨタ・スポーツ800』の魅力についてたっぷりご紹介していきたいと思います。
目次
【愛称は『ヨタハチ』】
名称はもともとパブリカ・スポーツとして登場する予定でしたが、新モデルとしてラインナップに登場する事となりました。トヨタ・スポーツ800という名前で発売され、『ヨタハチ』という愛称で親しまれる様になりました。
少し野暮ったいネーミングですが、この愛称は当時の時代背景が見えて来る様な、ネーミングセンスでそれが通称としてまかり通る、メーカーにも負けないユーザーの車に対する思いの強さや、影響力を感じることが出来ます。
【主な仕様】
ヨタハチの仕様は以下の通りです。車両型式はUP15となんだかお洒落な型式名です。ベース車のパブリカの型式がUP10/UP20なので、型式だけ見ると同一またははせい車種であることが分かります。ボディ形状は2ドアクーペのタルガトップと呼ばれるルーフのみオープンするタイプです。
・エンジン 空冷水平対向2気筒 OHV ツインキャブ
・総排気量 790cc
・駆動方式 FR
・全長 3580mm
・全幅 1465mm
・全高 1175mm
・ホイールベース 2000mm
・車両重量 580kg
・最高出力/回転数 45ps/ 5400rpm
・最大トルク/回転数 6.8kgf•m/ 3800rpm
・ボア×ストローク 83×73mm
・燃料タンク容量30L
パブリカの700ccエンジンをベースに作られた、800ccのフラットツインエンジンの最高出力は45ps/5400pm。カタログスペックを見るだけでは決して特筆するほどの数値では有りませんが、最高速は155km/h、ゼロヨン記録(0−400m加速時間)は18.4秒と、そのコンパクトなボディを考えると高記録をマーク。
大衆車のガワだけを着せ替えただけのなんちゃってスポーツではなく、ドライバーの心を躍らせるポテンシャルを秘めているヨタハチ。それらは全てトヨタ自動車の技術者たちの手によって作られた必然的性能で有ります。
【徹底的に速さを求めたボディ】
ヨタハチが最高速度155km/hを叩き出したのは決してエンジンに頼った力業では有りません。むしろベースとなったパブリカのU型エンジンはスポーツ走行を目的としていないので、実際にはその非力さがネックとなります。
しかしそれらを踏まえた上で、緻密に計算された事によって得られた結果がこの記録です。その重要な鍵となったのがそのボディ。エンジン性能向上のみに頼らないトヨタらしい二つの『徹底した拘り』がそこには有ります。
まず一つ目は『徹底的な軽量化』です。アルミ金属や樹脂パーツなど、軽量なマテリアルをボディに織り込む事で車両重量580kgと驚異的な軽量ボディを実現。ベース車のパブリカの800ccエンジン搭載のUP20型の車両重量640kgですから、相当な軽量化が図られたのは一目瞭然です。
二つ目は『徹底的な空気抵抗の抑制』です。回流水槽と呼ばれる流体の流れを可視化した状況下で空気の流れを研究し、ボディ開発が進められており、その結果しなやかな流線型のボディ形状となりました。ウインドウに関してもコンパクトな車格を活かして全体的な面積を最小化。リアの形状を風の巻き込みを最小限に抑制する様な滑らかな形状にするなどの工夫が施されています。
それによって得られたヨタハチの空気抵抗係数(Cd)は約0.35以下です。一般的に地面に垂直に立てた板の空気抵抗係数が約1.25で、トラックやワンボックカーが約0.5以上、セダンでも0.5前後有ります。現行のスポーツカーでも0.3〜0.4程度、低いもので03未満である事から、当時としてヨタハチのこの空気抵抗係数の低さが如何に優れているかが分かります。ちなみに最近ではセダンなどの乗用車なども0.2台の数値を記録するなど、空気抵抗の抑制技術も向上しています。
この二つの徹底した拘りによって、ヨタハチはコンパクトながらスポーツカーの境地に踏み入ることが出来ました。まさに技術の粋を結集させた1台と言える存在です。
【洗練された外装デザイン】
ヨタハチの外観は空気抵抗を最小限に抑えた機能性を持っていますが、その副産物として美しい外観を手に入れました。ポルシェ911を思わせる様なその外観は、スマートで有りながら丸みを帯び、愛くるしくも紳士的なデザインとなっています。ボディの全体的なシルエットはクーペスタイルですが、やはりリア側の造形が独特でリアウインドウから滑らかに下がっていくデザインが特徴的です。弾丸やロケットの様にも見えますね。
小型化に伴いホイールベースはパブリカよりも130mm短い2000mmとなってはいますが、より詰まった感のあるボディをしているので、バランス的にはロングノーズ&ホイールベースのスポーティな印象となっています。
フロントフェイスですが、車体の先端には丸目ヘッドライトがシルバーケースごと深く埋め込まれています。そのヘッドライトの間にはカパッと開いたグリルが。つぶらなヘッドライトと相まって、まるで餌を追いかけるために口を開いた熱帯魚の様な愛らしい顔つきです。
このフロントフェイスは2000GTとかなり似ていますが、トヨタ自動車によればデザインの相似を意図して行った訳ではないとのことです。しかしかなり近い見た目なので『プチ2000GT』の様なミニチュア的な可愛らしさを感じます。
次に目を引くのがフロントバンパー。一般的な車体に対して平行に取り付けられた横に広いタイプのバンパーでは無く、縦に短いバンパーが2つ前に突き出す様に付けられています。このバンパーがかなり印象的で、スマートなヨタハチのスタイリングに上手くマッチしています。
ウインカーは完全に独立し、フロントフェンダーに装着されています。まるで007のボンドカーさながら、マシンガンでも撃ちそうなデザインのウインカーが男心をくすぐります。
同じくフロントフェンダーに装着されているミラーは小ぶりでクラシカルなラウンドタイプ。一見古めかしいミラーですが、近未来的なシルエットにも上手く溶け込んでいます。触覚みたいで可愛いですね。
