【人気の2代目サニトラ】
日産のサニートラックの誕生は1967年。その名の通りサニーのトラックモデルとして発売されました。原モデルのサニーは大衆車として人気を博した日産を代表する車のひとつです。
サニートラックも『サニトラ』の愛称で親しまれ、初発売から50年以上経った今でも根強く支持される車で、オーナーズクラブも存在するほどです。そんなサニトラでも最も人気が高いのが今回ご紹介する『2代目サニトラ 』です。
サニトラの人気の理由は一言では表せません。やはりトラックの積載性は元より、無骨なスタイリング、ビジネスユーズでも逞しく機能してくれるタフさ・・・その魅力は枚挙に糸目を付けません。特に2代目サニトラは走りにも拘った仕様で、一時は走り屋界隈にも注目される程です。
2代目サニトラ (以下サニトラ)の発売は1971年。大きく前中後期に分かれていますが、前期型の製造年1971〜1977年に対し、中期は1977〜1989年。後期型は1989〜2008年まで生産されていたという驚異のロングセラー車です。但し2008年まで生産されていたのは南アフリカのみですが、シンプルにトラックとしての需要が高かったのでしょう。
そんな世界的にも愛されたサニトラの魅力にたっぷりと迫っていきたいと思います。
目次
【主な仕様】
サニトラの主な仕様です。ピックアップしたのは2代目でも更に人気の高い『1.2 ロングボディーデラックスMT』のものです。型式はR-BG122となります。
・直列4気筒OHVエンジン
・排気量1171cc
・燃料供給方式キャブレター
・全長4140mm
・全幅1500mm
・全高1390mm
・最低地上高160mm
・ホイールベース2530mm
・車両重量730kg
・最大積載量500kg
・最高出力52ps
・最大トルク8.5kgf•m
・タンク容量37リットル
前述している通り、ベースは日産のセダン『サニー』なのでピックアップトラックではありますが、車高はセダン同等となります。さすがにリフトアップしたピックアップトラックの迫力には負けますが、このロー&ロングなボディがサニトラの魅力でもあります。
【名前の由来】
サニトラというか『サニー』の名前の由来になりますが、『Sunny』と表記し意味はそのまま『太陽光』『晴れ』『太陽がいっぱい』とかなり明るくポジティブな印象のネーミングです。実はサニーの後継機とされる『TIIDA(ティーダ)』も沖縄の言葉で太陽を意味する『てぃーだ』から来ているそうです。意外な事実でちょっと驚きましたね。
【トラックとしてのポテンシャル】
カタログに記された基本スペックの中にはトラックらしい『最大積載量』の文字があります。最大積載量500kgと言えば大体、大型二輪が2台分なので十分な積載量ではないでしょうか。
そして全高1390mm、最低地上高160mmという車高の低さは積載時の負担を軽減させてくれるなどの恩恵があります。それこそバイクを荷台に積載する際はスロープが緩やかな方が載せやすいですからね。
私の知人のバイク屋さんもサニトラをバイクの運搬車として使用していましたが、低い車高と広い荷台のおかげで、車格の大きな国産アメリカンバイクを難なく積載されていました。
また荷台にはもちろん屋根が設けていないので、大きな棚や箪笥、冷蔵庫などの高さのある荷物も縦置きで載せることができます。
ピックアップトラックとしてのポテンシャルの高さは、現代においてはアクテビティのサポートにもなります。例えば最近は空前絶後のキャンプブームなので、キャンプ道具の積載も難なくこなせます。重く大きいテントを積んでもまだまだたくさんの装備が載せれそうですね。
私は車やバイクの他にもサイクリングが趣味なのですが、近場ばかりでは無く遠方の景色の良い場所へサイクリングに行ったりするときはSUV車のラゲッジスペースに積んでいくのですが、これがなかなかスッポリは乗らないので毎回前輪を外したりしています。
もしそれがサニトラだったらそのまま荷台にポーンっと載せることもできますね。さすがに固定は必要ですが、そんな気軽に荷物も載せれるサニトラは考え様によっては現代の若い世代の方にも十分マッチする旧車なのではないでしょうか。旧車と言うのがちょっとハードル高いですが・・・
この様にトラックとしては十分な機能性を持ったサニトラはビジネスやプライベートな遊びでも活躍してくれる頼もしいパートナーと言えるでしょう。
【走りでも乗り手を満足させてくれる】
サニトラの人気の理由はトラックとしてのポテンシャルの高さもそうですが、走りに関しても乗り手を十分に満足させてくれる点もあります。
駆動方式はハンドリングに特化したFR構造で、スムーズな操舵性となります。またサニトラのベースがセダンやクーペタイプのサニーである為、基本的な走行機能はそのまま踏襲された様です。
エンジンについては今回ピックアップした1.2ロングボディデラックスMTに関してはA12型エンジンと、こちらもサニーと共用になります。
このA12型エンジンはチューンナップすれば、かなりレーシーな走りを魅せてくれるそうで一時期は走り専門の車好きの間でも人気となりました。実際にカーレースなどでもかなり輝かしい功績を残したとか。
トラックとしてだけでは無く、スポーツ走行も得意なサニトラはまさにただのトラックでは片付けられない『侮れないヤツ』である事が分かります。
【サニトラの外観】