エンジンルームのボンネットはスポーツカーらしい逆ヒンジタイプ。運転席に向かって開くタイプのボンネットです。そのヒンジもシルバーメッキが施されており、細かい質感にも抜かりなし。そこをあげればツインキャブレターの水平対向2気筒エンジンがお目見えします。
続いてはサイドビュー。小ぶりなドアには二分割されたウィンドウが装着されています。サイドボディ部分にはまた室内の換気のためか、小さな通気口が。野暮ったい雰囲気はなくこちらも空気抵抗を意識してか、曲線を用いたデザイン。
脱着が可能なルーフもヨタハチの魅力のひとつです。タルガトップ(Targa top)と呼ばれるもので、イタリアで昔行われていたタルガ・フローリオ耐久レースに由来し、ポルシェ911にも採用されております。
最後にリアビューは流線型の形状に合わせる様なリアウインドウと、滑らかなヒップラインが特徴的です。テールランプもスクエアにコンパクトに集約されており、テールエンドにはフロント同様大きく突き出たバンパーが印象的です。
この様に細かい造形にも拘りを見せ、機能性だけではなくデザイン性においても妥協を許さない姿勢がボディ全体からひしひしと感じてきます。
【小洒落た内装】
ヨタハチの内装はまさに男心をくすぐる工夫がなされています。運転席側のメーター部分はは金属製のパネルが嵌め込まれ、助手席側はレザー調に飾られています。このコックピットを強調したデザインは、ドライバーを『その気』にさせてくれる事は間違い無いでしょう。
クラシカルなレザー調のシートに座り、左手には長く伸びたシフトレバーでこの小さなマシンを操作します。
コンパクトな車体なため、内装もかなり詰まった感が有りますが、外装と同様に拘りが感じられるため単なるコンパクトスポーツカーではないのは確かです。
【ライバルはホンダのSシリーズ】
ヨタハチのライバルはホンダのSシリーズ。その中でも直接的にバチバチに意識してるのはS800です。しかし水平対向2気筒OHVエンジンのヨタハチに対し、S800は直列4気筒DOHCエンジン。最高出力もヨタハチの45ps/5400rpmを遥かに上回る70ps/8000rpmと、スペックにおいてはS800に軍配が上がります。
しかし最高速においてはS800が160km/h、ヨタハチが155km/hとエンジンスペックの差を感じさせ無い数値となっている事から、一概にヨタハチが劣っているとは言え無いのは確かです。他にも車重差の軽快さやフラットツインのフィーリングなど、S800には無い魅力があるのも確かです。
早く言えば『好み』の一言で片付けられる世界では無いかと思います。
【ヨタハチがもたらす素晴らしいカーライフ】
ヨタハチを見れば分かる通り、トヨタ自動車が本気でクルマ作りをした情熱が伝わってくる一台です。大衆車をベースにしたとは思えないこの完成度は、まさにクルマ好きによるクルマ好きの為のクルマであることが分かります。
もたらす素晴らしいカーライフをヨタハチはきっと与えてくれるでしょう。以上『トヨタ・スポーツ800』のご紹介でした。
愛車はどのKING?
NAKARAIメッキで加工した旧車パーツ参考事例を掲載させていただきます。
ケンメリバンパー
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再メッキ前 |
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再メッキ後 |
ダットサン フェアレディ(SR311型)リヤバンパー
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再メッキ前 | メッキ剥離後 |
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板金修理後 | 再メッキ後 |
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再メッキ後バンパー |
旧車パーツのメッキ手入れ
クロムメッキパーツの多い旧車パーツの手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。
クロムメッキには最大の弱点が!?
クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。
ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれるくらいの錆びになってしまいます。
錆びてきていない初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。
穴を埋める事で、クロムメッキの穴を埋める事で耐食性が上がます。
クロムメッキ保護剤「メッキング」
クロムメッキ錆落とし剤「サビトリキング」
再メッキ加工の事ならNAKARAI
メッキング&サビトリキングを購入する
(POPデザインは バイク/車/トラック とありますが中身は一緒です)
メッキング&サビトリキングの購入を検討しているが、その前にメッキパーツについて相談がある方は、メッキパーツ相談室へ
メッキパーツ相談室
A.画像を拝見させていただく限り、既にクロームメッキが取れて、下地のニッケルメッキを通りこしてうっすら銅メッキがでている状態です。サビはなく、バンパー部分も綺麗に保っている状態を考えると、研磨剤のはいったメッキ磨き剤で磨きすぎた結果だと思います。手入れをしたつもりが逆にアダとなったのでは? こうなってしまったら再メッキしか再生不能です。 今後は磨くのではなく、メッキングで定期的なコーティングを強くお勧めいたします。
クロムメッキの事についてもっと知りたい方は、
詳しくはこちら:クロムメッキの全てが解る。