サニトラは一見プレーンな商用トラックに見えますが、細かく見ていけばかなり精細に作り込まれた車である事が分かります。
まずは全体的なデザインはクラシカルなピックアップトラックですが、先ほども述べた様にロー&ロングなスタイリングが特徴的です。基本的にセダンサニーをそのままトラック化した様な感じなので、スマートな印象を受けますが、街中を優雅にと言うよりも広大な自然の中やのんびりした田舎道がよく似合う『カントリートラック』といったところでしょうか。
本来後部座席やトランクスペースとなった部分は荷台へと変わっています。寸法はロングタイプで長さ1960mm・幅1285mmと余裕の広さを確保しています。ショートタイプだと長さが1670mm・幅が1285mmと長さが約300mmほど狭くなります。この300mmの差はかなり大きいですが、ショートタイプでも十分な積載量と考えられますね。
フロントの意匠もセダンサニーそのものです。サニーの丸目2灯ヘッドライトにハーモニカ の様な美しいグリルがそのまま受け継がれているので、真正面から見れば全く同じ顔つきをしています。グリルの下部分には商用トラックらしからぬ煌びやかなメッキバンパーが装着されていたりと、所々にプチ贅沢な要素が見られます。
ミラーについてもまさに旧車らしいフェンダーミラーですが、スクエアタイプのミラーを採用するなどして、小ぶりなラウンドタイプと比べると視認性はかなり良いと思われます。これはサニトラ特有の仕様かなと思いましたが、セダンタイプも同じスクエアタイプでした。
リアのデザインもトラックらしからぬドレッシーな見た目をしています。テールランプは小ぶりでありながらもメッキのモールで飾られており、リアバンパーには美しい書体の『Sunny』エンブレムが付けられています。
ホイールに関してもトラック然としたハイトのある12インチタイヤを標準で履かせるなどしてありますが、ホイールにはこれまたシルバーメッキの眩しいホイールキャップが装着されています。
一見して男らしい無骨なスタイリングのサニトラですが、見れば見るほどその造形の精細さにため息が出そうです。このクラシカルなビンテージトラックにな外観は、現代ではかなり良い意味で目立つのではないでしょうか。
【サニトラの内装】
トラックにしてはちょっと贅沢な外観のサニトラですが、内装に関してはかなり簡素化されている様です。セダンサニーは丸型のスタイリッシュな3連メーターに対し、サニトラはスクエアタイプのラジオの様なメーターとなっています。このあたりは好みが分かれそうですが、このシンプルで古い感じのメーターも逆に飽きが来なさそうな感じもします。
キャビンの居住性に関しては先ほども少し触れた通り、セダンサニーの後部座席以降を荷台に変更されているので、運転席と助手席はお世辞にもゆったりとは言えない感じです。シートも基本的にリクライニングの可動域が狭く、直角気味です。これに関しては仕方がないというか、これがサニトラの味でもあり逆に「これが良い!!」と言うオーナーもいる様なので、一概にはデメリットとは言えないですね。
痘痕も靨(あばたもえくぼ)ではないですが、こう言ったちょっとした欠点も愛せる様になるのが旧車の不思議な魅力のひとつでもありますね。
【サニトラの中古相場は?】
今でも一定数の人気を誇るサニトラですが、現代においては一体どの程度の価値がついているのでしょうか。サニトラのロングボデーデラックスの当時の新車価格は74万6000円です。現代の価格で言うと大体130万円ぐらいと考えられます。
そんなサニトラの現代の中古相場はおよそ150万〜200万円程度でした。状態が良い個体は250万円以上と順調にその価値を伸ばしている様にも感じます。
さすが人気車種といった感じですね。これからもその人気は衰えなさそうにも感じます。
【魅力的なクラシックトラック】
サニトラの魅力はやはりその積載性と、走りにも妥協しないエンジン性能、そして所有欲を満たしてくれるクラシックな見た目でしょう。
旧車好きなら必ず振り向くサニトラの無骨でありながら美しいデザインは、今後も時代を越えてたくさんの人を魅了し続けるに違いないでしょう。
その荷台にたくさんの人の暮らしや夢を積んできたサニトラはまさに日本が誇る名車と言えます。以上、日産『2代目サニートラック』のご紹介でした。
【旧車パーツのリクロームメッキ出来ます】
NAKARAIメッキで加工した旧車パーツ参考事例を掲載させていただきます。
ケンメリバンパー
再メッキ前 |
再メッキ後 |
ダットサン フェアレディ(SR311型)リヤバンパー
再メッキ前 | メッキ剥離後 |
板金修理後 | 再メッキ後 |
再メッキ後バンパー |
旧車パーツのメッキ手入れ
クロムメッキパーツの多い旧車パーツの手入れにおすすめケミカル「メッキング&サビトリキング」についてご紹介させて頂きます。
クロムメッキには最大の弱点が!?
クロムメッキには目にみえない無数のミクロン単位の穴があいており、そこから水や埃がはいり、クロムメッキが錆びるよりも前に、下地のメッキが錆びてきてしまいます。
ウオータースポットの発生→点錆び→メッキがめくれるくらいの錆びになってしまいます。
錆びてきていない初期の段階で、この穴を埋める事を強くお勧めいたします。
穴を埋める事で、クロムメッキの穴を埋める事で耐食性が上がます。
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